【映画がはねたら、都バスに乗って】

映画が終わったら都バスにゆられ、2人で交わすたわいのないお喋り。それがささやかな贅沢ってもんです。(文責:ジョー)

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「プール」:豊島区役所前バス停付近の会話

2009-09-16 | ★草63系統(池袋駅~浅草雷門)

「音楽はいいぞ」なんていいキャッチフレーズだねえ。ここの楽器屋でギターでも買うか。
なんでまた急にギターなんか欲しくなったの?
決まってるじゃないか、大森美香監督の「プール」を観たからだ。
ああ、あの映画の中で小林聡美がプールの脇に座り、ゆっくり弾いてたギター。思いっきり心が癒されたわ。
そして、全身から力が抜けていくような彼女の歌。まさか、あの小林聡美の歌に癒されるとは思わなかった。
「プール」っていう映画自体、あの歌のプロモーション・ビデオみたいなもんよね。
タイのゲストハウスを舞台に、小さなプールを囲んで6日間の時を共に過ごす5人の姿を描いた映画なんだけど、物語らしい物語は何もなく、ただただ、やさしい時間が流れていくだけ。
娘を日本に残したままタイに渡った小林聡美のところへ卒業旅行で娘が訪ねてくるっていう筋があることはあるんだけど、それで話が進んでいくっていうこともない。
自分勝手な母親と取り残された娘の確執っていうとドラマチックな展開を期待させるんだけど、タイの穏やかな風景の中で、そんな緊張感も雲散霧消していく。
ゲストハウスと言いながら、ゲストも全然いなくて、南の国なのに驚くほどの清潔感。
自然を装ってはいるけど、じつは不自然。都合の悪い部分にはふたをしたような映画で、ずるいといえば、ずるい。
異国のリゾートが舞台なら何でも許されるのか、と言う気にもなるんだけど、画面の中を吹き抜けるゆったりした風を感じちゃうと、そんな目くじら立てるのも野暮だなあと思ってしまう自分がいる。
明らかに「かもめ食堂」「めがね」の路線を踏襲した映画なんだけど、ここまであっけらかんと内容がないと、もう時間の移り変わりに身をまかせるしかなくなってしまう。
思い返してみると、「めがね」なんて、自然のままに身を任せる素振りを見せながら、その実、「たそがれてみませんか」なんていう説教くさいところがあって、ちょっと鼻についたりもするけど、そういう部分がないだけ、この映画のほうがましね。
実はこの映画にも、ことばにこそ出さないものの、「どう、このスローライフ、いいでしょ」っていう押しつけがましいところがあることはあるんだけどね。
かもめ食堂」「めがね」の荻上直子監督からバトンを受けて、今回は、恋愛の駆け引きを描いて絶好調の「ブザー・ビート」の脚本家、大森美香が監督をしたから、もっと丁々発止のやりとりがある映画になるのかなと思ったら、荻上監督よりセリフが少ない。
映画となるとテレビとは違うことをやってみたくなるものなのかな。
でも、最近よくある、テレビドラマのような映画にはならなくてよかった。
やっぱりプロモーションビデオとして受け取ればいいんだよな。
あの映像、あの歌には、タイ式マッサージを受けているような気持ちよさがあったわ。
くりかえすけど、音楽はいいぞ。




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うーん…。 (Ageha)
2009-09-19 21:37:26
ホントに感情むき出しにして言いあったら
あのマターリ感は出ない。

当人同士が納得出来ればいい話なので
それは残念ながら
万人ウケするようには作られてない為
説明不足もあって
観客は置いてきぼり。
私は好きですが
拒絶反応あり~の
退屈で寝ちゃったの、
結構厳しいようで。

カモメもそうだったけど金持ち?
働いてる感がない。(笑)一番思うのは生活感がないことかも…
なぜ、 (rose_chocolat)
2009-09-20 06:39:56
プールがあったんでしょうね。
誰も入らないのに。 苦笑

最初の30分くらいほとんど記憶ありませんが。。。
■Agehaさんへ (ジョー)
2009-09-22 10:29:01
マッサージしてもらってるような映画ですから、観ているうちに寝てしまうというのは、
いちばんのほめ言葉かもしれません。
1800円で1時間36分眠れれば安いものかも?
■rose_chocolatさんへ (ジョー)
2009-09-22 10:33:44
ファースト・シーン、男の子がプール掃除してて、
小林聡美が「もう終わった?」ときいて、
男の子が「うん」って言って2人で行ってしまいますが、
プールにはまだごみが残ってます。
きっとその程度の存在でしかないんです、このプール。

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