しげる牧師のブログ

聖書のことばから、エッセイを書いています。
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朝の露 Ⅰ列王記11章 <ソロモンと肉欲>

2020-07-15 | Ⅰ列王記

「この女たちは、主がかつてイスラエル人に、『あなたがたは彼らの中に入ってはならない。彼らをあなたがたの中に入れてもいけない。さもないと、彼らは必ずあなたがたの心を転じて彼らの神々に従わせる』と言われた、その国々の者であった。しかし、ソロモンは彼女たちを愛して離れなかった。」(Ⅰ列王記11:2新改訳)

ソロモンは、富と知恵において地上のどの王よりもまさっていたが、女性の肉的魅力に勝つことができず、年をとったとき、主に対する信仰から離れた。▼人はすべての奥義とすべての知識に通じていても、心を尽くし、いのちを尽くし、力を尽くして天の御父を愛することができなければ、一切は無益である。ソロモン王の生涯全体がそのメッセージとなっている。▼神のひとり子が世に来られたのは、私たちをこの霊的惨状から救い出すためであった。じつにキリストこそ、人の心を罪の鉄鎖で縛りつけている悪魔を打ち砕き、永遠の自由を与えることができるお方である。「見よ、ソロモンよりも勝る者ここにあり。」(マタイ12:42同)◆使徒ヨハネは記す。「すべて世にあるもの、すなわち、肉の欲、目の欲、暮らし向きの自慢(文語訳では所有の誇・もちもののほこり)は、御父から出るものではなく、世から出るものだからです」(Ⅰヨハネ2:16同)と・・・。つまり旧約聖書最大の知恵者ソロモンはこの三つの罪を犯し続けて生涯を終わったことになる。いかにあわれな存在であったかをおもうべきだ。考えてみれば、イエス・キリストが出現するまで、すべての人は罪と肉欲、快楽の奴隷状態から自由になれなかった。だから、旧約時代の信仰者たちは、人を真に自由にしてくれるメシア、キリストの出現を今か今かと待望していたのである。◆現代人も変わらない。個人的にイエスを救い主と信じて生まれ変わり、さらに共に十字架につけられた、という経験を通過しなければ、その人は旧約時代に生きているのである。だからソロモンとおなじように、黄金と富に目がくらみ、淫欲の生活をひそかに慕う。彼の最晩年の作、伝道者の書をぜひ読もう。