エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

エピローグという立場

2010年05月24日 | 日記
今日も一日雨模様である。
これから成田へ向かう。

謎のペルー人が帰国するのである。

今日は、このブログの原点を見つめなおしてみたいのである。





         エピローグの始まりを愛せよ




      漂う言葉にぼくが訣別したい
      と
      思ったのは昨年の今日
      雨がそぼ降る午後であった

      それからの日常は確固とした時間の制御
      と
      堅牢たる
      終局のリズムが刻まれる
      メトロノーム
      の
      マホガニーに写った借景でしかなかった

      笑止たる時空の亀裂に
      ぼくは埋まったまま
      滞ることのない時間を
      齧(かじ)りつづけたのである

      非日常の空間は
      シーンが飛び出しては去る
      飛び出しては去っていく
      あるいはまた
      去りゆく現在の連なり
      その必然たる現在の積み重ねでしかなかった

      メトロノームは
      無機質な音韻を刻み続け
      よりいっそう
      空間を乾燥させるのだ

      ぼくが齧り続けた
      時間は度し難い骸と変わり果て
      決定的な
      瑕疵(かし)
      を負って流れている

      ぼくの
      原罪
      は
      エピローグの岸辺に逢着した
      現実を
      受け止めきれなかった現在に由来する
      現在の鬱蒼とした
      骸の重なり具合の
      なんという造形であろう
      と
      嘆息をつくのはぼくだけだ

      ああ
      新緑の絨毯に
      現在という骸を横たわらせ
      柔らかな褥(しとね)たれ
      と
      ぼくは天を仰ぎ
      骸を愛おしみつつ
      散華
      するのだ





エピローグを語りつつ、ぼくは森羅万象を愛してしまった。
取り返しのつかない錯誤が頭の中に充填されている。

後戻りのできない現在という状況を、ぼくはいま認識している。






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                     荒野人