エスペラントな日々

エスペラントを学び始めて22年目である。この言葉をめぐる日常些事、学習や読書、海外旅行や国際交流等々について記す。

近代科学を学ぶ

2018-07-23 | 読書ノート


 久しぶりの読書ノート。「Sengxenaj Dialogoj - popularscienca esploro de fundamentaj demandoj:気楽な会話ー基本的な疑問による大衆科学の探究 」、エスペラントで書かれた近代科学の啓蒙書である。実は題名だけを見て買ったのでこんな中身だとは全く想像していなかった。学者らしき人が2人の甥・姪と軽妙な会話をしながら近代科学を解き明かしていく。内容は大きく分けて、素粒子学を中心とする物理学と、遺伝子学を中心とする生物学である。エスペラントは分かりやすいが、内容はかなり本格的である。兄と妹の性格がはっきりしていてなかなか楽しく読ませる。
 前半の物理では、重力についての話から始まり、相対性理論や量子力学、時間と空間、素粒子の世界などが語られる。私が初めて相対性理論の概要に触れたのはもう60年近く前、高校の図書館にあった1940年代発行の「ガモフ全集」だった。当時も量子力学はよく分からなかったが、今回も余り理解できなかった。この本は、1970年4月までの到達点を踏まえて書かれているので、私がかつて触れたときとは30年の違いがあり、初めて知ることも多かった。
 電気や磁力と違って、重力には「反重力」は発見されていない。反物質はいかなる重力(重力か反重力か?)を持つのか、まだわかっていない。
 高齢になるに従って時の流れを早く感じるのはなぜか? 生理的な活動が若い人の方が活発だから。子供に与えられる刺激の多くは新しいことで覚えなければならないが、高齢者には忘れて良いことが多い。5才の子供の1年は人生の5分の1だが、50才では2%である。
 時間の流れというのは我々が普通に生活する世界では一様に流れている。しかし物質のない世界、運動のない世界では時間は存在しない。ある種の素粒子では時間が逆行する現象もあるらしい。量子力学同様、時間にも最小単位がある。
 ニュートン力学の世界では、初期状態が完全に分かればすべての未来が分かると考えられていた。これは1927年までのことで、相対性理論や量子力学はこの概念を崩してしまった。ミクロの世界では偶然が支配しているし、ミクロのせいはマクロの世界と切り離されているわけではもちろんない。
 原子核は主に陽子と中性子で出来ている。この世界では重力は非常に弱く、陽子同士は反発するはずであるのに、なぜ原子核はバラバラにならないのか? ここで湯川秀樹の中間子が出てくるのだが、実は中間子には様々なタイプがある。さらにクォークだとか反粒子だとかゴチャゴチャと出てきてとても理解しきれない。
 物理の最後は「エントロピー増大の法則」で、このことが後半の生物学につながっていく。
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2 コメント

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愛読書です (Jamo)
2018-07-23 10:21:40
 エスペラント日本語辞典編集委員会でこの本を話題にしたことがあります。多分2000年頃のはなしです。「現在でもこの内容は大筋、時代遅れになっていないのか」という質問に小西岳さんは「大丈夫だ」との返事でした。
 いまではどうなんでしょうか?
たぶん (esperakira)
2018-07-23 12:03:20
私にはよく分かりません(なにせよく理解できていないところもあるので)が、多分それほど時代遅れにはなっていないだろうと思います。
これだけの内容をエスペラントで読めるのはすごいことだと思いました。

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