未明３時に起こされた。子馬の開腹手術だったが、癒着疝で予後不良だった。
朝一番で外傷縫合。馬房内で扉に肢をはさんでいたという。傷は大きくないが、骨まで削れていた。
予定時間をずらしてもらって去勢。
午後は牛の第四胃変位。
並行して、第三度会陰裂傷。これは分娩時、子馬が直腸を突き破って生まれてしまい、肛門と膣がつながってしまったものをいう。
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今日、よかったのは春の夜明けの空気を吸えたことと、
美しい三日月を見られたことか。
麻酔から覚醒して立たせるのが危ない馬をどうするか。
あるいは立てない馬をどうやって立たせるか。
右はAnderson slingという馬をぶら下げる道具。これは本格的なもので、ヘリコプターで馬をぶら下げて輸送するのにも使える。
http://www.largeanimallift.com/
馬を腹帯で吊ることは誰でも考えるが、すると立てない馬は「バナナ」になってしまう。とこのＳｌｉｎｇの開発者は表現している。前腕部、脛骨部も吊り上げることで腹だけが持ち上がるのを防いでいる。
しかし、上に金属製のフレームが必要で、装着にも時間がかかる。値段が３，９００ドル以上する。
左は同じくカリフォルニア州立大デイヴィスのアドバイスで開発されたLarge Animal Lift。
これは寝たまま立てない馬に簡単に装着でき、起立介助に使いやすく考えられている。
しかし、長時間ぶら下げておくことはできないし、これくらいなら運送用の幅広テープ（今は数トンの荷重に耐えるものがホームセンターで売っている）を用意しておけば、同じ吊るし方ができそうだ。
私のところで用意しているのは左。
Liftex large animal sling。http://www.liftex.com/animal_slings.htm
寝ている馬にも装着でき、馬をぶら下げておくこともできる。
何度か使ったが、大騒ぎになっていて写真を撮らずじまいだった。
麻酔から醒めた馬は立っているのがやっとなので蹴ったりしないものだが、一度これで吊って立たせた馬は、ぶら下げられたまま両後ろ足で蹴りやがった。馬鹿馬！（失礼）。
値段はAnderson Slingの半分以下。なかなかしっかりできている。バナナにもならない。
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ユンボさん、こないだ紹介したウオーキングキャストやこのような吊起帯があれば、あの馬も助けられたかもしれません。
入院厩舎には床を柔らかくし、天井には馬を吊るせる支点のついた特殊馬房も用意しました。
助けられなかった馬への鎮魂歌なのです。
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ｔｏｍｏさん、参考になったでしょうか。そちらなら３種類とも買ってみてはどうでしょうか。それぞれに長所があると思います。