平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

相棒11 「オークション」~特命係に配属される人間は『か』で始まり『る』で終わる

2012年10月18日 | 推理・サスペンスドラマ
 甲斐享(成宮寛貴)はどうも詰めが甘いキャラのようである。
 <エド・クレメンスの腕>の紛失が<値をつり上げるため>と推理した所まではよかったが、すぐに坂巻百合子(岡まゆみ)に論破されてしまう。
 結局、右京(水谷豊)がフォローして、詰めの甘いところを補う始末。
 オークションで値を5000万までつり上げる大胆な勝負をするが、これも最終的には右京にフォローされる。
 今回の『相棒』は甲斐が突っ走り、右京がフォローするというパターンであろうか。
 甲斐がブルドーザーのように道を切り拓き、右京が整地していく感じ。

 いずれにしても回を追うごとに<甲斐享>というキャラクターが形作られていくのを見るのは面白い。
 『相棒』は複数の脚本家さんに拠る競作、シェアードワールドだが、他の脚本家さんはどのような<甲斐享>を見せてくれるか?

 事件に関しては、当初の犯罪計画が仲間の裏切りにより、二転三転して思わぬ方法に流れていくという事件。
 裏切った相沢良明(山本まなぶ)が殺された動機について3つの動機が示される。
 ひとつめは、クレメンスの腕を売ると言って売らなかったことへの怒り~ジャズ評論家・盛谷弘光(梅垣義明)犯人説。←甲斐はこの説を採用した。
 ふたつめは、オークションハウスの信用を守るための口封じ説~オークションハウス側の犯人説。←右京の推理を聞いた伊丹(川原和久)たちはこの説を採用した。
 みっつめは、真相。←ネタバレになるのでここは書きません。
 さまざまな人間が入り乱れ、3つの動機が交錯して事件はなかなか複雑だ。
 しかし今回もほとんどが状況証拠で、真犯人の確定が、犯人の<突発的な行動>と<自白>に拠ってしまった所が残念。
 もしあの時、真犯人が腕を守るために飛び出さなければ、右京はどのようにして落とすつもりだったのだろう。

 いずれにしても今回の見所は、オークションでの攻防。
 恋人のマンションを売ってでも犯人を捕まえる証拠を押さえようとした<甲斐享>というキャラクターを描いたこと。
 もっとも、そんなことをしなくても捜査令状を使いさえすれば、いいわけなんですけどね。
 このあたりの知恵は甲斐にはまだないらしい。

 それと今回、特命係について<都市伝説><法則>が判明。
 <特命係に配属される人間は『か』で始まり『る』で終わる>。
 亀山薫、神戸尊、甲斐享……なるほど!
 これは<甲斐享>という名前を設定した時に製作側で決められていたことなのだろうか?
 それとも今回の脚本家さんが気づいたこと?
 これぞシェアードワールドの面白さである。
 他の脚本家さんもぜひ新しい法則を考え出してほしい。


コメント (6)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

太田光さんのips細胞・森口氏をめぐる発言~確かに。マスコミよ、もう少ししっかりしてくれ!

2012年10月17日 | 事件・出来事
 ips細胞手術の森口尚史氏について、爆笑問題の太田光さんはこんなコメントをしたらしい。

『森口氏の謝罪会見を何度も見ていると切り出した太田は、森口氏を追求するメディアのやり方を痛烈に批判した。太田は「何なの、あのマスコミの正義感。『ウソなんですよね!』と鬼の首をとったように」「お前ら一回騙されたじゃん」「それなのに『真実を追求するんです』みたいな態度で」と、メディアが森口氏の虚偽の発言を見抜けなかったことを棚に上げて、森口氏を徹底的に非難する態度に疑問を呈している。それだけでなく、「アイツ別に悪くないじゃん」と、森口氏を擁護した太田は、森口氏の行為が患者の期待を裏切ったと放送するのは無理があると指摘。また、森口氏が誰かを病気にしたわけではないと強調した』(livedoorトピックニュース)

 確かに。
 森口氏って、ただの<ウソつき、見栄っ張りおじさん>でしょう。
 「バカな親父だな」と笑って済ませればいい。
 それをあんな過剰報道。
 それに責められるべきは、裏も取らず誤報をした<読売新聞>や<共同通信>。
 明らかに記者の質が劣化している。
 それに他のマスコミ、特にテレビは他に報道することがないのか?
 もっと大事なことがあるでしょう?

