旧マッケンジー邸

2007-08-10 07:05:41 |  静岡県
















 ダンカンとエミリー、マッケンジー夫妻の住居として昭和15(1940)年に完成。 ダンカンには喘息(ぜんそく)の持病があった為、海辺からも程近く、心地良い海風が通り抜ける松林の中を選んで自宅を建てたといわれます。 設計はW・M・ヴォーリズ。 スパニッシュスタイルのいかにも彼らしい建物で、立地条件を考慮して土台には木材を使用せずコンクリートを打ち(潮風による腐食対策)、通風を良くする為の工夫や生活しやすい各種の配慮もされているそうです。
 
 日米開戦の為、一時期日本を離れた夫妻でしたが昭和23(1948)年には再来日。 ダンカンは静岡特産のお茶の輸出に尽力し、その拡大・発展に大きな役割を果たしましたが、昭和26(1951)年に持病の悪化の為死去。 一方、残されたエミリーはこの地に留まり、私財を投じ恵まれない子供達に数々の救いの手を差し伸べました。 そんな彼女には昭和34(1959)年、長年の功績が認められ静岡市の名誉市民第一号に選ばれるという栄誉が授けられています。 昭和47(1972)年に高齢の為アメリカに帰国したエミリーは、翌年にカリフォルニア州のパロアルト市で永眠(享年86歳)。 慈愛に満ちた生涯を母国で終えました。 夫妻が残したこの場所には、2人が日本に託した想いが、時を経た今なお深く刻み込まれているかのように感じられます。  静岡県静岡市駿河区高松2852  07年02月上旬
 
 ※HOMAMとは夫妻が名付けたこの屋敷の愛称。 ペガサス座の星ホマム(「勇者の幸福な星」の意)から取ったもので、二人は塔屋から見える星空を好んでいたそうです。
 ガレージにはエミリーが愛用していたキャディラックが保管されています。


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