もう銀杏が落果している。
秋が深まりつつあるのだ。
けれど、あの銀杏の実の特有の臭いはない。
風がさわやかに過ぎ去るのみである。
昨日は風があった。
だがしかし、音を立てて落果する気配は感じられないのである。
枝もたわわに実を付けている。
踏まれた実も、全く臭わない。
「風よ吹け明日も銀杏拾えるぞ」
この実が臭いを醸し出す頃、季節は晩秋へと移っていくのである。
そして、この実を拾う人々がシルエットになる。
早朝もしくは夕暮時に大樹の下に集うからである。
拾って直ぐの銀杏は、柔らかくて旨い。
荒 野人
秋が深まりつつあるのだ。
けれど、あの銀杏の実の特有の臭いはない。
風がさわやかに過ぎ去るのみである。
昨日は風があった。
だがしかし、音を立てて落果する気配は感じられないのである。
枝もたわわに実を付けている。
踏まれた実も、全く臭わない。
「風よ吹け明日も銀杏拾えるぞ」
この実が臭いを醸し出す頃、季節は晩秋へと移っていくのである。
そして、この実を拾う人々がシルエットになる。
早朝もしくは夕暮時に大樹の下に集うからである。
拾って直ぐの銀杏は、柔らかくて旨い。
荒 野人