横綱部屋

よこづなへや

ときわ台~代官山~南青山~品川~そして羽田から愛媛

2010-04-23 17:27:20 | Weblog
おはよう~・・


津菜が目覚めると笑子は既に出勤する準備を整えているところだった。
今日はどうやら1日雨になるらしい。
傘持っていっていいからね!これ防水スプレーだから!冷蔵庫のタルト食べていきなよ!
てきぱきと支度しながらもあれこれと世話をやいてくれる笑子。
新宿の母ならぬ板橋区の母、笑子。いつまでたっても頭が上がらない津菜であった。

笑子が仕事に出かけたあと、津菜も尻に火がついたように準備を始める。
今日は代官山でエステサロンを経営している友人、寧さんの
ボディマッサージを受ける予定だ。
前回はフェイシャルのみだったが、今回は上から下まで表も裏もがっつりコース。楽しみだ。

笑子の部屋に一礼して出発。うむ、なかなかの雨だ。そして肌寒い。
代官山駅を降りて寧さんの住むマンションへ。


久しぶり~!!     だっけ??


さっそく前回同様イオンバスに浸かり、マッサージを開始してもらう。
「痛いからね♪」
にっこりと微笑む彼女のそれは天使の癒しか子悪魔の企みか。
いざ!


そうですな、今年の漢字風に表すとすると



ですな。いやー痛かった。
しかし彼女曰くは「もうそれ以上は無理!!って暴れられる寸前で止めてるから」。
確かに「ターイム!!」と起き上がりたくなる寸前で抜く絶妙な力加減。成程プロである。
そして物事には原因があるように、痛みにも元がある。痛いということはそれだけ
リンパが滞っているということであり、セルライト(ああ何と恐ろしい、一種の殺傷力さえ
覚える言葉であることか)が存在しているということである。
それが流されてゆく、ほぐされて撃退されてゆくというプロセスを感じるとこれがくせになる。
「いっ  たぃ・・・  ・・けど嬉しい・・・」
ドMで結構。

4時間を越えるフルマッサージを受けると、エステティシャンはもちろん
受けた当人もものすごい全身運動をしたあとのような疲労感がどっと押し寄せるが、
しかしそれがまた心地よい。千鳥足でシャワールームへ。

うお!!?

痩せている。
いや、おそらく体重は変わっていないのだろうが(おお口惜しや)線が違う。厚さが違う。
このサロンに通っている人の気持ちが分かる。
アルプスの少女ハイジのエンディング曲のラストで
ハイジとペーターが両手をつないでくるくる回っているがあんな感じで分かりあえる。

シャワーを浴びて身支度を整えたころには既に夕刻が近づいていた。
一旦品川のホテルへチェックインしてから再び寧さんと合流、今日の腹ごしらえ処は
恵比寿横丁だ。
小奇麗なおフレンチ店とは対極にあるような店が並ぶ。いやはや実に楽しい。そして美味い。
そこで仕事帰りの友人、最近彼氏ができて幸せオーラむんむんの真紀も合流して
ひとしきり近況報告をすませてからBLUE NOTE TOKYOへと向かう。
待ってました!ロバート・クレイ!!
ステージに現れた姿を目にしただけで半泣きの津菜。演奏が始まるや鳥肌がばんばん立つ。
うーん、やばい。かっこいい。
何度もつぶやく「funky」のひとことがまたセクシー。
東京最終日の夜を満喫する津菜であった。

また来年来るからねと寧さんと真紀と別れ、ホテルへ戻ったが興奮さめやらぬといった感じで
なかなか寝付けない。
本を読んでいたら結局また3時頃を過ぎ、瞬きをしたくらいの感覚で朝だった。
昨日とは打ってかわって、早朝から青空が立ち並ぶビルの間に広がっている。
駅までの下り坂をてくてくと歩きながら、次の江戸ぶらり旅はどこに行こうかと
思いをめぐらせる。
でもきっとまたどこに行っても楽しい。そう確信しながら。




あ おみやげはそこおいといてね。いまいそがしいから。

あーい
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6 コメント

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初体験 (寧(あね))
2010-04-23 19:33:42
やっぱり雨なのね。。。
あたくしが楽しみにしている日はいつもそう。。
4月とは思えない冷たい雨の中
待ちわびたあの方が今日は来る。
寧はベランダから外を眺めて心弾ませていた。

