【映画がはねたら、都バスに乗って】

映画が終わったら都バスにゆられ、2人で交わすたわいのないお喋り。それがささやかな贅沢ってもんです。(文責:ジョー)

業10系統と38本の映画たち

2010-07-14 | ■通ったバス停、観た映画(一覧)

今年上半期を代表する日本映画ってなに?
そりゃ、「告白」につきるだろう。
じゃあ、外国映画は?
息もできない」につきるだろう。
うーん、どっちも明るい映画とはいえないなあ。
ちかごろ明るい話題?そりゃ、スカイツリーにつきるだろう。
映画じゃないんだ・・・。
50年後は映画になっているかもしれないぜ。「新・ALWAYS 築地三丁目・月島三丁目・木場三丁目・緑三丁目・石原三丁目・東駒形三丁目の夕日」なんちゃって。
たしかに三丁目の多い路線ではあったわね。



ふたりが乗ったのは、業10系統
●新橋:「パレード
⇒銀座西六丁目:「スイートリトルライズ
⇒銀座四丁目:「人間失格
⇒築地:「海の沈黙
⇒築地三丁目:「ハート・ロッカー
⇒築地六丁目:「ある日どこかで
⇒勝どき橋南詰:「花のあと
⇒勝どき駅前:「時をかける少女
⇒月島三丁目:「マイレージ、マイライフ
⇒月島四丁目:「NINE
⇒晴海一丁目:「ウディ・アレンの夢と犯罪
⇒日本ユニシス前:「第9地区
⇒IHI前:「息もできない
⇒豊洲二丁目:「アリス・イン・ワンダーランド
⇒豊洲駅前:「ノン、あるいは支配の空しい栄光
⇒豊洲四丁目:「ゼブラーマン ゼブラシティの逆襲
⇒枝川:「シャッター アイランド
⇒枝川一丁目:「アイガー北壁
⇒枝川二丁目:「川の底からこんにちは
⇒塩浜二丁目:「9<ナイン>~9番目の奇妙な人形~
⇒塩浜橋:「武士道シックスティーン
⇒木場六丁目ギャザリア前:「グリーン・ゾーン
⇒木場駅前:「冷たい雨に撃て、約束の銃弾を
⇒木場三丁目:「パーマネント野ばら
⇒木場四丁目:「月に囚われた男
⇒木場公園:「トロッコ
⇒東京都現代美術館前:「座頭市 THE LAST
⇒白河:「告白
⇒森下五丁目:「孤高のメス
⇒菊川駅前:「アウトレイジ
⇒立川:「ケンタとジュンとカヨちゃんの国
⇒緑三丁目:「闇の列車、光の旅
⇒亀沢四丁目:「春との旅
⇒石原三丁目:「クレイジー・ハート
⇒本所四丁目:「マイ・ブラザー
⇒東駒形三丁目:「踊る大捜査線 THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!」
⇒本所吾妻橋:「あの夏の子供たち
⇒業平橋駅前:「バード★シット





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「バード★シット」:業平橋駅前バス停付近の会話

2010-07-10 | ★業10系統(新橋~業平橋)

おお、これが噂のスカイツリーか。
鳥のフンの処理とか大変でしょうね。
なんだよ、いきなり夢のない話だな。鳥のフン、すなわちバード・シットか。
そう、ロバート・アルトマン監督の「バード★シット」もなんだか夢のない話だった。
鳥の翼をつくって空を飛ぼうとする若者の話だっていうから、もう少し夢というか、ロマンのある映画かと思ったら、さすがアルトマン、皮肉たっぷりの映画に仕上がっていた。
そもそも、空を飛ぼうとするという想像が間違いだもんね。彼が飛ぼうとしたのは屋根付スタジアムの中。はなっから空なんか見えない。人間が飛ぶなんてこんなもんに過ぎないんだよ、って言ってるみたいにね。
その彼の前に個性豊かな女性たちが入れ替わり立ち替わり登場するんだけど、彼の飛行計画に係わっているのか、いないのか、観客は想像の翼を広げるしかない。
そう、そう。この映画は作り手も受け手も思いっきり想像の翼を広げる映画なのよ。
妙な形で発情する女とか、背中に翼の跡がある女とか、つけまつげのお化けみたいな女とか。
あら、あのつけまつげの女は久しぶりのシェリー・デュヴァルよ。あいかわらずチャーミングだったじゃない。
久しぶり、ってお前、この映画がつくられたのは40年も前だぜ。“久しぶり”じゃなくて、“懐かしい”って言ってくれよ。
あら、40年ぶりの再公開なんだから“久しぶり”でいいじゃない。
いまはなきロバート・アルトマン、若気の至りの一作だったな。
それって誉めてるの、けなしてるの?
両方。
なんだか煮え切らないわね。
空を飛ぼうとする男の話に、鳥類学者の講義とか、鳥のフンによる殺人事件とかからんでくるんだけど、これが大団円に向って収束していくわけじゃなくて、脱線しっぱなし。ひとことでいうとやりたい放題。円熟した監督では、こうはいかない。
たしかに遺作になった「今宵、フィッツジェラルド劇場で」なんて、脱線ばかりしているように見えて、実はまとまりがよかったもんね。
「バード★シット」は飛び立つシーンも実にあっけなく終わる。
やっぱり、鳥の翼じゃなくて、想像の翼を広げる映画なのよ、この映画は。
俺たちも、想像の翼を広げて考えてみようか。
何を?
スカイツリーについた鳥のフンの処理方法。
完成前にね。




