妊娠末期の繁殖雌馬の不調。
歩様がおかしい。強張っていた。とのこと。
カルシウムやマグネシウムの異常かなと思ったが、それ以上に白血球数2200/μ?、PCV57%。
心拍60、体温39.8℃。
超音波で腹水を確認。さして多くはなく見える。なにせ子宮ばかりが大きい。
それでも腹腔穿刺で腹水が採れ、鏡検してみるとフリーの細菌がわずかに見え、好中球にも細菌が貪食されている。
消化管破裂のようだ。
このままだと親子とも助からない。
-
開腹手術すると、腹腔内は糞便で汚染されていた。
母馬は助ける方法はない。
帝王切開し、子馬を引張りだす。
-
気管挿管し、羊水を吸引し、デマンドバルブで酸素を吸入させる。
臍は鉗子で止めて、しばらくしてから縛った。断端は消毒する。
抗生物質を投与した。
経鼻カテーテルを入れて、持ってきてもらった初乳を投与した。
-
しばらく反応に乏しかったので、foal squeezing をやってみた。
すぐに大人しくなりはしなかった。
はずした頃から活発に動き始めた。
効果があったのかどうか・・・・微妙。
-
今日はとても元気になって退院していった。