日本勧業銀行本店として現在の東京都千代田区内幸町に建設（明治３２年築 １８９９）。 唐破風を備えた和風の建物は妻木頼黄・武田五一の設計によるもので、明治４０（１９０７）年に上野で開かれた東京勧業博覧会では本館・迎賓館として使用された事があるそうです（移築された、という話もありますが非現実的？）。 その後、大正１５（１９２６）年に京成電気軌道（現・京成電鉄）に売却され谷津遊園内に移築され、「楽天府」という名称で食堂や演芸場などに利用されました。 昭和１５（１９４０）年には千葉市役所庁舎として再移築され、同３６（１９６１）年まで使用されましたが新庁舎建設に伴い解体され、市内での再建を条件に千葉トヨペットに部材は譲渡、昭和４０（１９６５）年に現在地に復元されました。
今の建物は鉄筋コンクリートの骨組みに改変されていますが、元の建物の古写真を見てみると基礎は煉瓦造りで１階の外壁は板張り、１・２階の窓は縦長で上げ下げ窓のようにも見えます。 全体的なプロポーションは変わっていませんが窓周りを中心に印象はかなり違ったもののように思えます。 千葉県千葉市美浜区稲毛海岸４－５－１ ０６年０４月上旬