平成エンタメ研究所

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MONSTERS~この作品は最初から犯人がわかっている『古畑任三郎』形式にすべき

2012年10月30日 | 推理・サスペンスドラマ
 トリックを見破るミステリー、探偵と犯人が頭脳を競い合うミステリーって難しいんですよね。
 斬新なトリックはそんなにあるものではないし、これだけ視聴者の目が肥えていると探偵が明晰な推理を披露してもどこかツッコミ所が出てしまう。
 最近の『相棒』なども、右京さんが犯人を追いつめる詰めは甘いし、探偵物というよりは警察捜査物になっている。

 さて、『MONSTERS』。
 完全に『古畑任三郎』をねらっている。
 平八(香取慎吾)は明らかに古畑だし、西園寺(山下智久)は今泉君。
 でも、ファンの方はごめんなさい、香取さんの平八は違う感じがするな。
 平八でなく<香取慎吾>が全面に出ているし、変人ぶりも香取さんがどう演じていいか迷ってる感じ。
 山下智久さんも『コードブルー』など一連の主演作が示すとおり、真面目で悩む真摯な青年役の方が魅力を発揮する。
 山下さんにしてみれば、今回の西園寺役で新境地開拓という所か。

 作劇に関してはTBSさんに提案。
 この作品は『古畑任三郎』や『刑事コロンボ』のような<倒述形式>にすべきですよ。
 つまり犯人が最初からわかっていて、探偵役が犯人をジワジワと追いつめていき、最後にトリックを明らかにするという形式。
 第2話だって、大畑幸三(浅野和之)が犯人なのは見え見えじゃないですか。
 これは事件で誰が一番得をするかを考えれば明白。
 秘書の山村省一(山本耕史)を犯人に仕立て上げようとした動機も、大畑の妻との不倫のことを考えれば明白。
 犯人が大畑であることを薄々気づいている平八が、大畑をあの手この手で痛ぶり、翻弄していく方が平八のキャラに合っている気がするし。
 ドラマの方も、もっとムダがなくなり、犯人のトリックをいかに解明するかに集中できる。
 まあ、この作品の制作スタッフとしては、<倒述形式>でやったら完全に『古畑任三郎』の二番煎じになってしまうというプライドがあったのでしょうが。

 第2話の犯人特定手法については『刑事コロンボ』と『古畑任三郎』のエピソードを思い出した。
 探偵が指紋をつけて犯人を断定する方法は『刑事コロンボ』の「二枚のドガの絵」だったかな、コロンボがドガの絵に自分の指紋をつけて犯人を追いつめるということをやっていた。
 風船の色が紫でなく橙(だいだい)に見えたのは、『古畑任三郎』の石黒賢さんのクイズ王のエピソードで黄色のサングラスをつけていたため色が違って見えたという話があった。(この点については「英の放電日記」さんでも同様の指摘をされていた)
 このように現在の探偵物は、2つの作品のエピソードをミックスしなければ成り立たないくらい難しくなっているんですね。



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