 あるいは、ウソつきと言えば、東海大学の山田教授。
 「10月に中国の大漁船団が来る」と脅威を煽っておいて、来る気配もない。
 関西電力も「夏の電力が足りなくなる」とお手盛りの数字で脅しておいて、結局足りた。
 森口氏のウソに関わる時間があるのなら、山田教授や関西電力のウソも検証されるべき。
 きっと背後のドス黒いものが見えて来るはず。

 マスコミよ、今のあなたたちはおかしい。
 もう少ししっかりしたジャーナリストになってくれ。


コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

結婚しない~桐島春子と『最後から二番目の恋』の千明と較べてみる

2012年10月17日 | 恋愛ドラマ
 録画していたものをやっと見た。
 天海祐希さんと菅野美穂さんだし。
 でも、ううむ……。
 以下、批判なので読みたくない方はパスして下さい。

 クライマックス、
 仕事を信じて裏切られた桐島春子(天海祐希)と
 結婚を夢見て裏切られた田中千春(菅野美穂)は噴水で心の中に溜まったものを叫ぶ。
「結婚してなくて、何が悪い!!」
「結婚してるのが普通って言うなぁ!!」

 やっちまったなぁ、予想どおりの展開。
 月9などでよく見る既視感のあるシーン。まったく新しさがない。
 こんな作品ばかりを作っているから『ドラマは低迷している』と言われるんですよ。
 バラエティ番組は、さまざまな企画を用意して工夫している。新しいタレントをどんどん起用している。
 なのにドラマは……。

 同じ枠だったから比較してしまうけど、『最後から二番目の恋』はよかった。
 同じ結婚しない女でも千明(小泉今日子)の方がよほどカッコ良かった。
 千明にとっては<結婚>も<恋愛>も対立するものではなく、むしろ生活に潤いを持たせるものだった。
 なのに天海さんの春子は<結婚>を否定し、菅野さんの千春は渇望するものになっている。
 悩みを描いていると言えばそのとおりだが、人物がどうも類型的すぎる。
 女性を大型バイクに乗せれば、カッコいいと思うのも類型的。
 小泉今日子さんの千明はバイクに乗らなくても十分にカッコ良かった。
 また『最後から二度目の恋』では、和平(中井貴一)を配することで中年男性視聴者を取り込めたし、典子(飯島直子)を活躍させることで主婦層も取り込めた。
 万理子(内田有紀)も知美(佐津川愛美)も個性的で、いいキャラクターだった。
 舞台も鎌倉で、いい味を出していた。
 なのに『結婚しない』では横浜。これもありがち。

 製作者は<結婚><天海祐希><菅野美穂>ということで安全パイを狙ったんだろうけど、冒険をしなければヒット作は生まれない。
 製作者はもっと努力を。


コメント (6)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

匿名探偵~現代に生きるハードボイルド 「あいにく女性の言葉を疑うほど無粋にはできていないんでね」

2012年10月16日 | 推理・サスペンスドラマ
 ハードボイルドな生き方に憧れる。
 私立探偵という職業にも。
 しかし、現在ではハードボイルドは完全なパロディ。
 「何かっこつけてるの?」「んなやつはいねえ」と笑われるのがオチ。
 探偵という職業にもロマンなんてない。
 そんな現代で、あえて<探偵><ハードボイルド>にこだわったのがこの作品。

