3着だからたいしたものなのだけれど、一度は先頭に立っただけに残念。
素晴らしい力を持っていることは世界に証明した。
しかし、慣れない環境、コース、重い斤量、時差、レース間隔、前を走らなければならないレース展開、すべてが敗因になったのだろう。
世界の中で競うことはたいへんなことだ。
挑戦した関係者の皆さんに敬意を表したい。
そして、たぶんその意味を理解してはいないディープインパクトに、「お疲れ様」。
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馬は舌を切ってしまうことがある。
ハミで切ることが多いようだ。落ちたときに乗り役が引っ張ってしまうとか、馬が自分で手綱を踏んでしまうとか。
私自身は舌を縫合したことはない。
しかし、今まで運ばれてきて、切れた舌を縫合してもくっついた記憶がない。
いつも唾液で濡れていること、動き続ける組織であること、弾力があまりない組織であること、などが癒合しない要因だろうと思う。
ただ、癒合しなくて舌に大きな切れ込みが残っても大丈夫なようだ。
それで、最近はどの程度の傷か聞いて、よほど傷がひどいか、傷が新しくないときは「縫っても癒合しませんから」と言ってきた。
ほとんど舌がちぎれたようになっている。
ただ、2本おおきな血管が切れずにのこっているのも見えた。
Equine Surgery 3rd.ed. には舌の縫合方法が載っている。
なんとうまく癒合した。
下の写真は縫合から26日後。
これからは「縫っても駄目です」ではなく、縫ってみなければなるまい。
縫合方法もだが、糸の選択、傷の新しさも、鍵かな?
ちなみに、時代劇などで舌を噛んで死ぬシーンが出てくるが、あれは嘘だ。舌を噛み切るのはたやすくないし、出血はするが死ねるほどではないそうだ。