平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

風林火山 第33回 「勘助捕らわる」

2007年08月21日 | 大河ドラマ・時代劇
 勘助、景虎の対立図式が興味深い。

 勘助(内野聖陽)は「人」を信じる。
 彼は神仏に心を救われたことはない。
 彼の心を救ったのは晴信(市川亀治郎)であり、由布(柴本幸)だ。
 勘助は主君として晴信を愛し、守るべき女として由布を愛している。
 そして、この3人は堅い絆で結ばれている。
 人と人が信頼と愛情で繋がっていることは、何と幸せなことか。
 その幸せを勘助は知っている。

 一方、景虎(Gackt)。
 彼が信じているのは「毘沙門天」。
 自らを毘沙門天に力を託された者と称する景虎は生身の人間とは一線を画する存在。
 彼は女性を愛さない。侍女として仕える娘を突っぱねる。
 彼は孤独の中にあり、毘沙門天とのみ繋がっている。
 何か事があった時、人の心に答えを求めるのではなく、毘沙門天に答えを求める。
 だから景虎は人のずるさや弱さを許さないし、その背後にある哀しさを理解しない。

 勘助と景虎の対立は、すなわち晴信と景虎の対立でもある。
 晴信も勘助同様、「人」を信じている。
 「人は城、人は石垣、人は堀、情けは味方、仇は敵なり」の言葉通り、人に答えを求める。

 こうした対立軸で人間関係を描いたことは見事。
 今回のラストは人(=晴信)を信じた勘助が、人に救われるという結論となった。
 鉄砲が届かず木に括りつけられ、殺されようとする勘助。
 そこへやって来たのは鉄砲百挺を持ってきた伝兵衛。
 すべて晴信の意思によるものだ。
 今後の甲斐・越後のいくさの中で、どう描かれ結論が出されるか楽しみだ。



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