山口忠行(41歳)さんは、2010年10月、ポルトガルで開催されたトラックマスターズ自転車世界選手権の40~44歳の部・スクラッチ(10km)で優勝し、世界チャンピオンになった。競技の模様や日頃の練習状況などを紹介する。
詳細⇒http://www.epocaclub.com/
<一言メモ>
山口さんは世界一の男である。
野球やゴルフのように人気のある競技と違い自転車競技はどちらかといえば地味だが、山口さんは「トラックマスターズ世界自転車選手権」の栄えある優勝者なのである。
インタビューする前は、山口さんのこの価値がよくわからず、なにかもやもやしていたが、話を聞くにつれ彼の偉業の重みがわかってきた。
ポルトガルで行なわれたトラックマスターズの競技(40~44歳の部)には、世界から25名のそうそうたる選手が参加し選手権を争った。体力・技術では、本命のオーストラリアの選手に敵わないと思った山口さんは、周到な作戦をたて見事に優勝を勝ち取った。
優勝にいたるまでの彼の努力の積み重ねは、さぞかし並々ならぬものがあったことだろう。
優勝したら賞金がでるのかと聞くと、彼は目をまん丸くして答えた。
「そんなのは全然ありません。ポルトガルまでの旅費も含めてなにもかも自腹です。優勝すると、青地に虹色ラインの入ったアルカンシェルというジャージをもらえます。チャンピオンは1年間だけこのジャージを着用して走ることができます。これを着ていると、世界チャンピオンだということが周囲の人にわかるんですね。これがなによりも嬉しく、誇りなんです」
現在も練習しているのかと尋ねると、
「会社から自宅まで、毎日往復3時間自転車に乗っています。そのほか週末に6~7時間走っています。身体を鍛えるため市内のトレーニングジムにも通っています」
将来の夢を聞くと、彼は笑いながら答えた。
「世界選手権は、5歳きざみでクラス分けされており、最高齢クラスは75歳以上のクラスです。10年後か20年後、あるいは30年後になるかもしれませんが、もう1度、アルカンシェルを手にすることができたら嬉しいなあと思っています」
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