妖しい亜熱泰

タイと東京、アジアと和の話題など。
出かけたついでに一枚をつづります。

ナポレオンとヴェルサイユ展

2006-04-15 | Weblog
江戸東京博物館で開催中の「ナポレオンとヴェルサイユ展」に行ってきた。
そもそも博物館でナポレオンとはどうゆう展示なのか?それにヴェルサイユ宮殿との関わりって? 
いろいろ謎めいていて面白そうだと思ったからだ。

会場に入って解説を読むと、この企画はヴェルサイユ宮殿美術館の協力によるナポレオン戴冠200周年記念というイベントなのだそうだ。
館内の展示はナポレオンの登場以前からはじまり、彼の生涯に沿って10のパートに分けられている。ところがその中で、ヴェルサイユ宮殿関係が3分割されている。折角豪華絢爛の世界を期待して行った向きにはがっかりである。
一回りしてみて分かったことは、ヴェルサイユ宮殿美術館側から提供された収蔵品リスト一覧を見て企画者が10のパートに分けるという手法を採ったのだろうということだ。なにしろ中身はほとんどが絵画、それも肖像画ばかりなのだ。本来ならナポレオンの生涯を縦軸に、ヴェルサイユ宮殿との関わりを横軸に展開していくと見学者にはとても分かりやすいのだが、それをやってしまうとひとつのコーナーに肖像画ばかり、ずらずらとそれも延々と並ぶことになるので、アクセントをつけるために苦肉の策として調度品などを分割展示することになったのだと思う。
努力の結果として、マリールイーズの宝飾品やセーブル製品、刀剣類、肘掛け椅子などは間隔を置いてちりばめる構成になり、絵に飽きたころこれらの展示物によって興味を呼び戻そうとする意図はある程度うまくいったようにも思える。だが、再現した執務室や午餐の間は本物の調度品を置いたにもかかわらず、その出来栄えは安物に見えてしまい、隣に飾ってある写真に負けてしまっていたのが惜しい。出口付近の紫、緑、紅の壁布なんかとても素晴らしかったんですがねえ。

それにもう一点。博物館の展示なのに美術展に見えてしまった。それは映像や動きのついた模型を使うなどの仕掛けがなかったためだろう。

目の付けどころが面白かっただけに展示方法にもうひと工夫が欲しかった。