馬医者修行日記

サラブレッド生産地の大動物獣医師の日々

当歳馬の頚椎損傷

2018-09-01 | 整形外科

7月に頚椎を傷めたようで、元気がなく、痩せて、頚の筋肉がすっかり落ちて、

環椎(第一頚椎)翼が異常に目立つようになった当歳馬。

最初は大丈夫だったが、8月に入って腰フラ様症状も出てきた、とのこと。

X線撮影したら、環椎と軸椎(第二頚椎)の関節と位置関係が変だ。

私たちは年に50頭ほどの頚椎症による腰痿のX線撮影をするが、

後頭骨と環椎あたりは撮影範囲に入れていない。

それで、この付近のX線画像は見慣れていない。

まして腹背像は、側頭骨舌骨関節症や喉嚢真菌症でもめったに観ない。

たまたま午後も腰痿の馬が来たので、いつもは撮影しない後頭部も撮影させてもらった。

先の当歳の異常さがよくわかった。

環椎に軸椎がめり込んだようになっている。

軸椎の歯状突起(頭側へ突き出した部分なのだが、よく骨折する部位だ)が粗造だ。

歯状突起の基部は成長板があるのだが、透過性がなく、骨増勢し肥大している。

環椎と軸椎の位置関係と、歯状突起基部の肥大のために椎孔(脊髄が通っている)が狭くなっている。

                  -

当歳馬の頚椎損傷は一概にあきらめたものではない、と考えている。

まだ骨格は何割も大きくなるし、その中で良い形になっていけば症状も改善し、完治する可能性もある。

競走馬として成功した例の報告もあるからだ。

                 ---

先日のSHCカンファレンスでも頚椎損傷の症例報告があった。

頚椎損傷があると、感染がなくてもSAAが上昇するのかも?と思わされる報告だった。

調べてみる必要があるだろう。

              //////////////

朝、つぼみだったが、

夕方、ムクゲが咲いた。

 

 

              

 

 

『競馬』 ジャンルのランキング
コメント (6)   この記事についてブログを書く
« SHCカンファレンス2018 | トップ | 実習生について思うこと そ... »

6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (はとぽっけ)
2018-09-02 07:28:12
 こういう症例もあきらめなくていいのですね。当歳馬の、というの、わかる気がします。
 はっとします。CRPではなくてアミロイド。
 ムクゲは一日花だと思っていたけど、どうですか?抹茶飲みたくなるお花。
 今日あたり、トカゲが孵化しそう。あかちゃん、かわいい。
Unknown (zebra)
2018-09-02 08:06:36
hig先生の所まで特化している診療所でも一瞥で判らないレントゲン像があるのですね。
いや、判らないことが分かってからの対応力があるから特化する価値があるのですね。

比較像があるからコメントいれられるのですが苦笑環椎消失に近く無いですか。
(環椎翼はありますが)頚椎6個分の首の長さしかないと言う話になりましょうが。
背腹が曲がってしか撮れないと言うのも仕方ないでしょうし、道内にCT入れられる施設はないのですか。
MRIまで入れられなくても貴重な像がえられそうなものですが。

ウォブラーて一頃の症候群だったのですか。
私が学生の頃は随分フィーチャーされてましたがhig先生のブログにはあまり上がらないですね。
もしそうだったとしても、その頃の経験は貴重なものだったと言う事になりましょう。
Unknown (piebald)
2018-09-02 10:12:09
むくげの季節も、そろそろ終わりですね。真夏に嬉々として咲いてくれる数少ない花で、有難いです。さすが、ハイビスカスの親戚ですよね。
>はとぽっけさん (hig)
2018-09-03 06:45:08
厳しいとは思いますが、希望はあるかも、ということです。
SAAはまだよくわかっていない部分があります。ウィルス感染では動かないとか、逆に感染でなくても動くことがあるかもしれません。

トカゲの赤ちゃん、かわいいかどうか主観ですね;笑
>zebraさん (hig)
2018-09-03 06:49:45
正常所見と、さまざまな異常所見が載った成書はあるのですが、それにも載っていない所見を見たり、見せられたりすることがあります。
正常馬とくらべること、反対側とくらべること、などが対処方法です。最後は経験から来る勘かもしれません。

ウォブラー症とか言いますが、ウォブラーって日本人には直接は意味はわかりませんよね。腰痿で良いんじゃないかと思っています。今も多いですよ。困っています。
>piebaldさん (hig)
2018-09-03 06:51:55
あまり好きな花じゃなかったのですが、つい植えてみる気になりました。
ハイビスカスの仲間ですか。芙蓉にも似ているように思います。
北海道でも咲いてくれるし、丈夫な木のようです。

コメントを投稿

整形外科」カテゴリの最新記事