平成エンタメ研究所

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軍師官兵衛 第9回「官兵衛試される」~竹中半兵衛! あの したり顔が気に入らぬ!

2014年03月03日 | 大河ドラマ・時代劇
 <敵>と<味方>という視点で考えてみる。
 まず、官兵衛(岡田准一)のまわりは<敵>ばかりだ。
 石田三成(田中圭)は官兵衛のことをのんびりした田舎侍とバカにしている。
 竹中半兵衛(谷原章介)は官兵衛の策を「つまらぬ。誰でも思いつく」と一蹴。
 小寺家に帰れば、政職(片岡鶴太郎)は拝謁に行きたがらないし、重臣たちも反対。櫛橋左京進(金子ノブアキ)も官兵衛をおとしめることを考えている。
 そして三木城の別所長治(入江甚儀)と旧敵でもある龍野城の赤松広秀(野杁俊希)は毛利支持派。
 まさに四方は敵ばかり。

 こんな状況下、官兵衛は<味方>を作っていく。
 まずは別所長治の懐柔。
 続いて赤松広秀。
 これで播磨の豪族たちが織田につく。
 しかし、身内に思わぬ敵がいた。
 主君・小寺政職だ。
 だだっ子のように信長との拝謁を拒む政職には、お紺(高岡早紀)も官兵衛の父・職隆(柴田恭兵)も無力だ。
 絶体絶命!
 しかし、思わぬ<味方>が登場した。
 軍勢を連れてやって来た荒木村重(田中哲司)。
 村重は半ば脅しで、政職に拝謁の約束をさせる。
 この村重の行動のバックにいたのは竹中半兵衛だった。
 <敵>だと思っていた半兵衛が実は<味方>だったとわかった瞬間だ。
 絶体絶命の主人公のもとに思わぬ援軍が現れる。
 これほど劇的なことはない。

 <敵>から<味方>へ。
 今回のエピソードには、こうした物語の構造が根本にある。
 主君・小寺政職が<敵>になるか<味方>になるかわからない不安定な存在であることも、物語を面白くする。
 また、今回は<味方>が<敵>になる逆の現象も。
 黒田家の侍女たちだ。
 本願寺門徒である彼女たちは仏敵である織田につく黒田家から離れていく。
 通常なら侍女の動きなど省略されてしまう所だが、しっかり描くことで作品に奥行きが出て来る。
 さりげなく主従関係や夫婦関係を入れている所も作品に妙味を与える。
 それは敵地にいく時の「死ぬ時は一緒」と言った栗山善助(濱田岳)、母里太兵衛(速水もこみち)、井上九郎右衛門(高橋一生)。
 侍女たちが黒田家を去り、「家の中を守れなかった」と謝る光(中谷美紀)。
 この作品には必ず一回、主従関係、夫婦関係の描写がある。

 そしてラスト。
「一文字に三つ星、毛利でございます!」
 <敵><味方>のエピソードに終止符を打つべく<最大の敵>が現れる!

 上手い脚本ですね。
 まさに山あり谷あり。
 しかも<敵><味方>の物語の構図は崩さない。
 テーマの深さは別の問題として、脚本・前川洋一さんは見事なストーリーテラーです。


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4 コメント

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竹中半兵衛と黒田家侍女 (TEPO)
2014-03-03 16:22:02
>上手い脚本ですね。まさに山あり谷あり。しかも<敵><味方>の物語の構図は崩さない。

これまでは素人の私にも「先が読める」展開でしたが、今回は少しハラハラさせられました。ドラマとして本調子に入ったということだと思います。

官兵衛と竹中半兵衛との関係については前から気になっていました。秀吉の軍師・参謀格の知将という点で、俗に言う「キャラがかぶる」関係にあるからです。
学者や芸術家が「あこがれの先輩」に初めて会った時に冷たくあしらわれ、ショックを受けるという話はよくあります。
二人の間に何らかの緊張関係があることは予想していましたが、「ライバル」というには実績面でも秀吉との関係においても半兵衛の方が大先輩。結局、半兵衛は官兵衛にとっての「厳しい師匠」ということのようです。
この関係は今後もおそらく変わることなく、半兵衛は官兵衛に対して甘い態度を示すことは滅多にないが、最後のところでは<味方>である、というところだろうと思います。

>通常なら侍女の動きなど省略されてしまう所だが、しっかり描くことで作品に奥行きが出て来る。

村重が対本願寺戦について語るところで、厳しい表情の侍女たちがアップに映されていた場面で「ああ、彼女たちは門戸なんだな」と分かる明快な伏線でした。
予告編の映像では、彼女たちの一人が鉢巻き姿で登場していました。おそらく一向宗門徒の軍勢に身を投じているのでしょう。
「通常なら省略されてしまう」彼女たちを敢えてクローズアップするからには、そこに何かドラマを作るのでしょうね。
一向宗と言えば、本多正信を離反させるなど、徳川家康をも悩ませた存在でしたから。
宗教 (コウジ)
2014-03-04 09:22:18
TEPOさん

いつもありがとうございます。

半兵衛の描かれ方、上手かったですよね。
官兵衛は優秀なのですが、若さのせいか詰めが甘い。
それを「師匠」がフォローしたという感じでしょうか。

また半兵衛は「(小寺政職に)いつまで振りまわされているおつもりか」と言っていましたが、官兵衛の弱点が政職であることもしっかり見抜いていたんですね。
政職を切り捨てなければ、官兵衛は羽ばたけないことをしっかり理解している。
実に見事な師匠です。

やけに意味ありげなアップが多かった侍女たちは一向宗門徒だったんですね。
僕は毛利のスパイではないかと思って、ヒヤヒヤして見ていました。
今回は顕如がクローズアップされるようですし、一向宗の視点が加わりそうですね。
官兵衛が宗教について考えるきっかけにあるのかもしれません。

Unknown (ロギー)
2014-03-07 19:09:39

実際の小寺政職はどうしようもない馬鹿殿ではなかったようです。
備前と播磨で暴れまわっていた浦上村宗に父親を殺され自身も危ない目に遭いながらも村宗を倒してます。
また、領民の支持も高く氏素性の解らない黒田重隆という浪人を家老に抜擢して、小寺家を播磨国の強豪に押し上げたんですよ。
まあ、最終的に信長を裏切ったのは見誤ったかもしれませんが、裏切る前後の小寺家は織田の支援を満足に受けられない厳しい状況下だったんですよ。
官兵衛を見捨てたのも小寺家とその家臣や領民を守るための非常手段だった気がします。


織田信長はグローバルの象徴だと思います。
ローカルな小寺政職には従来の政治体制を逸脱した信長は恐ろしい化け物にみえた気がします。
個人的に小寺政職は馬鹿殿ではなく官兵衛の理解者だったけど、互いに道をたがえたとか良かった気がします。
史実とフィクション (コウジ)
2014-03-08 07:46:38
ロギーさん

史実を教えていただき、ありがとうございます。
史実とフィクションの間をどう埋めるかは難しいですよね。

僕も<黒田勘兵衛像>は思い描いていたのと違うのですが、<前川洋一版黒田勘兵衛>として愉しんでいます。

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