ぼちぼち日記

手作りとおはなしが好きなモリーさんのつれづれ日記。

横山秀夫『出口のない海』

2007-08-20 | 読書
去年の9月に、広島の原爆ドームや、大和ミュージアムを訪れた後、手に取った本です。
昨日、テレビで映画やってましたね。
本で読むより、なんだかほんわかしてました。山田洋二監督というのもあるかなぁ。
随分省略してあるし、ちょっと分かりにくい部分もあったような。
本よりよく分かったのは、潜水艦の中の様子や、人間魚雷「回天」の実物がどんなのかってこと。
あれに乗って、敵艦めがけて突進するんですよ、いつ衝突するのかわからない分、ゼロ戦より怖いかも…。よくあんなもの考えたもんだと思います。

本の方は、さすが横山秀夫さん。
ただ暗く厳しく、悲しいだけじゃなく、死にに行くのに、野球への夢をあきらめない主人公の生き方が、何度も目頭を熱くさせてくれます。
(というか、号泣しちゃいます)
結ばれることの無い淡い恋も、家族や友人たちへの想いも、とても見事に描かれていると思います。

最後の方で、生き残った主人公の友人が、半世紀後に、喫茶店のテレビに映る大リーグ中継を見るんですよ。背番号55。
―敵国だったアメリカに、日本人が渡り、そこで伸び伸びと野球をしている。やはり、途方も無い時間が流れたのだ。―

そうなんですよね。
今、甲子園を沸かせている球児たちも、いえ、私たち全員、今の平和を本当にありがたく思わなくては、ばちが当たりますね。








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