さて、と気持ちを仕事モードに切り替え
寧は全身を黒のそれに身を包む。
気が引き締まるような、落ち着くような
この格好もすっかり板についてきた。

あの方がいらっしゃる前に少し熱いくらいの
お湯をバスタブに張って、ほんの少し
アロマという媚薬も垂らしてみる。

今日来るあの方と出会ったのはもう
何年も前で、寧がこの仕事に就く前だった。
プロとしてこの仕事についてから
今まで数え切れないほどのお客様のお相手を
させていただいたのに、
あの方に寧のテクニックの一部しか見ていただいてない。そう、今日は寧の培ってきたテクニックの
すべてを見て、感じていただくのだ。

~ここで先に断っておこう。
ここまでの時点では寧はとても謙る様な
柔らかく穏やかな物腰である。
しかしこの後、突然寧にスイッチが入る。
別人のように豹変する様を
皆様には楽しんでいただきたい~

ピンポーン♪
「いらっしゃい、寒い中ようこそ」
寧が津菜さまを出迎える。
「熱いお風呂をご用意しておきました」
着いて早々だが津菜さまをお風呂へと
ご案内する。この後起こることを
津菜さまはまだよく分かっていないようで、
きっと今頃鼻歌まじりにリラックスしているだろう。
数分後、津菜さまはバスタオルに身を包み
ベッドへやってきた。
「はじめに申し上げます。
初めての方には痛いと思うことが多々あるかと
思いますが、その時は遠慮なく言って頂いて
結構です。痛いには理由もございますが、
すべてが終わった後、心地よい疲労感と
生まれ変わったような爽快感を感じていただけるよう、
全力を尽くさせていただきますので
よろしくお願い申し上げます。」
笑顔のまま語る寧の説明に
津菜さまは余裕の様子で
「やってちょうだい!」と答えた。

キラリ☆寧の目の奥が一瞬光ったようだ。

寧「どう?ここ痛いでしょ?」
津「い・・痛いです」
寧「オホホ!!そうよね。でもそれって  
  誰が悪いのかしら?」
津「わ、わたしです。。。。」
寧「そうでしょう?いけない子ね!!」
津「い!!」
寧「なぁに?痛いの?やめるの?」
津「いや、痛いけどやめないで!!」
寧「あらあら困った人ね。。オホホ」

寧は知っているのだ。
目の前の身体のどこがどのくらい痛くて、
どうされたいのかを。
頭ではなく指と感覚で
すでに津菜本人よりも深く理解しはじめていた。

どのくらい時間が経ったのだろう。
寧は夢中で津菜さまの身体と対話していた。
いつもよりかなり長い時間をかけてしまったようだ。
「お疲れ様でした。シャワーをどうぞ」
先ほどまでの寧とは別人のような
穏やかな声で津菜は起こされた。
津菜は最後は気を失っていた。。

「すっきり~♪」
津菜さまは満面の笑みでシャワーから出ていらした。その言葉と笑顔だけで寧の数時間の労は吹き飛ぶ。
続けて津菜さまは言った。
「痛かったけど、また受けたい!ヤミツキ!」

「ふふ。ありがとう。いつでもお待ちしておりますわ♪」
またひとり、あたくしの世界に
ハマる女性をつくってしまったわ。。。

そんな時の寧は穏やかな女性でもなく、
Sっぷりの激しい女王様でもなく、
「男前」という言葉が一番似合うだろう。

*お知らせ*
第二部は寧が「男前」から「おっさん」と
化して、屋台で蛤を炙りつつ飲むの巻ですが、
作者都合により発表は未定となります。笑





なっが~(*_*;)
疲れた。。マッサージしてるほうが楽だわ、こりゃ!!文才ないし・・・
エステ中の描写をリアルにすると
SMエロ小説になるんで(爆)
できるだけさらっと(?)に
してみました。。
いかがでしたでしょうか?
返信する
Unknown (笑子)
2010-04-23 22:06:27
寧さま~!!

いつか是非私も体験してみたいDEATH!!

マジDEATH!!
返信する
ラスト☆バカンス (しょこたん)
2010-04-24 01:09:10
ただいまっと・・・!