 では、この作品で描かれた<ハードボイルド>とはどのようなものか?
★女性のために戦う。クールに守る。
 そのために留置所に入れられることもある。
★女性のウソをウソだとわかっていないながら、ダマされたふりをする。
 ダマされたふりをするのは、女性がつくウソは自分を守るためのウソであるからだ。
 そんな女性の弱さは受け止めてあげるべきで、責めるものではない。
 だから、探偵さん(高橋克典)はこう言い放つ。
「あいにく女性の言葉を疑うほど無粋にはできていないんでね」←か、かっこいい!
 そして<ハードボイルド>の最後の要素は
★女性の幸せを祈りつつ、自分は身を引く。

 これらのことが出来れば、男は<ハードボイルド>に生きられる。
 探偵さんは実際、三崎映子(宮地真緒)との関わりでそう振る舞った。
 しかし、同時にこんな現実も描かれる。
★弁護士・冴島響子(片瀬那奈)に搾取され、100万円の報酬が経費を差し引かれ1万5千円にされてしまう現実。
★大家さん(三浦理恵子)に家賃代わりにSMプレイを強要される現実。
 かつて女性は男が守ってあげる存在だったのだが、現在は男なんかよりはるかに強い存在なのだ。
 だから<ハードボイルド>が成立しない。

 最後に探偵さんが住んでいる事務所に引っ越したい!
 だって、となりの3人娘が下着姿でいろいろなものを見せてくれるんだもん!

 現代に生きる探偵はこんなふうにして生きている。
 主題歌『六本木心中』がすごく合っている。


コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

平清盛 第40回「はかなき夢」~宮中行事にうつつを抜かしている暇はござらん

2012年10月15日 | 大河ドラマ・時代劇
 清盛(松山ケンイチ)は、日宋貿易・宋銭を日本中に流通させることで豊かな国を造ろうとした。
 後白河法皇(松田翔太)は、今様などの文化で日本を豊かにしようとした。
 かたや<経済>、かたや<文化>。
 どちらも人の生活を豊かにするものであり、ふたりが目指した国造りは間違っていなかったし、いい感じで役割分担が出来ていた。
 その役割分担をうまく仕切っていたのが、建春門院滋子(成海璃子)。
 見事な才女、女性政治家ですね。
 西光(加藤虎ノ介)や成親(吉沢悠)の不満もうまく収めていたし。

 なので、そんな滋子が亡くなるシーンは象徴的だ。
 儀式で<華麗に舞い踊る清盛の孫たち>。
 武士が貴族のように舞い踊っている。
 この孫たちが象徴するのは<武士と貴族の融合>だ。
 そして、<武士と貴族の融合>することこそが、滋子の目指した世界だった。
 だから滋子は、舞い踊る清盛の孫たちを楽しそうに見つめる。
 その後の後白河法皇との抱擁シーンでも<武士と貴族の融合>が象徴的に語られる。
 しかし次のカットでは、唐突に滋子の死が描かれる。
 まるで<武士と貴族の融合>した調和した世界が一気に崩れるかのように。
 上手い象徴表現ですね。
 通常、大河ドラマなどでは、人が亡くなるシーンというのは叙情的・感傷的に描かれる。
 だが、今回作家さんはそれをせず、<舞い踊る清盛の孫たち>→<滋子の死>という唐突な展開で、<武士と貴族の融合>の崩壊を描こうとしたようだ。

 というわけで今回は架け橋としての滋子の死を描いた回でしたが、面白かったのは清盛が西光に言った次のせりふ。
「宮中行事にうつつを抜かしている暇はござらん」
 以前の清盛なら、もっと相手のことを配慮した別の言い方をしていたはず。
 たとえば、「私は福原のことで手一杯なので、万事は都にいる重盛に」とか。
 つまり清盛は物事が見えなくなってきているんですね。
 傲慢になったとも言える。
 前回の兎丸のことも一時的な対処療法で、清盛の目を完全に覚ますものではなかったようだ。

 こう考えると、清盛に<経済>を、後白河法皇に<文化>を担わせようとした建春門院滋子が一番聡明な人物に思えるのだがどうだろう?
「宮中行事にうつつを抜かしている暇はござらん」と語る清盛は完全に文化軽視の<経済人>ですからね。


コメント (4)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

悪夢ちゃん~心理学を素材にした新感覚ドラマ!

