京極夏彦氏のディビュー作「姑獲鳥の夏」が、映画化されたというので、見ようか見るまいか・・・と悩んだ末に、昨日、やっと見てきた。
なぜ、悩んだか・・・、それは、キャラクターのイメージが、若干原作を読んでいる私のイメージと違うキャスティングのようで、どうなんだろうか?と思ったものだから。
でも、映画自体は、ほぼ忠実に原作を再現されていて、かなり前に原作を読んでいた私でも、内容が思い出され、京極ワールドへ引き込まれた初期の頃のことが思い起こされた。
ストーリーは、こちらからどうぞ、
「姑獲鳥の夏」公式HP(ここで、かなり詳しく紹介されてま~す。

)
そして、驚愕の結末は・・・(ネタバレあり)
久遠寺涼子は、雇われ医師により性的虐待を受けていたことで人格障害を生じ、「京子」というもう一つの人格を持っていた。そんな時、双子の妹「梗子」と間違え、恋文を涼子に渡してくれと関口に頼む牧夫。その後、「京子」と逢瀬を重ねることになる若き日の牧夫(後に梗子の夫となり失踪してしまう)。そんな中、涼子は、牧夫の子を妊娠していることに気付く、しかし、出産を両親にはばまれ、挙句、生まれたその子を実の母に殺されるという衝撃の状況に精神的錯乱を引き起こした涼子は、自分の中に「久遠寺の母」という人格を持つことに・・・。そして、牧夫はドイツへ留学し・・・。
それから、10年の月日が流れ、牧夫が再び涼子の前に現れ、晴れて妹「梗子」と結婚したたことで、それまで潜んでいた「京子」・「久遠寺の母」が再び姿を現し、あらたなる事件が・・・。
そう、久遠寺医院で生まれた子供は、皆死産だとされ、子供の遺体すら戻らぬまま、消えてしまうという事件。
そんな中で、元・久遠寺医院の看護婦が新種の薬物依存症で亡くなる。
この事件を追って、刑事木場修太郎の調査が進む。成り行き上、調査に無理やり引き込まれる榎木津探偵。なぜかしら、涼子に惹かれ、力になりたい関口。
そんな関口の頼みを飲んで、「拝み屋」京極堂が、動き出す。
「この家の姑獲鳥を退治にまいりまいした。」
と静かに、だが、凄みのある声で語る京極堂。
そして、「つき物落とし」の儀式が始まった時、涼子の母・菊乃が狂乱し、涼子もまた人格を変える・・・。
その後、京極堂の呪文により20ヶ月身ごもった梗子の腹が割け、失踪していたはずの牧夫の死体が・・・。
この事件、人間の主観が引き起こす、「思い出したくないことを記憶から消す。」、「見たくないものは、見えない。」という状況が生んだ悲しき事件。
ラストシーン、涼子が、「京子」となって、院内に居た赤子をさらい、屋上へと連れ去っていく。そこへ現れる関口・京極堂・木場。
「君にしか出来ない。」といわれ、関口は、「京子」と向き合う。
そして、赤ちゃんを渡すよう説得する。
関口と直面した時、涼子は、「京子」から自分自身を取り戻し、赤ちゃんを手渡し、関口に「ありがとう」とささやいて、屋上から身を翻し、自らの命を絶つ。
彼女が、真に愛した相手は、もしかしたら関口巽だったのかもしれない・・・。
愛する人に、子を託し、安堵した涼子は、「姑獲鳥(子を奪う妖怪)」から「産女(子を預ける妖怪)」へと変わったのである。
この映画、正直なところ、京極ワールドがこじんまり纏まっちゃったようで、個人的には、どう~かなぁ・・・って思ってしまいました。
「犬神家の一族」なんかのように、派手な場面がないし、ちょっと映像にするには難しかったのかと・・・。独特の京極ワールドは、本で、想像を膨らます方がよかったかなぁ・・・。
でも、「絡新婦の理」なんかは、映画化されたら面白いかなぁ~と思うんですが。
ただ、かなり長編なんで、どうまとめるか・・・、それが問題だ。
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小説&映画それぞれ独立したものと捉えるなら面白さ発見の意味で映画を考えさせらた見本の様でした。・・・・・不思議な体験と言いたかったのです。
そうか、そういうことね。
堤さんにボーっとなって、ストーリーのからくりを理解できないなんて・・・情けないわ~
私も、ずっと気になっていて、観たいと思っています。
トラック・バックさせて頂きました。
確かに、京極ワールド自体が、不思議な世界を持っていますから、他にはない体験が出来たかも。
映画では、京極堂の薀蓄が、あまり聞けなかったのが、私としては、残念でした。(映画では、本の中のあの薀蓄を語らせるのは、難しいですからね。)
>basiaさんへ
この映画、結構、さっさ~っと流れちゃう感じだったんで、原作読んでないと、「ん?」ってとこ多かったと思いますよ。
でも、堤さんは、カッコいいですね。
私の持ってた京極堂のイメージは、竹中直人さんを細くして神経質にした感じだったんで・・・。(笑)
>SAYURIさんへ
もし、見るんなら原作読んでからの方が、分かりやすいかも。
原作でキャラクターに馴染でおくと、なんとなく、すんなり京極ワールドに入り込めると思いますよ。
原作と映画はベツモノだとわかっていても
なかなか切り離して考えられず…
どうやらシリーズ化されるみたいですね。
次はどうなることやら(笑)
次回作、原作の流れからいくと、「魍魎の匣」ですが(これも映像にすると、こじんまりしそうな・・・。)、個人的には、「絡新婦の理」の映像化を望むんですが・・・、これは、ドラマにする方がいいかも。
ぁ、原作ファンでなくても、厳しいか、、、
わたしは、それほどのファンではないから、ダメージも少なかったけれど、カオリン様は、京極夏彦のファンのようですから、さぞかしがっかりだったでしょうね。
そうそう、原作好きとしては、ちょっといただけません・・・ってとこがありましたね。
やっぱり京極作品を映画にするのはなかなか難しい・・・か。
>minaさんへ
どうも、自分の中で京極ワールド創っちゃってますからね、ファンは。
だから、どうしても期待はずれ・・・って感じがしちゃうんでしょうね。