重い玄関の扉を開け、重い荷物を玄関先に置き、暗闇に話しかける習慣。
自分でこれって癖になってるなーと感じながらも、聞き慣れなくも感じた。
そうだ。
津菜が泊まっていたから、独り言の「ただいま」がここ2日ほどは和音のように重なっていたのだ。
その和音が今日からまた単調で低いつぶやきに変わった。
寂しく感じながらも、愛しく感じるのはきっと、笑子はそろそろこの部屋を後にする覚悟ができているからだ。

しかしながら、人気のない部屋は冷たく、静かすぎて一気に笑子は寂しさをその瞳に取り戻した。
しばらくは疲れた体を椅子に預け、パソコンの電源を入れ、憎らしいほどに遅いインターネットへの接続を、今日こそは余裕を持って待とう、そうしよう、とテーブルへ向かう。
そのテーブルの上には軽快な字が踊るノートの切れ端が、笑子の瞳に写るのを今か今かと待ちわびていた。
楽しげな文字を瞳で追っていると、まるまるとした2匹の動物、笑子はこの2匹をよく知っている。その2匹が最終的に笑子の口角を上げ、寂しさを吹き飛ばした。

津菜のいつもの手紙。
たわいもない文章で短くつづられているが、その手紙は笑子にとって特に感慨深いものになった。
「また来年きます」
そう書かれてあるが、もしかしたら来ないかもしれない、とも感じた。津菜は「来る」と言ったら「来る」女であることは百も承知している。しかし今回は、いやこれからは事情がちと違う。
ラスト☆バカンスだったのだ。

ラストという言葉って、寂しさと一緒に、希望も感じることができんだね・・・津菜・・・。

そうつぶやいて、ノートの切れ端に眼をやると、津菜の大荷物を持った後ろ姿が津菜の分身のような文字と絵に重なった。

赤いトランク。
小走りの津菜。
微笑んでいる津菜。
たくさん、おいしそうになんでも食べる津菜。
よく眠る津菜。

もし彼女がまた赤いトランクと共に、東京を訪れた時。
その時の津菜は、昨日までの津菜とは明らかに変わって来る。笑子の知らない顔を覗かせることになるかもしれない。

その時の彼女に会えるのを楽しみに、笑子は今日もノートの切れ端を箱にしまった。

返信する
寧さん (づな)
2010-04-25 22:55:12
駅を出たところで、目の前にそびえ立つ高層マンションを思わず見上げてしまう。
おのぼりさんと嘲られようと田舎者と蔑まれようと、実際そうだからと言って何を恥じる事があるものか。
津菜は2か月ぶりに立つ代官山の空気を吸い込み、トランクのカート音を閑静な街並みに響かせながら寧さんのサロンへ向かう。
駅から徒歩2分のこじゃれたマンションは迷う間もなく視界に飛び込んでくる。しかし入り口がどこだったかを忘れ若干戸惑う。
それにしても今朝の東京は寒い。昨日までの晴天とは打ってかわってしとしとと優しい雨が降っている。
雨も好きだ。
子供の頃、天気予報を見たときに太陽のマークよりも傘のマークが表示された方が嬉しい時期があった。根暗だからだろうか。
そして雪だるまマークがチラとでも見えようものなら期待は倍増、朝起きて窓の外を見るのがもう楽しみでたまらなかった。
わざと目を細めて、視界がぼんやりと全体的に白ければしめたもの。そこには銀世界が広がっているという大興奮の波が訪れる。
しかし期待とは裏腹に

閑話休題。
寧さんの部屋に足を踏み入れると、ほどなく冷えた体が温まってゆく。
温度と湿度がベストの状態で保たれており、照明の灯りもしっとりと優しく部屋を包んでいる。
そこに黒の衣服に身を包み、凛として立つ寧の姿は気迫と気品を併せ持った人形の様だ。
逆らえない。
津菜は動物的本能で瞬時に判断する。
この部屋は彼女のテリトリーだ。ナワバリーだ。
奥に設置されたベッドはまな板である。津菜はこれから、その上で鯉となるのだ。

ゆったりとしたバスタイムから一転、寧の腕にかかった津菜の姿、のたうちまわるセイウチ(メス)の如し。
「・・・! ・・・・・!!」
声にならない声が鼻息とともに吐き出される。
「痛い?痛いでしょう?ウフフ」
妖艶な笑みを浮かべた寧のゴッドハンドは次々と津菜の体内の奥深くに留まる老廃物をよどみなく押し流してゆく。

