【映画がはねたら、都バスに乗って】

映画が終わったら都バスにゆられ、2人で交わすたわいのないお喋り。それがささやかな贅沢ってもんです。(文責:ジョー)

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「闇の列車、光の旅」:緑三丁目バス停付近の会話

2010-06-19 | ★業10系統(新橋~業平橋)

こんなところに、相撲部屋がある。
宮城野部屋っていえば、モンゴル出身の白鵬がいる部屋だぞ。
いろいろ話題になっている相撲界だけど、外国出身力士の活躍にめざましいものがあるのはたしかよね。
ホンジュラスからアメリカをめざす移民たちの中にも、国を離れて一旗あげようという人たちがいるんだろうな。
そんな希望に満ちたものじゃないわよ、「闇の列車、光の旅」に出てくる不法移民たちは。なにしろ、貨物列車の屋根に乗り、メキシコを抜けてアメリカにたどり着こうっていうんだから。
なんか、戦争中のアウシュビッツに向う貨車の上にでも乗っているんじゃないかっていうような悲壮感がある。
列車から見える風景が牧歌的なのと対照的に、屋根の上の人々の顔は不安におびえている。
自由とチャンスの国への希望というより、地獄の暮らしからの命をかけた逃避行っていう趣だもんね。
警察に追われて強制送還される恐怖を抱えながら、とにかく無事にアメリカにたどり着くことを祈っている。
そればかりじゃなく、メキシコの凶暴なギャング団に狙われたりする。
そのギャング団の中のひとりの少年と不法移民の中のひとりの少女が、ひょんなことから一緒に逃げるようになる。
この二人、あまりに過酷な環境の中での出会いすぎて、決して恋を語る余裕なんかないんだけど、演じる二人の純粋さのせいか、なんか、南米のロミオとジュリエットみたいな雰囲気が漂ってくる。
とくに、あの少女。太い眉とコーヒーブラウンの肌がいかにも南米っていう感じで印象に残る。
まあ、AKB48あたりにはいないような顔だ。それだけに生きることの本質をつきつけてくるようなところがあって、圧倒させられる。
列車に乗って旅をするなんていうと、かつてのアメリカ映画によく出てきたホーボーのように、どこかしらのどかな気分がしちゃうんだけど、いまの現実は過酷そのものだもんね。
映画にでてきたメキシコの凶悪なギャング団もほんとうにいるらしいしな。
小学生くらいの少年が拳銃で人殺しをしたりする。日本じゃ考えられないけどね。
列車の通り過ぎる沿線の人々がまた、みかんを放って応援をしてくれる人々もいれば、石を投げつけて悪意を露わにする人々もいて、いずれにしろ、こういう形の移民が半ば公然の事実になっていることがわかる。
監督は、日系アメリカ人のキャリー・ジョージ・フクナガ。
監督の祖先も移民だったっていうわけか。
それを言ったら、アメリカ人の祖先なんて、みんな移民なんだけどね。
でも、不法移民はいまだにアメリカの大きな社会問題になっている。
これだけの苦労をしてたどりついたアメリカが、彼らにとってほんとうにいい国かどうかはわからないっていうことね。残酷な話だなあ。
無事に着いたら着いたでまた、ふんどしを締め直してかからなきゃいけないな。
あれ、突然おかしな表現になって、どうしちゃったの?
いや、あそこ、相撲部屋の上に見える黒いもの、あれ、力士のふんどしだからさ。
ええっ!





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