【映画がはねたら、都バスに乗って】

映画が終わったら都バスにゆられ、2人で交わすたわいのないお喋り。それがささやかな贅沢ってもんです。(文責:ジョー)

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「クローバーフィールド HAKAISHA」:御徒町駅前バス停付近の会話

2008-04-09 | ★都02系統(大塚駅~錦糸町駅)

ずいぶん巨大な十手ね。
これくらい巨大な十手があれば、「クローバーフィールド」の怪獣も退治できたかもしれないな。「御用、御用」とか言って。
大魔神じゃあるまいし、それはありえないけど、「クローバーフィールド」は、もし怪獣が襲ってきたら、一般人にはこう映るだろうと思えるようなことを迫真の映像で追っていて、思わず背中がゾクゾクしたわ。
突然、正体不明の怪獣に襲われたニューヨークの街を逃げ惑う人を追いかけるだけの映画。たまたま現場に居合わせた人のホームビデオからの一人称目線だけで、一本の映画を成立させちゃうんだからたいしたもんだ。
話は単純なんだけど、雰囲気がやたらリアルだから、ただのキワモノ映画っていう感じがしない。
Always 続・三丁目の夕日」の冒頭場面が80分間続くよう映画だと言えばいいかな。
そうとも言えるし、「エイリアン」のニューヨーク版とも言えるじゃない?
たしかに、怪獣はエイリアンとアメリカ版のゴジラをたして2で割ったような造型だったもんな。
瓦礫の煙に追いかけながらニューヨークの街中を逃げる人々のようすなんて、明らかに9.11にインスパイアされていて、あのときにテレビで見た現実の映像とまったく変わらないクオリティ。あの臨場感で全編を押し通すから、つくりものとは思えない迫力が出た。
9.11といえば、あの事件に遭遇した飛行機内部のできごとをドキュメンタリー・タッチで描いた「ユナイテッド93」なんていう映画もあったけど、ああいう映画も髣髴とさせる出来だった。
怪獣の正体とか、どうやって退治するのかなんていうことには目もくれず、そこに遭遇してしまった普通の人の視線だけで事件をとらえるっていう割りきりが、なんといっても潔かったわ。
いろいろな周辺情報は、インターネットの中をかけめぐっているらしいけど、事件の渦中にいる人には全貌なんてわかりっこないんだし、政治家や科学者や軍隊が右往左往する映画はゴマンとあるし、そういうのはもういいんだっていう態度が、停滞のないジェットコースターみたいな映画を生んだってことかな。
うん。テロの比喩だとか、環境問題の反映だとか、とってつけたような意味を怪獣にまったく持たせなかったぶん、娯楽に徹した純粋映画ができあがった。
普通の人の視線からとらえたリアルな怪獣映画。これが、ありそうでなかなかないんだ。日本映画でいえば、必ず、丹波哲郎風の総理大臣とか永島敏行風の自衛隊員とか小泉博風の科学者とか出てきて、映画を停滞させる。
シンプルにワンアイデアだけで押して、そのかわり細部に手抜きはしない。これが、映画の王道よね。
ただ単にトラックに追われるだけで一本の映画をつくりあげてしまったスピルバーグの出世作「激突!」。あれに近い印象だな。長年の怪獣映画ファンとしては、どれだけこういう映画を待ち望んだことか。
瀕死の重傷のはずの女性が走りまくるくだりだけは、ちょっとリアリティに欠けた気がしたけどね。
でも、いそうだよな、こういう、自分の身に危険が迫っているのにもかかわらず、ビデオを手放さないで必死に撮影し続けるバカな男。
でも、さすがに巨大な十手で怪獣に迫っていくバカはいないでしょう。
そうか?俺は好きだぜ、意味もなく、こういうバカでかい十手をつくってしまったヤツ。
意味もなく、「クローバーフィールド」をつくってしまったヤツもね。


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ふたりが乗ったのは、都バス<都02系統>
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