【映画がはねたら、都バスに乗って】

映画が終わったら都バスにゆられ、2人で交わすたわいのないお喋り。それがささやかな贅沢ってもんです。(文責:ジョー)

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「トゥルー・グリット」

2011-04-07 | ★橋63系統(小滝橋車庫前~新橋駅)

「トゥルー・グリット」ってどういう意味だ?
「真の勇気」。
「真の勇気」って言やあ、日本人だろう。
とくに、厳しい試練の中にいる東日本の人々。
一方、映画の「トゥルー・グリット」は西部劇。
父親を殺された14歳の少女が老保安官を雇い、テキサス・レンジャーと一緒に復讐の旅に出る。
西部劇ってやっぱり、スクリーンと相性がいいよなあ。滅ぼしちゃいけないジャンルだってしみじみ思うぜ。
西部の町の佇まいも映画とは相性がぴったりだし、昔の機関車とか、あと、何と言って疾走する馬。
クライマックス、暗い平原を星明かりの中、必死で疾駆する馬の姿。何というロマン!何という躍動感!あれこそ映画だ、モーション・ピクチャーだ。
監督のコーエン兄弟といえば、ひねくれた映画ばかりつくってきたのに、今回は何とも正統派の西部劇をつくりあげた。
いやいや、コーエン兄弟の特徴は、あくまでもモダンでスタイリッシュな画づくりにあるという意味では今回も共通している。
ファースト・シーン、ぼんやりと浮かび上がってくる家の明かりからして、コーエン兄弟らしい。
ラストのタイトルの凝った文字に至るまで、なんとも言えない雰囲気を醸し出す画づくりはコーエン兄弟らしい。
ただ、キャラクターがコーエン兄弟にしてはおとなしい。
そうかな。ヒロインの少女なんて相当へんだぜ。父親が死んだというのに、まったく動揺するところを見せず、ひたすら復讐のことばかり考えているなんて。
ちょっと可愛げない感じはするわね。
でも、容姿は可愛いから許しちゃうけどね。
どっちやねん!
言ってみれば、「目には目を」の話だからね。正当な裁判なんて信用せず、自分で復讐を果たそうと言うんだから。
そういう時代だったのよ。
そういう時代の終わりの物語。
彼女と一緒に犯人を追った老保安官は、最後にはワイルド・ウェスト・ショーの一員になっちゃうんだもんね。
見世物だもんな。そういう寂しさみたいなのが漂う。
最近の西部劇には、そういうひとつの時代が終わってしまうことへの鎮魂を匂わせる映画がとっても多いような気がするんだけど。
そういう時代と言うより、西部劇というジャンルが終わってしまうことへの鎮魂。
そういうセンチメンタルな映画をつくるなんて、やっぱりコーエン兄弟らしくないでしょ。
抑えてはいるけどな。
何はともあれ、いまは日本人にこそ、真の勇気を!




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