2012年10月14日 | 学園・青春ドラマ
 うわっ、これ面白い!
 ぼくはこういう作品が好きなんですよね。
 変化球で、どこか変わっている作品。
 ホラー、コメディ、学園ものなど、ジャンルをごちゃまぜにした作品。
 『夢判断』などの心理学を素材にしているのも新しい。

 物語の流れはこうだ。
★他人の夢を見ることができる<悪夢ちゃん>こと、古藤結衣子(木村真那月)。
★彼女の見る夢は予知夢で、その内容はほとんどが火事などの悪いこと。
★担任教師の武戸井彩未(北川景子)は、悪いことを阻止するために行動する。
★阻止するためには情報が必要だが、その情報は<夢の解読>から得られる。

 たとえば<夢の解読>はこんな感じ。
★夢
 彩未が自分の生徒の相沢美羽(木村葉月)の胸をを刺してしまう。
 彩未は赤いワニに首を食われる。
★夢の解読
 彩未が美羽の心を傷つけてしまう。
 このことに激怒する美羽の母親(相田翔子)。
 母親は赤いワニ革のバッグを持っており、「彩未をクビにしろ」と学校に要求する。

 彩未が事件を解決するには、<夢の解読>が必要なわけだ。
 これが作品のミステリー要素になっている。
 この点、実に面白い。

 ドラマ要素では、事件の解決とともに、彩未の<心の解放>が描かれる。
 うわべだけを飾って生きる彩未。
 彼女は他人に決して心を開こうとしない。
 彼女がそうしているのは、過去の記憶。
 母親など他人に傷つけられて生きてきた彩未は、自分を守るために本当の自分を偽る。
 また、彩未には心の奥底に封印した<思い出したくない記憶><否定してしまいたい記憶>があるようだ。
 これを明らかにしない限り、彼女の心の解放はなされない。
 この点も実に<心理学>している。
 精神科医が患者をソファに寝かせて話をさせ、封印した記憶を呼び覚ます過程に似ている。

 最後に北川景子さん。
 『謎解きはディナーのあとで』でも思ったが、北川さんっていいな。
 外見は性格が悪くて、心の奥底には純粋なものを持っているという役を演じると、たちまち魅力的になる。
 性格が悪い役でも彼女が演じると、どこか品が出てくるんですよね。
 結衣子役の木村真那月ちゃんもいい味を出している。


コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

相棒11 「聖域」~「杉下警部のおかげで解決した事件は多い」「ほとんどだ」「それが悩みの種なんだ」

2012年10月11日 | 推理・サスペンスドラマ
 甲斐享(成宮寛貴)の紹介編という感じでしょうか。
・隠蔽を見逃せない熱血漢。
・右京(水谷豊)の推理を自分の視点で後追いできる洞察力、頭の良さもある。
 右京は、今回甲斐を相棒に<指名>しましたが、刑事として磨けば光る逸材だと考えたんでしょうね。
 右京には珍しく甲斐を鍛えてみたいと考えた。
 しかし、こんな甲斐だが唯一弱点がある。
 それは警察庁の父親・甲斐峯秋(石坂浩二)。
 父親に対して反感があり、親の七光りと言われるのが嫌なようだ。
 だから父親のことを言われるとキレる。
 これが甲斐の抱えている心のドラマ。

 第一話『聖域』に関してはイマイチ。
 <偶然>が多すぎる。
 広い香港で右京が甲斐に出会う最初の偶然はまだいいとしても、次に帰りの飛行機で甲斐や三井直政(小林正寛)に遭遇してしまう2番目の偶然はいただけない。
 物語を進める上での完全なご都合主義。
 偶然はさらに続く。
 再び香港総領事館に戻った右京と甲斐は、2発の銃声を聞くのだ。偶然に。
 もし右京たちの到着が5分遅かったら、銃声を聞くことはなく、真相は明らかにされていなかったかもしれなかった。
 というわけで、このエピソードには<偶然>の要素が多すぎる。
 作家さんもおそらくこのことを気にしていたのであろう、ラストの花の里に甲斐がいたことを<偶然>にはしなかった。
 これは<偶然>で物語を作ってしまったことへの作家さんの言い訳?

