馬医者修行日記

サラブレッド生産地の大動物獣医師の日々

NMS治療の目標は自力起立でき親から飲乳できること

2021-04-16 | 新生児学・小児科

Neonate Malajustment Syndrome 新生仔不適応症候群。

カリフォルニア大学DavisのMadigan先生の教えで、異常な神経ホルモンを抑える治療や、Loop Rope 処置が効果をあげている。

以前は希望が見えないことが多かったが、最近では1日2日で改善傾向が見られることが多い。

しかし、先週入院した子馬は、自力起立が可能だし、一般状態が悪くないので、軽症かと思ったが、結局入院は1週間を超えた。

最初はおとなしかったお母さん馬も、乳はほとんど出なくなるし、だんだんイラついて来ていた。

子馬は、哺乳ビンでなんとか飲めるが、親からは飲めず、ボールからミルクを飲めるようになって退院した。

で、

帰ってから親にひどく蹴られてしまった。

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肋骨が折れ、肺が傷つき、あきらめた。

おとなしいお母さん馬でも、乳を飲んでくれない子馬と一緒にいることはできないのかもしれない。

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第一趾骨骨折の馬は、手術後、なかなか立ち上がらなかった。

1時間半たってやっと立ち上がって帰って行った。

夜、繁殖雌馬の疝痛の依頼。

来たら痛みで立てない。

結腸捻転だった。

けっこうひどかったが、早い決断が幸いした。

終わって、私は1時には寝た。

             ー

翌朝、6時から入院馬の治療。

NMSの子馬は、哺乳ビンから飲めるようになった。

あとは親から飲めるように練習するだけ。

親との仕切りを取り外し、親の乳房のところへ行かせ、なんとか乳首を吸わそうとするが、ダメだった。

あとは練習してもらうしかない。

牧場へ帰った方が人手をかけられるだろう。

            ー

昨夜というか夜中の結腸捻転の母馬の状態も悪くない。

水を飲み、食欲もある。

血液検査所見も悪くない。

子馬を連れてきてもらい、点滴が終わったら退院だ。

あ~眠たい。

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春眠暁を覚えず

夜来とうちゃん診療の音

馬助かること知る多少ぞ

(春はオラもねむたい 夜中にとうちゃんは仕事に行ったらしい 馬が助かったって?

 そんなことはオラはしらない    笑)