平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

プリズンブレイク 第5話

2006年11月04日 | テレビドラマ(海外)
 プリズンブレイク第5話。
 キイワードは「イングリッシュ」「パーシー」「フィッツ」。
 マイケルたち脱走仲間にはこの意味は知らされているが、ドラマを見る視聴者にはこの意味を知らされていない。
 これはドラマのクライマックスでその意味を知らせ、見る者をあっと言わせる手法だ。
 さて、その「イングリッシュ」「パーシー」「フィッツ」とは?
 以下、ネタバレ。

 それは刑務所に通じる通りの名前だった。
 壁に穴を開けることのできたマイケルは房から抜け出る。
 そして夕方の点呼。
 マイケルはいない。
 すわ脱走。
 警報が鳴り、パトカーが駆けつける。
 マイケルはどの通りからパトカーが来るかを確認していたのだ。
 結論はフィッツ通り。この通りからパトカーは来なかった。
 これで脱走の際に必要な情報は得られた。
 次は点呼の時にマイケルがいなかった辻褄合わせだが、所長のタージマハルの模型作りのため、所長室にいたという理由をつける。
 マイケルはパトカーの件を確認すると、所長室に移動した。
 マイケルが所長室にいることを許可したのも所長だからすべての辻褄が合う。
 実に大胆不敵で緻密な作戦だ。
 所長室に戻るタイミングが少しでも狂えばすべてが台なしになる。

 同時にドラマを見ている視聴者は見事に騙される。
 点呼に間に合わず、マイケルの脱走がばれてしまったと思うのだ。
 この視聴者を騙す仕掛けには、その前に伏線がある。
 マイケルが脱出ルートを確認するため、最初に房を抜け出した時、時間通りに戻ることができず、同房のスクレがひやひやするのだ。
 結果は何とかマイケルが戻ってきて事なきを得るが、視聴者はこのことを見て知っているから、今回は本当に間に合わなかったと思ってしまう。
 実に見事な騙しの仕掛けだ。
 敢えて視聴者に情報を教えないことでエンタテインメントにする。
 これはそのいい例だ。

 ドラマはこのマイケルの作戦だけでも十分見応えがあるのだが、さらにサスペンスを与える。
 敵が仕組んだマイケルの移送だ。
 マイケルは移送却下の申請を出し、所長も移送を拒んで対抗するが、敵は執拗だ。
 所長の過去の弱みを握って脅迫し、力でマイケルを移送させようとする。
 さすがのマイケルもこれには対抗できなかった様だが、所長がある決心をして移送を免れる。

 そして塀の外では、犯行ビデオが銃声の波形からねつ造であることがわかる。
(映像どおり銃が撃たれたのなら、もっと音は反響していなければならないのだ)
 しかし証拠のビデオが盗まれてしまう。
 マスターテープも保管倉庫が水道管の破裂で水浸しになりダメになってしまう。
 いずれもリンカーンを死刑にしたい敵が行ったことだ。

 今回は
・「イングリッシュ」「パーシー」「フィッツ」
・「移送」
・「証拠ビデオ」
 の3つのプロットを絡ませてドラマを構成した。
 そのどれもが練り込まれていて面白い。
 それを3つも詰め込むとは、さすがサービス精神旺盛なアメリカンエンタテインメントだ。 


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