平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

龍馬伝 第46回「土佐の大勝負」

2010年11月15日 | 大河ドラマ・時代劇
 幕府、大名、侍がなくなる世界。
 そんな世界を土佐藩主・容堂(近藤正臣)が是認するだろうか?
 詰まるところ、自分の持っているものをすべて捨てるということですからね。
 権力者は自分の既得権を守り、権力を手放さない。
 家臣の生活だってある。
 容堂が「大政奉還」を認めたのは、次のような感じではないか?

・幕府が滅びるのは時間の問題。
・土佐も薩長の勝ち馬に乗りたいが、徳川家への恩義もある。
・だから大政奉還。大政奉還を成し遂げることで土佐が政治の主導権を握りたい。
・これにより徳川家が滅びず、国の政治に参加する可能性も残される。

 この方がリアルな権力闘争のように思われる。
 というわけで、僕は今回の話にはノレなかった。
 このあたりを司馬遼太郎さんはどう描いているのだろう。「酔って候」あるいは「最後の将軍」あたりを読んでみようかな。

 ラストの浜辺で空を見上げる龍馬(福山雅治)のシーンはきれいだった。
 大仕事を成し遂げた男の顔。
 今は亡き父親と自分の未来について話した場所でもあった。
 あの父親と話したことがついに実現したのだ。
 幕府を説得しなければならないという難事業は残っているが、後は家族を連れて蒸気船で世界をまわるだけ。

 そして龍馬は坂本家の家督を継ぐと宣言。
 龍馬には権力は似合わない。
 普通の人間なら新政府で実権を持ちたいと思うのだろうが、龍馬にはその発想がない。
 その潔さとさわやかさ。
 でも……!!
 最近、それってどうなのだろう?と思っている。
 今までの世の中の仕組みを壊すだけ壊しておいて、後は知らんぷりの無責任。
 新しい世の中の仕組みとして「船中八策」を書いたが、構想して書くのは簡単、これを形にすることの方が何十倍も難しい。
 というわけで、かつて愛した龍馬が最近色褪せてきている。
 これは「龍馬伝」とは関係がなく、僕の物事に対する見方、考え方が変わったせいなのですが。
 でも、もし龍馬が生きていたら引退などせず、後の戊辰戦争や明治の世を憂いて奮闘していたでしょうね。



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後藤象二郎との友情 (TEPO)
2010-11-15 18:20:32
政治的なリアリズムから見れば、仰るとおり容堂は何らかの「利」によって動いたし、龍馬も-彼は容堂に直接会ってはおらず側近を通じて働きかけたようですが-その線で容堂に働きかけたというところが史実に近いと思います。
本作は「政治」を描かずに「友情」や「共感」の物語に還元してしまう傾向はあるようです。

しかしながら、私は「最初は敵対もしくは緊張関係にあった相手と心通わせる」というモチーフが大好き-『篤姫』は全編その繰り返しだったので私にとっては不朽の殿堂入りです-なので、今回の後藤象二郎に大いに痺れました。
容堂に自分が龍馬を嫉妬していたことを告白し、龍馬と共に腹を切る覚悟で脇差を差し出し、最後にはがっちりと握手。
清風亭の際には渋々の握手だったのが今や龍馬にとって最大の同志、無二の親友となっている。
しかし、清風亭の折り(第40話)にコウジさんが書いておられるように

>後藤が急に賢くなっている。
>今までの後藤の描かれ方って、深謀遠慮も何もない、ただプライドと上士の力をふりかざすだけの男だった。
>今までの描き込みがなかったことが残念。
とは思いますが。
家督より海援隊 (Nolly Chang)
2010-11-15 20:37:15
こんばんは。
「龍馬伝」は司馬遼太郎の「竜馬がゆく」とは一線をかす作品だとは思いますが、司馬作品では、土佐が大政奉還をすすめる決意をした理由を、コウジさんのブログ同様に描いていた記憶があります。恩義のある徳川家の存続と、変革の時代に政治の表舞台に出ていくための政策であると。
しかしながら、私は「龍馬伝」のスタンスにも一理も二理もあると感じました。
武士や大名をなくすことに、既得権力を手にした人間が加担するか否かですが、実際、薩摩と長州は幕府を倒して武家制度をやめ、平民を徴兵して武器をとらせています。
(長州の奇兵隊が原型なのでしょうか)
時代が大きく動き、異国の脅威を目の当たりにし、幕府の脆弱さを知ってしまった人間には、既存の制度そのものを壊し、武士でなくとも、能力あるものが力を出し合っていかなければ未来がないということをもっと肌で感じていたのではないでしょうか。
なので私は後藤象二郎、容堂公、龍馬の会見シーンにしびれました。
あそこで、政治の舞台へ躍り出るためには「大政奉還」を土佐がすすめるべき、なんて政治的打算で話がすすんで手打ちとなったら、シラけてしまいます。
ただ、龍馬が一段落したら坂本家の家督を継ぐって約束するシーンはどうかと。
司馬作品では、一段落したら政治は他のひとにまかせて、自分は海援隊に戻って、世界相手にビジネスしたいと言っていたような。そっちのほうが好きです。

入り込みたかった (コウジ)
2010-11-16 11:51:08
TEPOさん

いつもありがとうございます。
僕もTEPOさんのように龍馬と後藤の友情物語として入り込みたかったです。
でも、今回や40話「清風亭」で書いたように物わかりが良すぎる後藤や容堂にリアリティを感じなくて……。

僕も「篤姫」はすごく評価しているのですが、相手と心通わせることに関してすごくリアリティがありましたよね。
たとえば井伊直弼。
直弼と篤姫は政治的な意見は違いましたが、その意見の相違を越えて、人として理解し合い、心通わせた。
お互いの背負っているものを理解して「お互い大変ですね」みたいな感じで。

ともかく思い込みが先行してしてしまうのはまずいですね。
物語に入り込めなくなってしまいますので。
次回は慶喜の描かれ方が僕にとってのポイントになりそうです。

四民平等 (コウジ)
2010-11-16 12:06:47
Nolly Changさん

いつもありがとうございます。

そうなんですよね、当時の人々が<四民平等>をどれだけ肌で感じていたかがポイントなんですよね。
確かに奇兵隊を作った高杉は<四民平等>を理解していたと思うのですが、桂や西郷はどうであったか?
西郷は神輿を担がれる形でしたが、最期は士族のために戦いましたし、理想あるいはあるべき姿として<四民平等>を頭で理解していたとしても、現実に踏み出せるかというと実に疑問で。
これは僕個人のことなのですが、<理想>を掲げて昨年政権交代した民主党に裏切られたという思いが起因していまして。

それに龍馬の理想を理解したふりをしておいて、自分の権力欲のために使うという容堂の方が権力者を描けていると思うんですよね。
龍馬の限界や悲劇性も伝わると思いますし。

あとは僕も家督よりは「世界の海援隊をやる」龍馬の方が好きです。

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