エスペラントな日々

エスペラントを学び始めて22年目である。この言葉をめぐる日常些事、学習や読書、海外旅行や国際交流等々について記す。

再帰代名詞 si

2018-11-12 | エスペラントの単語


 ある学習会でのことである。Tibor Sekelj の短編集「Kolektanto de cxielarkoj」の中に次の文があった。”... sxajnis al mi, ke sxi iomete gxuas la rakonton pri sxi mem.”:わたしには、彼女が自分自身の話をいくらか楽しんでいるように見えた。
 全体としては無主語文で、ke 節が主語である。ke 節内での主語は sxi だから、「再帰代名詞 si は主語を受ける」と憶えていると、最後はなぜ "pri si mem" ではないのか? と思う。実際そう質問してみたら、すぐさま「プリントミス!」という返事が返ってきた。しかしここでは sxi としなければならない。
 まず「si は主語や主語の一部にはならない」から、Li estas si. といった形も可能かも知れないが、原則として主格のままで単独では用いられない。従って、主格(si)なら前置詞を伴うか、sia, sin の形で使われる。
 si は単純に「主語を受ける」ではなくて、「si の語に関連する動詞の主語を受ける」と憶えておこう。上記の例文では、主語を sxi とする文(節)の述語動詞は gxuas だが、gxuas pri sxi とはつながらない。rakonto pri sxi である。rakonto は名詞だが、動作を意味する。すなわち、rakonti pri sxi の意味を持つ。rakonti の主語は明示されていないが、ここで pri si としてしまうと、その明示されていない主語を受けることになってしまうのだ。

 ところが、別の学習会で次のような文に出あった。”Malgraux la kasxite preparitaj kaj rapide plenumitaj atakoj, kiuj ne donis al niaj soldatoj la povon dece orientigxi kaj interkomunikigxi, cxiu el ili sur sia aparta loko staris forte kontraux cxiuj forlogoj, kaj nur tre malmultaj lasis sin kapti per lertaj vortoj.”
 ザメンホフの、第4回エスペラント世界大会での演説である。Ido の攻撃に言及したものであるが、最後の部分の sin が問題である。「ただ少数のものだけが、巧みな言葉によって捕まえられてしまった」 (oni) kapti sin では意味が通らない、lasi sin と考えると、kaptita でなければならない。これはどう説明すればいいのか?
 エスペラントで書かれた文法書「Plena Manlibro de Esperanta Gramatiko」には次のような解説がある。:Se la senca subjekto de I-verbo ne cxeestas en la frazo, kaj se gxi tute ne estas grava, oni normale lasas al si reprezenti la subjekton de la cxefverbo:不定詞の意味上の主語が明示されていなくてしかも重要でない場合には、文の主語を si で受けるのが普通である。
 • La regxo sendis voki sian kuraciston.:王は自分の医師を呼びに行かせた。・・・ここでは voki がsian kuraciston に関連する動詞であるが、その主語は明示されていなくてしかも重要ではない。
 • La regxo sendis la serviston voki sian kuraciston.:王は召使いに自分の(召使いの)医師を呼びに行かせた。
 • La regxo sendis la serviston voki lian kuraciston.:王は召使いに彼の(王自身の、または誰か他の人の)医師を呼びに行かせた。
 上記の3つの例文を比べると、最初の文がもっとも自然な感じがするのではないだろうか。

 というわけで、ザメンホフは一部のエスペランチストを kapti したのは取るに足らない連中だったと言いたかったのだ。・・・これは少々考え過ぎかも知れない。

 今回、初級者には少々消化不良になるかも知れない。上級者から見るとどこか私の勘違いがあるかも知れない。


   写真は、京都西山にて。風で倒れた木を竹が受け止めた。
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