しげる牧師のブログ

聖書のことばから、エッセイを書いています。
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朝の露 <テモテの苦労>

2022-04-22 | Ⅰテモテ

「これからは水ばかり飲まないで、胃のために、また、たびたび起こる病気のために、少量のぶどう酒を用いなさい。」(Ⅰテモテ5:23新改訳)

テモテはまだ若者だったと思われるが、パウロの指示に従って、各地に形成された教会を巡回しながら指導に当たっていた。▼これは彼にとり、今ふうに言えばストレスがたまる務めであったらしく、神経性胃炎に悩まされていたようだ。それで冒頭にある聖句のように、パウロから注意を受けていたのであった。この章には1世紀当時、異邦人教会の直面していた問題が記されており、たいへん興味深い。▼教会が扶助(ふじょ)すべき寡婦(やもめ)が多くいて、その名簿が作られていたこと、しまりのない生活をしている寡婦を訓戒し、指導すること、各教会で牧会にたずさわっている長老たちへの尊敬と謝礼のこと、また反対に訴えられた長老の扱い、罪を犯した信徒たちをどうさばくかという問題などなど・・・、たしかにこれらを処理するテモテの苦労は並大抵(なみたいてい)ではなかったろうと想像する。ローマ帝国中に増え広がる教会、それを組織化し、異端や異教徒たちの攻撃から守っていく務め、教会の課題は実に多種多様であった。▼とはいえ、私たちにとってはなぐさめでもある。当時も今も教会が直面するところは同じなのだ、と思うと勇気と信仰がわいてくるではないか。やがて天に行った時、私たちは同様の苦労を通ったテモテ達、初代教会の聖徒たちとともに喜ぶことができよう。