馬医者修行日記

サラブレッド生産地の大動物獣医師の日々

歓喜の夜

2018-06-20 | 急性腹症

きのうは1歳馬の篩骨血腫と副鼻腔炎の骨開窓手術Bone flap。

どういうわけか今月は篩骨血腫の馬が多い。

今日も6ヶ月齢の重輓馬の子馬が来院して検査したら篩骨血腫だった。

(これはさらに前日の当歳馬の篩骨血腫。副鼻腔を新生物が埋めている。)

                   -

繁殖雌馬が疝痛で来院。

もう3時間ほど痛みが続いている。

血液検査は乳酸値が高いほかは悪くないが、超音波検査で膨満した小腸が見えた。

小腸閉塞だと思って開腹したら分厚くなった結腸が見えた。

「結腸捻転だ」と思って、結腸を引っ張り出そうとするが出てこない。

腹腔内で結腸をたどると、穴の中へ入り込んでいる。

「横隔膜ヘルニアだ」

正中やや右よりで15cmほど裂けている。

さらに5cmほど切り広げて、結腸を引っ張り出した。

横隔膜裂孔はEthibondで連続縫合して閉じた。

                  -

午後は、繁殖雌馬の尺骨骨折のプレート固定。

子馬とちがって成馬の上腕三頭筋は強大だ。

最初は軽度の跛行だったが、悪化した、とのこと。

亀裂骨折だったのが、寝起きしているうちに開いて変位したのだろう。

これ以上開くと骨癒合が期待できなくなるし、痛みがとれず蹄葉炎になる可能性が出てくる。

                   -

そして、夜はW杯サッカーだった。

1,2点獲られて負けが決まったら観るのをやめて寝ようと思っていたがっ!!

歓喜の夜だった。

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6 コメント

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Unknown (piebald)
2018-06-20 21:06:16
まさに歓喜の夜でしたね。
私も、テレビは付けてましたが、真面目に見ようとはしてませんでした。あんなことってあるんですね。奇跡を呼ぶ監督だったようですね。
Unknown (はとぽっけ)
2018-06-21 01:43:25
 篩骨血腫は外傷で生じるのですか?長いマズルだと失明など眼にはあまり影響はでないのかなぁと思ったり。
 「あれはなんだ」からの「スーパーマンだ」は昭和の子ですが、あるある、と思っている先生方もいらっしゃるんでしょね。
 寝不足でも元気な人、多かったでしょね。
 
>piebaldさん (hig)
2018-06-21 04:55:30
監督も選手達もよくやりました。気持ちが入ったプレーは素晴らしかったです。
>はとぽっけさん (hig)
2018-06-21 05:00:01
篩骨血腫はどうしてできるのかわかっていません。外傷や感染からできる可能性もあるかもしれませんね。

小腸閉塞だ、結腸捻転だ、いや横隔膜ヘルニアだ!って感じでした。術後は良好で、もう退院していきました。

本気でがんばって難事を達成する姿からは勇気をもらえますね。
馬マッサージ (linda)
2018-06-22 11:06:56
いつも驚きをもってブログを拝見しています。
私は今まで人や動物の医療に関わったことがなかったのですが、乗馬を始めてから馬へのマッサージに関心を持つようになり、勉強したいと思うようになりました。が、しかし!先生のブログで、毎日 馬や牛をひっくり返したり、内臓を探ったりして治療されているのを見ると マッサージなんて意味あるのかな?と思うようになってきました。
臨床医のお立場から率直にどう思われますか?
>lindaさん (hig)
2018-06-23 05:25:26
ヒト医療は馬よりずっと進歩していますが、マッサージや鍼灸ほかの補助療法も利用されていますよね。
手術や麻酔や西洋医学と比較したり、その代わりになると考えない方が良いのだろうと思います。
私、温泉あとのコインマッサージ機、大好きです;笑

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