旧三井銀行横浜支店（昭和６年築 １９３１）。 設計はトローブリッジ＆リビングストン事務所。 ときおり耳にする事務所名ですが、本拠を米国・ニューヨークに置き、特に銀行建築において名を馳せた実力派の建築事務所だったようです。 外観をパッと見た感じでは非常にシンプルな建物に見えますが、頭部に渦巻きの付いた円柱を全部で６本配し、安定感や安心感と共にさりげなく威厳も表現しているあたりは流石といった所でしょうか。 付近に残る戦前の銀行建築で、今なお現役（銀行として）なものはここくらいかと思われるので、そういった意味でも実力の程が窺い知れると思います。 神奈川県横浜市中区本町２－２０ ０６年１０月下旬
この三井住友銀行の写真を見て、あまりに三井住友銀行名古屋支店にそっくりなので驚いて書き込ませていただきました。なにか関連があるのでしょうか？
それとも銀行建築は基本的にこのような鋳型のもとに成り立っているのでしょうか？
もしご存知でしたら教えていただけたら幸いです。
名古屋は未訪エリアでしたので名古屋支店は頭になかったのですが（汗）、見てみたら本当に良く似てますね。
ちょっとびっくりしてしまいました。
私の調べた限りでは、昭和初期の時点で三井銀行は他銀行に対して店舗数で劣っていたらしく、
本格的な支店展開を行うにあたって海外の高名な建築事務所（トローブリッジ＆リビングストン事務所）を起用し４つの支店を同時期（昭和６年）に建てています。
銀行はお金を扱う仕事ですから、何よりも信頼感や安心感を感じさせる建物がいいわけで、
それがギリシャ神殿のような列柱を備えた、古典様式といわれる重厚な建物を多く生んでる訳のようですね。
上記の４つの支店を見てみると、どれも正面に円柱を備えた厳めしい感じの建物で雰囲気がよく似ています。
現存しているのは横浜と上前津の２つですが、上前津は名古屋ですのでもしかしたら御覧になっているのでは？
恐らくこの４支店を皮切りに、三井銀行では同意匠の建物を支店展開したかったのではないでしょうか。
カメさんの仰る名古屋支店（昭和９年）と大阪支店（昭和１１年）は曾禰中條建築事務所ですが、とっても良く似ているからです。
当時も今と同じように、舶来的なものに対して憧れや畏敬の念を持っていたと思いますから、
海外のデザインをお手本にしたかもしれませんね。
・・・以上は私の勝手な推察なので自信はありません（笑）。
でもこうやって想像しながら歴史を紐解いていくのも楽しい物かもしれないですね。
あと浅草橋ビルは先月見たところ真っ白に綺麗になって現存しているものと思います。改装前の写真を見ると現状より遥かに迫力があって驚いています。
同じような疑問を持ち、同じような把握をしました。ありがとうございます。
他のブログを検索しましたら、「現存する全国の主な銀行建築」や「銀行建築ノ流レ」なども、参照しました。今まで、銀行建築では、木造のやら看板建築のやら、レンガやコンクリのやら、見てきましたが、建物の流れの中に、時代の先端を感じます。関東大震災や金融恐慌は、建物や銀行再編に、大きな影響を与えていますね。また、何時の時代にも、お金を預ける安心感が漂っています。セメントが投入された頃は、職人さんの日当よりも、セメント一俵の方が、高かったと聞いています。
素人考えでの返答でしたが、少しは納得いただけたようでホッとしました（笑）。
名古屋にも今後建築訪問するつもりでいるので、その時に２つの支店とも見てみますね。
休日の訪問になると思うので、内部空間が見られないのが残念なんですけど。
それと、浅草橋ビルの情報ありがとうございました。とりあえず残っているようなので一安心です。
これからも気付いた点や情報などがあれば、いろいろ教えて下さいね。
お待ちしております。
М夫さん。
私の至らない点、今回も補足説明ありがとうございました。
セメントの話は初めて聞いたので、いい勉強になります。
銀行建築って外観も好きなんですが、内部のあの吹き抜けの無駄な（？）空間もいいですよねぇ。
音が上に抜けていく感覚がたまりません。
だから銀行撤退後、再活用されて床（天井）が張られてたりすると、結構ガッカリしてしまいます・・・