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「エンドレス・ラブ」ジェイドの家②

2020-03-21 03:35:15 | DQXエンドレス・ラブ

『DQXエンドレス・ラブ』①

「きれいだよ」

「さあ、入って」

「デヴィッド、キマってるな」

「お父さんのお古さ」

「デヴィッドが到着だ」

「やあーデヴィッド、よく来たな」

「こんばんは」

「ケダモノに食わされるぞ、かくごしておいたほうがいい」

「なにを言うんだ、味見したまえ」

「おいしそうな匂い」

「おいしそう?おいしそうとは失礼だぞ。きみはお世辞の言いかたも知らんのかー」

「ナイフは左だ」

「フォークが左で、ナイフが右?」

「違うよ 反対だ、ナイフは左に置くんだ」

「デヴィッド、来たの?」

「こんばんは」

「見ちゃダメよ」

「どうしたの」

「見ちゃダメ、見ないで」

「何?」

「いいから」

「ママその服どこで買ったの?」

「見えないよ」

「まだだよ」

「これは!すごいよ。とってもきれいだ」

「素敵でしょ、古着屋さんで見つけたのよ」

「この生地見て」

「ほつれてるよ」

「なに言ってるの、ちょっと触らないで。2000年も前のものよ」

「ボロ着れだよ」

「こらー!」

「デヴィッド、よく来たわねーあなたもとっても素敵だわ」

「ありがとう」

「我が家の特製料理だぞ、どんどん食べてくれ」

「カニだ!おいしそう」

「あたりまえだ。誰か?ワインを」

「案内するわ」

「赤ワインをとって」

「もう1本どうかな」

「そうね、2本で十分よ」

「父さん、フォークは皿のどっち側に置くの?」

「おまえは右利きだろ、じゃー両側に置け」

「愛してるわ」

「ワインはまだか?」

「急ごう」

「さあ、乾杯だ。思いっきり飲んでくれよー」

「父さんに乾杯。ブラボー」

パチパチパチパチ

「素敵だわ」

「あーそうだわ。ちょっと聞いて、ワインで詩を思い出したの。えっと、ワインは…瞳で…」

「そんな書き出しだったか?」

「間違えたわ。ワインは口で味わうもの」

「そして、愛は瞳が語るもの」

「ロマンチックだー」

「老いて死ぬまで、真実と言えるのはそれだけ」

「口にグラスを傾け、あなたを見る」

「愛する、ヒューのことよ」

「アハハ」

「私はため息をつく」

「アツアツなんだから…」

パチパチパチパチ パチパチパチパチ

「ありがと」

ププーププ ププーププ ププーププ

「なに?」

「いったい誰なんだ!」

「スーザンかな?」

「誰?」

「新曲を歌ってくれるんだ。見てくる」

「キース、トイレどこ?」

「騒々しい連中のご到着ね」

「いらっしゃい。さあ、入ってくれ」

「母さん、スーザンを紹介するよ」

「あなたがスーザンね。いらっしゃい。よろしくね」

「こちらこそです」

「今はダメよ」

「いいじゃないか」

「待って」

「イヤだ」

「デヴィッド、手伝ってくれ」

「わかった」

「彼は忙しいの」

「だろうね。父さんの畑に他人を入れるなよ」

「デヴィッドは他人じゃないわ。家族の一員よ」

「ほお。お楽しみが終わったら、父さんの楽器を頼む」

「意地悪なんだから」

「本気で言ったの?」

「何が?」

「僕が家族の一員だってこと」

「イヤだった?」

「うれしいよ」

「でも大変よ。うちの家族は特別なの、相手にはうるさい。行きましょう」

スーザン、君の番だ。歌ってくれよ。

静かにしてくれ。スーザンが歌うよー

 

愛する人は

この世に あなた一人だけ

それが私の真実

初めての恋

そばにいる あなたのすべてが

私の生きる喜び

恋する気持ちを

あなたに捧げたい

大切な一人の人に

あなたの瞳は

やさしく私を 包んでくれる

何があっても あなたは

私の永遠の愛

二人の鼓動が

一つに とけ合う時

私たちは 生まれかわる

そして永遠に

あなたを胸に 抱き続けてたい

素敵な魅力に ひたりながら

あなたに夢中に なりすぎても

それが私の 生きがいなの

あなた自身が

私だけの 広大な宇宙だから

その中で見つけてたの

永遠の愛を

 

小説すばる4月号『じゅんくどう書店へようこそ』<料理はどこが面白いんだろう?>

次回

『エンドレス・ラブ』暖炉③

 


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