 それから右京の犯人の落とし方も強引。
 「私の取り調べはきついんです」と脅迫まがいのことを言って、犯人に自白させた。
 まあ、領事館という『聖域』での捜査だから強引さは必要なのだろうけど、もう少し証拠を示して犯人を論破してほしかった。
 有力な証拠が<銃声の違い>というのも右京や甲斐の主観的な証拠なので、自白がなかった場合、裁判では苦戦するのでは? という気がする。

 それと登場人物の心情の掘り下げも浅い。
 総領事夫人・詠美(賀来千香子)なんかはもっと掘り下げて、女の業みたいなものを描いてもよかった。
 夫の総領事には<干からびた体>みたいな言い方をされていたわけだから。
 取り調べの際、警察庁次長・甲斐峯秋に電話したことはよかった。
 詠美としては「私は警察庁次長の知り合いなんだから、取り調べは情状酌量も含めて、お手柔らかにしてね」という意味だったのだろう。

 伊丹(川原和久)たちとのやりとりは楽しい。
「杉下警部のおかげで解決した事件は多い」と芹沢(山中崇史)が言うと、三浦(大谷亮介)が「ほとんどだな」と訂正し、伊丹が「それが悩みの種なんだ」と嘆く(笑)
 それを米沢(六角精児)が笑うと、伊丹は「何がおかしいんだ?」とツッ込む(笑)

 右京たちが香港領事館に向かう時は、警察上層部の意向に逆らってリアクション。
 伊丹は「どうせ突入なさるんでしょう。骨くらいはお拾いします」
 三浦は「ご武運を」
 芹沢は「がんばって下さい」
 すると刑事部長はすかさずツッコミ、「お前らな」(笑)

 というわけで「相棒」の11回目のシリーズが始まりました!!


コメント (6)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

乃木坂46~秋元真夏さんの大抜擢! あえて波風を立てた4th選抜!

2012年10月10日 | アイドル
 乃木坂46・4thシングル選抜に激震!!
 七福神が八福神に!
 そして今まで学業で休んでいた秋元真夏さんが八福神入り!!

 この秋元真夏さんの抜擢には否定的な意見が多いようだ。
「運営側のゴリ押し」
「ファンの意見を反映させていない」
「今までがんばってきたメンバーがかわいそうだ」
「乃木坂46では努力は必ず報われないのか!?」などなど。

 確かに。
 僕なども、かずみん(かずみん)、ゆったん(斉藤優里)たちの活躍を期待しているだけに残念。
 特にかずみんは、3rdで七福神から外れてからは、頑張りましたからね。
 存在感を出すために必死だった。
 これがパルコ劇場での公演でのアリス役獲得につながった。
 ファンとしては、絶対に七福神返り咲きと考えていたことでしょう。
 しかし、見事に裏切られた。
 しかもフォーメーションの問題もあるが、2列目から3列目に。

 でも一方で、僕はこれらのことを前向きにとらえたい。
 たとえば、かずみんは逆境に立てば立つほどがんばって輝くタイプ。
 彼女のブログではこう書いている。

『2rdで、私はすっかり自信をなくして
 前回の3rdで七福神から外れました。
 でも私はそれがきっかけで
 素の自分と向き合うことができたし、
 ファンの方の大切さにも
 改めて気づくことができました。
 3rdで私は
 〝七福神でないぶんメディアへの
 露出は減る。じゃあ自分でチャンスを
 掴みにいかなきゃ"
 ってずっとこう思ってて、
 乃木坂ってどこの収録は
 私にとって大きなチャンスで、
 そこで全身全霊をかけてました』

 結果、かずみんはがんばって結果を出したわけだが、プロデュース側は「ここで彼女を七福神に復帰させたら安易すぎる。さらなる成長のためにも高山一実にはもう一試練与えてみよう」と考えたのではないか?

