写真家の植本一子さんの本にハマりにハマって、今は「フェルメール」を読んでいます。
ふつうの画集とは違って、写真家の視点で取られたフェルメールの絵と、ヨーロッパやアメリカを旅しながら、絵だけでなく、その街の雰囲気や美術館の様子、その街その街での人の感じや風景、食べた物など、日記のように書かれていて、自分も旅しているかのように引き込まれます。
フェルメールの絵は、生まれのオランダばかりでなく、パリ、ロンドン、ドイツ、オーストリア、ニューヨーク、ワシントンなどいろいろな場所の美術館が所蔵しているらしく、美術館も国によって解放的であったり、先生が子どもを連れて見にくるような街の日常の一部であったり、王室を開放するときだけ入れる格式高い場所であったり、個人のお宅が美術館になったものであったり、いろいろな場所に飾られているそうです。
そう思うと、「フェルメール展」が日本にやってきて、一度に見られる、というのはなんて贅沢なことなんだろう!と思います。
この本の素敵なところは、正面から撮った写真だけでなく、壁の色とのコントラストが見られるようになっていたり、描かれている人物の肌の柔らかさや血色、真珠のネックレスに映る光、あちこちに感じられる光の粒や、カーペットの質感、模様、シャンデリアの絵の具の膨らみなどが感じられるような写真と、まっすぐな感性で絵から伝わってくるものが書かれていて、文を読みながら写真をめくって、じっくり見て、また読んで写真を見て、自分では気づけないところも気づけて、楽しくなってしまいます。
また、どんな人がどんなふうに絵を見ているのか撮られていたり、その美術館ごとの部屋の広さから、光の入り方、壁の色、床の質感も文に書かれていて、自分もその中にいるような、そこで空気を吸いながら見ているような不思議な気持ちになります(入り過ぎて、夢に出てきた)。
こんなに何度も見返した本って初めてかも!
ずっと何年も前にフェルメール展を国立新美術館(たぶん)で見たけど、有名な1点、2点しか覚えていなくて、ちゃんと見たのか?と自分にツッコミたいけど、また見てみたいな〜と調べたら、今度日本に来るのは、まだまだ先みたい!そして最近まで、大阪に来てたみたい。悲しや〜〜
今回は図書館で借りたものです。
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