平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

いだてん 第46回 「炎のランナー」~実現しつつある、まーちゃんの理想! 一方、『沖縄』『広島』という政治的なメッセージも

2019年12月09日 | 大河ドラマ・時代劇
 まーちゃん(阿部サダヲ)、何だかんだ言ってオリンピックに関わってる!

・聖火は沖縄を出発点にして日本全国に。
 その際、沖縄では日の丸を振らせて復帰をアピール。

・最終聖火ランナーは昭和20年8月6日生まれの坂井義則(井之脇海)。
 その意図は、広島・長崎への原爆投下批判だ。
 いわく
「アメリカにおもねって原爆への憎しみを口にし得ない者は世界平和に背を向ける者だ!」
 『いだてん』の公式ツィートに拠ると、田畑政治の手帳に実際に書かれていた言葉だそうです。

・選手村は代々木に完成。
 コンゴの選手がやって来た。
 彼らは箸でアフリカ料理を食べ、耳聞きで再現したコンゴ国歌に喜ぶ。
 きっと忘れられない思い出になったことだろう。
 まーちゃんの理想が実現した瞬間だ。

 とは言え、
 聖火と沖縄、最終聖火ランナーと広島原爆投下には『政治的なメッセージ』が入っている。
 これは『スポーツの政治からの独立』という点ではどうなんだろう?
 おそらくリアルな田畑政治には『いまだアメリカの統治下にある沖縄』や『広島・長崎への原爆投下』への怒りがあったんだろうな。
 当時の日本国民にも同じ思いが根強くあった。
 だから、このふたつには政治を持ち込んでしまった。

 この弊害は、最終聖火ランナー・坂井義則に表れていて、坂井は『原爆の子』として自分が語られることに違和感を抱いていた。
 坂井は実力や実績で最終聖火ランナーに選ばれたわけではなく、『たまたま昭和20年8月6日に広島で生まれた』から選ばれたのだ。
 これはつらいよね。
 彼が『原爆の子』であることに納得して引き受けたのならいいけど、そうでなければ個人の意思を蔑ろにしている。
 これをやったらダメだよ、まーちゃん。

 一方、清々しかったのは選手村でのコンゴ選手のエピソード。
 ここには『政治』が入り込んでいない。
 コンゴの選手たちは遠いアフリカからはるばるやって来て、戸惑いながらも、日本と選手村の生活を楽しんでいる。
 まさに国や人種や民族を越えた国際交流。平和の祭典。
 だから国歌を聴いて喜ぶコンゴの選手と嘉納治五郎(役所広司)の肖像画が映されるシーンはなかなか感動的だった。
 ここでは嘉納治五郎の理想や思いも実現されたのだ。

 というわけで、
 まーちゃんと治五郎先生の思いは結実しつつある。
 だが、金栗四三(中村勘九郎)と五りん(神木隆之介)はいまだ不完全燃焼。
 次回の最終回で四三と五りんの思いが何らかの形で報われるのだろうか?
 志ん生(ビートたけし)も今のままでは中途半端だよなあ。
 現状では単なるオリムピック噺の語り手で、メインのストーリーではほとんど意味をなしていない。

 最後は菊枝さん(麻生久美子)。
「……いつもテレビで見ています」
 平沢(星野源)を前にして眼鏡をはずしお化粧をしている!(笑)
 緊張と眼鏡をはずしているせいで物にぶつかってコケる!(笑)
『時効警察』でもそうでしたが、麻生久美子さん、コメディエンヌですね。
 

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2 コメント

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Unknown (TEPO)
2019-12-09 22:31:37
実に丁寧にコメントされていますね。
コウジさんの本作への愛情が感じられます。
私の感覚ですと、色々なトピックはあるものの淡々と進んでいるといった印象にとどまっていますが。
最終回に向けての課題も、開会式の天気と坂井義則の不調ぐらいなのでしょうか。
マリーさん自身、「真逆が当たり」というマリー占いの特徴をすでに自覚しているようでしたね。(笑)

>だが、金栗四三と五りんはいまだ不完全燃焼。次回の最終回で四三と五りんの思いが何らかの形で報われるのだろうか?
>志ん生も今のままでは中途半端だよなあ。

ストーリーの大枠に関する問題点として、これには全く同感です。

あとは菊枝さん。

>平沢を前にして眼鏡をはずしお化粧をしている!(笑)

余りに出来過ぎの良妻キャラなので、敢えて入れた道化エピソードなのでしょうね。
「Jin」でルロン邸で酔っ払った咲を思い出しました。
効果満点で菊枝さんが益々可愛く感じられるようになりました。
たとえればNHK特集 (コウジ)
2019-12-10 09:24:43
TEPOさん

いつもありがとうございます。

おっしゃるとおり、『いだてん』は「事実の羅列」の面が強いんですよね。
たとえれば、NHK特集で歴史を扱った時のような感じ。

おそらく作家は『ドラマチックなあざとさ』が苦手なんでしょうね。
コンゴの選手と嘉納治五郎のくだりなどはもっとドラマチックに描いてもよかった。
今回、冒頭で市川崑を演じた三谷幸喜さんは「市川崑がオリンピックの記録映像の監督を引き受けるくだりだけでもひとつのドラマがあるから宮藤さんスピンオフドラマを書いて」と語っているそうです。

今作は、さまざまな人物が出入りし、マリーや菊枝さんの小ネタも入れて、ワイワイ、ガチャガチャ、『おもちゃ箱』をひっくり返したような感じ。
来年の大河ドラマは冒頭でつまずき、放送開始日が遅れるようですが、どんなドラマになるのでしょう。

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