 このことは他のメンバーにも言える。
 今回、大抜擢をされた秋元夏美さんは、ファンの反発も受けて、かなりの逆境の中で自分を表現していかなくてはならない。
 選抜に選ばれなかったメンバーの嫉妬も受けるかもしれない。
 それでも秋元さんは立ち向かった。
 プロデュース側も秋元夏美なら重圧を跳ね返して輝けると判断した。
 他のメンバーにも、高山一実が3rdでがんばったように、この悔しさを跳ね返してがんばれと伝えたかった。
 <語り合うより競い合おう><逆境や試練が人を成長させる>。これが秋元イズムですからね。
 安定や予定調和よりも波風を立てることを良しとする。
 特に乃木坂46は、おっとりしたガツガツしない子が多いですから、手綱を弛めると簡単に仲良しクラブのぬるま湯になってしまう。
 だから秋元夏美さんが選ばれた時のゆったんの顔とかはよかった。
 最初はぼう然として、次には絶対に受け入れられないという顔。
 これがプロデュース側が求めた顔ではなかったか?

 最後は再びかずみんのブログの引用。
 秋元真夏さんに向けたメッセージ。

『真夏はいきなりで辛いこともあると思う。
 でも、それだけ価値のある場所だから一緒に頑張ろうね!
 ...正直怖いです。
 一番初めの暫定選抜で、 真夏は前にいて私は3列目の端だった
 真夏が前にいる限り、私は前に出れないんじゃないかって、
 もう3列目より前にはいけない気がして...
 立ち位置も私が今までいた2列目の右だし、
 同じ年で、私が諦めた大学生でもある... 可愛さでは負けるし...
 ...でも真夏がいると私も余計に頑張れるし、乃木坂という仲間だから
 私は私らしくいけたらいいな』

 立派な文章を書ける子ですね、かずみんは。
 『私が諦めた大学生でもある... 』なんて文章には、秘めた悔しさみたいなものを感じさせる。
 そう言えば、かずみん、ゆったん、秋元真夏さんは同学年なんですね。


コメント (4)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ぷっすま~売れないアイドル家宅捜査 エロく聞こえる単語とは?

2012年10月09日 | バラエティ・報道
 先週の『ぷっすま』は<売れないアイドル家宅捜索>。
 アイドル探偵のT.T(高橋克典)、ダンス(草剛)、うどん(ユースケ・サンタマリア)の3人が、売れないアイドルの自宅を訪ね、売れるためのアドバイスをするというもの。
 最初の訪問は、30歳グラビアアイドルの尾崎ナナさん。
 <じっくりジロジロGカップ>というキャッチフレーズのとおり、Gカップの巨乳が売り。
 なので特技の一発芸は、「おっぱい祭りだ、ワッショイ、ワッショイ!」と叫びながらおっぱいを揺らす<おっぱい祭り>。
 しかし、アイドル探偵T.T、ダンス、うどんには刺さらない。イマイチ。
 するとダンスがナナさんのスケジュール帳からこんなメモを発見。
 <エロく聞こえる単語シリーズ>。
 これはナナさんがバラエティ番組に出る時のために用意していたネタであるらしい。
 これはイケると思ったアイドル探偵たちはこれを掘る。

 さて、エロく聞こえる単語とは……
★オスマン・サンコン
★経済アナリスト
★濡れせんべい
★甘栗剝いちゃいました
★観音開き
★ワンクリック
★温玉ぶっかけ
★しこたま
★スタンディング・オベーション
★ポルチーニ茸
★賃上げ交渉
★御成門

 ううむ……、確かに何となくエロい。
 というわけで尾崎ナナさんは<エロく聞こえる単語シリーズ>で売り出していくことに決定!

 次に訪問したのは林弓束(ゆづか)さん。
 <走り屋アイドルD-RIVE><美脚戦士スレンダーDX><お姉様ユニットPredia>と3つのアイドルグループを掛け持ちしている三股アイドル。
 しかし、3つも掛け持ちしていることが示すように、イマイチ、コンセプト・売りがはっきりしていない。
 そこでアイドル探偵たちが注目したのは<弓束さんが単身赴任のお父さんと同居していること>。
 これは刺さる。
 特に、T.Tたち、中年のおじさんには好感度抜群!
 なので弓束さんのコンセプトは<父親が常に付いてくる!>(笑)
 ユニットも結成して、ユニット名は<パパとゆったん>
 これは新しい!
 何しろ林弓束のグラビア写真には常にお父さんが映っているのだから。
 こんなグラビア写真、見たことない!

