【映画がはねたら、都バスに乗って】

映画が終わったら都バスにゆられ、2人で交わすたわいのないお喋り。それがささやかな贅沢ってもんです。(文責:ジョー)

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「今度は愛妻家」:浅草公園六区バス停付近の会話

2010-01-20 | ★草63系統(池袋駅~浅草雷門)

今半の前を通ると、大林宣彦監督の「異人たちとの夏」を思い出すのよねえ。
風間杜夫が、父親の片岡鶴太郎と母親の秋吉久美子と連れ立って、浅草の今半で食事を共にするシーンだろ。肉親の情が際立つ名場面だった。
薬師丸ひろ子と豊川悦司が夫婦役になる「今度は愛妻家」も、親子の話ではないけれど、家族の情が感じられる、いい映画よね。
家族というより、夫婦の愛情の物語だ。
もちろん、それがメインなんだけど、おカマ役で出てくる石橋蓮司が二人を引き立てていい味出してるのよ。
まあ、何をやらせてもうまい役者だからな。途中まではおもしろおかしいだけの謎の人物なんだけど、素性がわかってからは存在感がますます冴えてくる。
この映画自体、途中までは、犬も食わない夫婦喧嘩の話かとみせかけておいて、謎が解けてからは、夫婦の深い愛情に胸が打たれるという仕掛けが用意されている。
薬師丸ひろ子の白いシャツがまぶしいなあと見とれていたら、そこには理由があった。
家に出たり入ったりするタイミングがどうもおかしいと思ったら、そこにも理由があった。
その謎がわかるまでの薬師丸ひろ子のコメディエンヌぶりもひとつの見どころだ。
豊川悦司との、すっかり賞味期間が過ぎたような夫婦のかけあいが、ときには滑稽に、ときには辛辣に進んでいく。
明らかに舞台劇の映画化だってわかる構造なんだけど、薬師丸ひろ子の、なんともふわふわした存在感がこの物語にぴったりはまってる。
最後はちょっとセンチメンタルになっちゃうけどね。
くすくす笑わせて最後はしんみりさせる。これぞ、映画の王道じゃないか。
映画の王道かあ。
「世界の中心で愛を叫ぶ」でケチをつけた行定勲監督らしからぬ正統派の娯楽映画だ。あの映画のリアリティのなさから比べると、この「今度は愛妻家」の、本来リアリティのない話にリアリティを持たせた行定監督の技量は長足の進歩だと言っていい。
なに、言ってるの。「世界の中心で愛を叫ぶ」の前にだって「GO」っていう傑作を撮ってるのよ。
ああ、そうだった。出来にムラがあるっていうことかな。
今半のすき焼きにはムラがないけどね。
「異人たちとの夏」の今半かあ。「異人たちとの夏」は、ある意味「今度は愛妻家」を観た人には、観てほしい映画だな。
ある意味ね。







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