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「あの夏の子供たち」:本所吾妻橋バス停付近の会話

2010-07-07 | ★業10系統(新橋~業平橋)

床屋の店先でクルクル回るやつ、あれ、なんで赤、青、白なんだか知ってるか。
フランス国旗をまねたんじゃない?
残念でした。もともとイギリスが発祥で、昔、床屋は外科医も兼ねていて血液と包帯の色から赤と白になったんだけど、その後、床屋と外科医が分裂したので、区別のために青を加えたらしいぜ。
へえ。妙なこと、知ってるのね。
「あの夏の子供たち」の父親も、近くに外科医を兼ねた床屋があったら助かったかもしれないな。
独立系映画のプロデューサーである父親が仕事上の行き詰まりから拳銃自殺して、妻と子供たちが残されるという、ミア・ハンセン・ラブ監督のフランス映画ね。
資金繰りやら、スタッフとの調整やら、映画をつくるって、洋の東西を問わず大変なんだなって、身につまされる映画だった。
身につまされるって、あなたはただの観客で、映画なんてつくってないじゃない。
ただの観客だって、こういう映画を観れば、映画を一本完成させるっていうのは命がけなんだなあ、どんな映画であれ、これからは襟を正して観なくちゃいけないなあ、って初心に戻ると思うぜ。
“最低映画鑑賞会”の推薦映画でも?
お、久しぶりに聞くね、その会の名前。
なに、言ってるの。あなたは、最低の出来の映画を選定する最低映画鑑賞会の会長でしょ。
会員は俺一人しかいないけどな。それに、最近は最低映画観賞会が胸を張って推薦できるような趣味の悪い映画も少なくて開店休業状態だ。
たしかジャン=クロード・ブリソー監督の映画「はじらい」以来、推薦作は出てないんじゃない?
ああ、あれも映画人が主役のフランス映画だった。でも、ああいう箸にも棒にもかからない映画と比べちゃあ、「あの夏の子供たち」に失礼ってもんだ。
同じフランス映画でも、「あの夏の子供たち」は子供たちの自然な演技も目を見張るほどみずみずしく、柔らかな光に満ちた明るい映画だったもんね。
父親の死があっても、観終わってみれば、記憶に残るのは生き生きとした子供たちの姿ばかりで、映画全体は沈み込まず、かといって肩肘も張らずに、なかなかチャーミングな映画だった。
人生を謳歌するのが得意なフランスらしい映画よね。
どんな悲しいできごとがあっても、人生はクルクル回っていく・・・って、なんだかあの床屋のサインみたいだな。
あれはやっぱりフランスの色なんじゃない?





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「踊る大捜査線 THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!」:東駒形三丁目バス停付近の会話

2010-07-03 | ★業10系統(新橋~業平橋)

消防団員といえば、青島クンを思い出すな。
どうして?
「踊る大消火栓」。
あのねえ、青島クンは警察官であって、火消しじゃないのよ。
でも、そろそろ「踊る大捜査線」もマンネリになってきたことだし、青島クンが消防署に転職したっていう設定でドラマ化したらどうかな。タイトルはもちろん、「踊る大消火栓」。
マンネリってあなた、今度の映画は七年ぶりの新作よ。
その割に、かつて観た映画をそのまま、またつくり直しているような感覚を覚えて、懐かしさよりマンネリ感を感じてしまったのは俺だけ?
まあねえ、犯人が軽薄な若者たちだっていうのがまたかよっていう感じだし、その裏にいるのがあの人物だっていうのも、もはや新鮮味がないしねえ。
出てくる面々の人間関係というか関係性っていうのも、まったく変わり映えしないで、そよとも変化を起こさない。
偉大なるマンネリって言われた「男はつらいよ」だって、毎回マドンナが違って、手を変え、品を変えしてたもんね。
同窓会みたいなメンバーばかりじゃなく、もっと新しい血を入れてもよかったんじゃないかなあ。
それが小栗旬なんじゃない?
でも、「調整役だ」ってセリフにあるとおり、あっちにもつかず、こっちにもつかずの中途半端な存在になってしまった。
前回の真矢みきの存在のように、ちゃんとした対立構造になっていないから、青島クンの「俺には部下はいない。いるのは仲間だけだ」っていう決めゼリフも、「事件は現場で起きているんだ」っていうセリフほど、心に響かないのね。
なんか、締まるところが締まっていないというか、全体的に構成がルーズな気がするなあ。
「踊る大捜査線」のディープなファンにはわかるような小細工はあちこちに仕掛けているのにね。
いかりや長介のような重しがなくなったのも、締まりがなくなった一因かもしれないな。
彼の抜けた穴を「交渉人・真下正義」でひとまわり大きくなったユースケ・サンタマリアが埋めるかと思ったら、また軽くなっちゃった。
やっぱり、「踊る大消火栓」に衣替えするしかないかな。
でも、そのときの主役は“青島クン”じゃなくて、“石原クン”よね。





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