いつの間にか眠っていたようだ。

ボディマッサージの後には、至福のフェイシャルマッサージが待っていた。
開始されるや、間もなく深い眠りの底に沈んだ津菜。
さっきまでとは別人のような寧の優しい声でゆっくりと目覚めると、促されるままに再びバスルームへ向かう。
脱皮するとこんな気分になるのだろうか。
普段は苦手な爬虫類達に思いをはせながら、だがしかしすぐにこれから後の楽しい時間へと思いはめぐる。

おつかれさまでした~~☆☆

シャワーを終えた津菜を満面の笑みで寧が迎える。

さあ、これからどうしようか。

なんだか懐かしい。
あの女子寮で、私達こうやっていつも相談していたね。
さあ、今日の夜はどこ行こう。

10数年前、同じデスクで肩を並べて仕事していた二人。今では環境も立場も違う二人。
だけど私達はいつだってあの頃に戻れるね。
一旦ホテルにチェックインする為に寧の部屋を後にして、外廊下を曲がるときに振り返った津菜は見た。
あの頃と同じ笑顔で、後でね♪と手を振る寧の姿を。




いやー、臨場感あふれる見事なSM小説を読ませていただきました(笑)
あ、あたし最後にちょっと軽い嘘書いたね。
「デスク」じゃなくて「機械」やね(笑)
蛤を炙りつつ熱燗をひょいひょいあけていく寧さんの姿、あたしも書きたかったんですがこれはまた次回か?あの屋台また行こうね~♪
おっさん上等!いい女って「男前」はもちろん「おっさん」をも兼ね備えてると思うんですけどどうでしょう。
返信する
笑子 (津菜)
2010-04-25 23:32:42
笑子にも是非体験してほしいDEATH!!
マジDEATH!!
いつか・・いつか一緒に行きまSHOW!!
楽しみDEATH!!
返信する
しょこたん (づな)
2010-04-26 17:49:18
-エピローグ-
~ラスト☆バカンスから新たな旅立ちへ~


「勤続11年おつかれまでした!
 しばらくはロングバケーションを楽しんで☆」

昨年会社を退職した際に笑子がくれたメールを読み返して、あれからもう4か月近くの時が経つことに津菜は軽く驚いた。
そうよ、ロンバケよ!と思うがままに過ごした日々。
日がな1日おこたに入り、本を読み、おやつを食べ、昼寝をし、ごはんを食べ、転寝をし・・
そんな毎日も冬の寒さと共に過ぎゆき、やがて終わりを迎えようとしていた。
そして気がつけば体重は過去最高記録を叩き出そうとしている。えらいことだ。

東京にいる間笑子に貸してもらっていたPASMO、明日こそは送り返さなくちゃ・・
津菜の顔は曇りがちになる。
これを返したらもう遊びに行けないってわけでもないじゃない。
これを持ってたら飛行機代がタダになるわけでもないじゃない。
ましてここ愛媛でこれを持っていたところで使えるはずもないじゃない。
なのになかなかふんぎりがつかないのは、まだ未練があるからなのだろうか。
何に?
自問自答してみるが、答えは明確に戸籍にさえ現れているのだ。
いつまでも気ままな娘さんの気分ではいられないのだ。そしてそれは、ときわ台から引越しを終えた笑子も同じ。
でもね。
いつだって娘さんの気分にも、妻の気持ちにもなれる。女は柔らかい生き物だから。
だから私はきっとまたぶらり旅に出るし、
ショットバーEで笑子とうひゃうひゃ大笑いするし、
その間の旦那さんのおかずくらいはチンしたら食べられるように準備していく。
楽しみだな、そのときの自分が。

笑子、2人の新居はどうですか?
北東の空を見上げて、津菜はつぶやく。
そうだ、パスモを送るときに手紙を書こう。
手紙にはあの2匹のイラストをつけよう。
思い立つとじっとしていられなくなり、津菜はどこかにしまった便箋を探しはじめる。

ラスト☆バカンスは終わったけど、旅はまだまだ続いてゆく。
これからの新しい毎日を、わたしなりに楽しんで歩いてゆく。
新しい便箋はこれからの人生だ。何だって描けるのだ。

津菜はペンをとり、ボールペン字練習帳2冊目に入っても一向に上達しない文字と描き慣れた絵をその白い世界に躍らせはじめた。
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