【映画がはねたら、都バスに乗って】

映画が終わったら都バスにゆられ、2人で交わすたわいのないお喋り。それがささやかな贅沢ってもんです。(文責:ジョー)

「JUNO/ジュノ」:錦糸町駅前バス停付近の会話

2008-06-04 | ★都02系統(大塚駅~錦糸町駅)

なんだ、このどでかいドーナツは?
このオブジェがドーナツに見えるなんて、あなたもティーンエージャー並みの想像力しか持ってないのね。
悪かったな。でも、おかげで「JUNO/ジュノ」はおもしろく観れたぜ。
16歳の高校生ジュノが妊娠しちゃった子を養子に出そうとするアメリカ映画。
立派なおとなとしては、まゆをひそめそうな話なんだが、結構共感して観れたのは、俺がティーンエージャー並みの想像力を持っているおかげだろうな。
そんなの自慢にならないって。おとなとしてはまゆをひそめるほうが正常よ。罪悪感も何もなく、平然として妊娠して里親を探して、犬の子でもあげるように渡そうとするんだから。あの赤ちゃんがどう育つかと思うと、心配で心配で・・・。
そのあたり、日本人とアメリカ人じゃ感覚が違うのかもしれないけど、主役のエレン・ペイジがやたらキュートだから、何でも許せちまう。
男と女で感覚が違うんじゃないの?あなたも男だし、監督は男だから、子どもができることの重大性がわからないのよ。
脚本は、女だぜ。
まだまだ若い。
若い女がどう行動するのか、っていうのがこの映画のポイントじゃないか。エレン・ペイジみたいな高校生、ひょっとしていそうな感じ、しないか。
ハードキャンディー」で小憎らしい娘を演じた子よ。
え?あの、すべての男が震え上がったホラー映画「ハードキャンディー」の主役をやった小娘か。大のおとなを手玉にとって、恐ろしかったなあ。それが「JUNO/ジュノ」では、あんなにおしゃまで憎めない高校生を演じるなんて、信じられないな。
でも、「JUNO/ジュノ」の中で彼女が好んで観ていた映画は、ホラー映画よ。
ますます、女は信じられないな、老いも若きも。
どうせ、私は“老い”のほうよ。
おい、おい。自虐的になるな。
まあ、若い彼女を取り巻く人々がみんな、どこかヘンだし、監督が「サンキュー・スモーキング」のジェイソン・ライトマンだから、正論を言う人を煙に巻くようなユーモラスな映画になってのは、たしかね。
サンキュー・スモーキング」?ああ、あの弁舌さわやかで頭がからっぽの男を描いた映画か。あれはおもしろかった。もっと評判になっていい映画だ。
あの映画も凝ったタイトルバックだったけど、「JUNO/ジュノ」もタイトルバックからして快調。
うん、話は結構重いはずなのに、風船みたいにぴょんぴょん弾む映画で、憎めない。監督と俳優たちの才能がぴったり一致したんだろうな。
この映画のあっけらかんとした愛らしさ、監督は違うけど、「リトル・ミス・サンシャイン」を思い出したわ。
なんだ、結局、おまえも気に入ってるんじゃないか、この映画。いま風のアメリカ人情喜劇の佳作ってところだな。
エレン・ペイジの前作が「ハードキャンディー」なら、こんどの映画は「ソフトドーナツ」って感じだしね。
ほら見ろ、やっぱりドーナツだろ。
でも、このオブジェは、ドーナツじゃないと思うけどなあ。



この記事、まあまあかなと思ったら、クリックをお願いします。



ふたりが乗ったのは、都バス<都02系統>
大塚駅前⇒新大塚⇒大塚四丁目⇒大塚三丁目⇒大塚二丁目⇒大塚車庫前⇒茗荷谷駅前⇒小日向四丁目⇒小石川四丁目⇒春日二丁目⇒伝通院前⇒富坂上⇒春日駅前⇒真砂坂上⇒本郷三丁目駅前⇒湯島四丁目⇒湯島三丁目⇒上野広小路⇒御徒町駅前⇒東上野一丁目⇒新御徒町駅前⇒元浅草三丁目⇒三筋二丁目⇒寿三丁目⇒蔵前駅前⇒本所一丁目⇒石原一丁目⇒石原二丁目⇒石原三丁目⇒石原四丁目⇒太平一丁目⇒太平二丁目⇒太平三丁目⇒錦糸公園前⇒錦糸町駅前









最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんにちは☆ (きらら)
2008-06-16 06:46:39
なんだか私の記事が禁止ワード引っかかっちゃっているようなのでコメントだけで失礼します

ってか、このオブジェはドーナツじゃないんですか
いつか錦糸町行くことがあったらチェックして見ます!

映画は深い内容を軽く見せてくれてとっても楽しかったです
エレン・ペイジありきの作品でしたね。
返信する
きららさんへ (ジョー)
2008-06-16 20:55:48
何がいけないんでしょうねえ。
ドーナツは錦糸町駅北口にありますから
ぜひ確かめてみてください。
これ、ドーナツでなければ、
アサヒビールのビルの屋上の●●●の仲間としか
考えられないんですが。
(●●●も禁止ワードかな?)
返信する

コメントを投稿