 というわけで、芸能人が売れるようになるには、努力とアイデア、斬新なコンセプトが必要なんですね。
 <おバカ>や<○○星から来ました>とかでは、もはや古い。
 そして、継続してテレビに出続けるというのも大変!
 たとえば、今回の尾崎ナナさんや林弓束さんも<エロく聞こえる単語集>と<父親が常に付いてくる>で一度はテレビに出られるかもしれない。
 しかし次回に呼んでもらえるかというと、彼女たちの働き次第。番組内でどれだけ痕跡を残せるかに掛かっている。

 尾崎ナナさん、林弓束さん、がんばって下さい!


コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

平清盛 第39回「兎丸無念」~お前の国造りは、盗賊が物盗むのと同じや!

2012年10月08日 | 大河ドラマ・時代劇
 権力者の傲慢と孤独。
 世の中の頂に立った者は孤独だという。
 リーダーとして自分の政策を推し進めるために、時には非道なこともしなければならない。
 リーダーは自分の政策が民を幸せにすると信じている。
 だから間違いだとはわかっていても、やらなくてはならない非道。
 しかし、人はその非道を非難する。
 足を引っ張ろうとする敵もいる。
 だから権力者は孤独なのだ。
 自分の行動が我欲でないと信じているから、誰にも理解されない孤独は尚更。
 その孤独を表現したのが、清盛(松山ケンイチ)の次のせりふだ。
「わかるまい、お前にも兎丸にも誰にも……」

 一方で権力者は孤独ゆえ、ズレてくる。
 自分に固執するあまり、自分を客観的に見られなくなってくる。
 自分の体が歪んでいるのに気づかないように。
 そんな清盛を今回は西行(藤木直人)と兎丸(加藤浩次)が指摘した。
 西行は世捨て人であるため、物事を客観的に見ることができる。
 だから「清盛は生き急いでいる」と評した。
 兎丸は常に民と共にいる。
 だから民の視点で物事を見られる。
 だからこう叫ぶ。
「ついにイカれたか?」
「何のための泊や!?」
「お前の国造りは、盗賊が物盗むのと同じや!」

 清盛ほどの人物でも、力を持つと自分を客観的に見られなくなるんですね。
 信長しかり、秀吉しかり。
 どんな高邁な理想も変質し、権力は腐っていく。

 かつての清盛はすべてを人の力で乗り切ろうとした。
 厳島神社にお経を奉納に行く時、嵐に遭った清盛は人柱もお経を海に投げ入れることもしなかった。あくまで人の力で乗り越えた。
 しかし、今回は<人柱>を容認する。<人柱>を<さまつなこと>と言い捨てる。
 清盛は変わってしまった。
 その変化の理由のひとつは白河院(伊東四朗)の血ゆえなのか?
 かつて白河院は病に倒れた清盛の夢の中でこう語った。
「今まで見たことのない景色を見るだろう」
 おそらく今回の清盛が見たものが、そのひとつ。
 それは<権力者の孤独>であり<狂気にとらわれていく自分>。
 今回は、兎丸の死が何とか清盛を正常に戻してくれたが、いつ再びズレ出すか?

 最後に禿。
 ぼくは兎丸は泊の普請の際に事故などで亡くなるのだろうと予想していたが、まさか禿とは!
 それから禿の不気味さ。
 自分たちは絶対的に正しい、何をしても許されるという無邪気な<純粋さ>、あるいは洗脳にも似た<自分喪失>、これらは実に不気味だ。
 彼らは完全に人間でなくなっている。
 人間とは、迷い、悩み、疑い、自分の頭で考えながら生きていく存在。
 このことを忘れてはいけないと思う。


コメント (5)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする