大半の人には役に立たない話です
警察などに身柄を拘束されないで、一生を終える人が普通の人ですから・・。
政治家とか有名人が何かで逮捕された時に、レポーターが「釈放」とか「保釈」とか叫んでいます。
そんな姿をテレビのニュースで見聞きするだけで、自分や身近な人で「釈放」と言う言葉を使う機会は滅多にあるものじゃない。
警察に逮捕されると、取り調べの為に一定期間は拘留されます。
調べが終わり、これは些細な事件なので、検察に送らないとか、検察が起訴しないとなると「釈放」されます。
「保釈」は「釈放の一部」で起訴されて、裁判を終えて判決が出る前に釈放されることを「保釈」と言います。
拘束を解かれ自由になるという意味では同じです。
本題の「仮釈放」は裁判で懲役・禁固の刑を受けて刑務所に収容された後に取られる措置です。
何故、仮釈放があるのかと言うと、刑期を満了してすぐに社会生活をするのでは、上手く社会に適応できず。
結果的に再び犯罪に手を出してしまう可能性が高いとの考えからです。
その考え方に「そうだね」と言いにくいのですが、まぁ~そんな感じの仕組みになっています。
現実的には刑務所内で受刑者に規律を守らせるための「アメとムチ」のアメの役目が大きい。
仮釈放は刑期の1/3を満了した者、無期懲役は10年を超えた者に与えられる可能性があります。
無期懲役でも仮釈放があるなら「無期」って変ですよね。
しかも、無期懲役は重罪を犯しているはずなのに10年で外に出てくるなんて変と思いますよね。
心配はありません、現実には無期懲役が仮釈放を受けるのは30年以上かかります。
ここまでは社会でいる私たちの立場からの仮釈放に関する情報で、まぁ言ってしまえば不必要な情報です。
しかし、刑務所で暮らす受刑者にとっては、これ以上大事なことはありません。
再犯者の場合は、受けた刑期の1年に対して一か月の割合で仮釈放の期間が決まると言う、都市伝説のようなことも言われています。つまり懲役5年なら、満期日より五か月先に仮釈放で社会に出られる計算です。
そう上手く行くかどうかは分からないのが現実です。
刑務所長が仮釈放の対象者と認めると、受刑者に対して「パロール」を行います。
パロールは被害者や出所後の生活についての質問です。
⇒ その後一か月程度で仮面接を受けます。
⇒ それから8週間後くらいに本面接があります。
⇒ また8週間後くらいに作業を辞め、同じ日に出る人と2週間程度教育期間があります。
これと同時進行か少し早めに身元引受人に再度確認があります。
ここで引受人が何かの理由で辞退すると、すべてが吹っ飛びます。
受刑者が仮釈放の手続きが始まったと分る「パロール」から、だいたい五か月後に出所できます。
結構前から「外に出られる」と気を持たされるわけで、その期間は絶対に事故(違反行為)を起こさないようにします。
ここで油断すると、同じ受刑者がやきもちを焼いたり、不仲な受刑者が仮釈放の邪魔を仕掛けてきます。
本人が知らない間に、筆記用具の中に自分の消しゴムを入れたり(私物の点検は厳しく、余計なものがあるとアウト)
ですから仮釈放に進んでいる受刑者は独房に入ることが前提なのですが、どういう訳か刑務所は大繁盛していて、なかなか独房に空きができない場合も多いらしい。
仮釈放前に受ける教育期間の2週間が、当人たちにとってはとてつもなく長く感じるらしい。
何年も刑務所に入っているのに、たった2週間が長く感じるのはゴール直前で、自由が現実味を帯びるのでしようかね。
身元引受人を何度かやっていると、受刑者が仮釈放に向けての行程に入る前に、その事を知る場合があります。
刑務所の所長から地方更生保護委員会に書類が出され、そこで仮釈放を許可するかどうか判断するのですが。
その時に決まっている保護司から、身元引受人として届けられている人に再確認があるのです。
その後に他の調査を終えて、刑務所長にOKの連絡をします。
ですから、身元引受人に連絡があった時点では、仮釈放が確定している訳ではありません。
しかし、余程のことが無い限り、そのまま仮釈放となります。
これを受刑者に手紙で教えてやろうか迷いますね。
まぁ、迷っている間に刑務所の方の行程が始まり、本人も知る事になります。
「二度あることは三度ある」と言いますが、これは本当ですね。
犯罪は犯さないのが良いのはだれしもわかる事ですが。
もし、犯罪を犯したら1回目の後の行動が、その人の長い人生を決定しますね。
当人以外の人が助けられるのも、そのタイミングだけだと思います。
ヤクザ・薬物中毒者・泥棒と色々な人たちに接してきましたが、罪を犯したのが1度の人とそうでない人は、その人生に大きな開きが見られます。
私が仮釈放の身元引受をした人たちで、社会の中で成功者もいれば、こいつは死ぬまでダメだろうと感じる人もいます。
その差は2度目が有るか無いかで決定です。