平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

真田丸 第38回「昌幸」~ひとりひとりが生きておる。ひとりひとりが思いを持っておる

2016年09月26日 | 大河ドラマ・時代劇
 九度山での蟄居生活。

・高梨内記(中原丈雄)は山菜摘み。
・きり(長澤まさみ)は村の長・長兵衛に菓子を持っていって挨拶。
・佐助(藤井隆)は、あっという間に家を建てる(素っ破ですから・笑)、絵も上手い!(素っ破ですから・笑)
・信繁(堺雅人)はきりと亡き妻・梅(黒木華)の話。
・現在の妻・春(松岡茉優)はこれに嫉妬。
 きりが、「お梅ちゃんもあなたも私みたいに垢抜けていないでしょう? 源次郎さんはそういう人が好みなの」(笑)とフォローするが、障子をぶすぶす(笑)
・兄・信之(大泉洋)は父親たちの九度山の生活を想像して、「何もせぬのは良いこと」。

 皆、それぞれに<現在の生活>と<平和>を受け入れている。
 板部岡江雪斎(山西惇)は信繁に
「眼差しの奥にくすぶっている熾火(おきび)が見える」
 と言っていたが、どうなのだろう?
 信繁には、徳川に反旗を翻す気などない。
 世の中の態勢はすでに徳川であり、自分にそれをひっくり返す力などないことはわかっている。
 人の心は柔軟で、収まるべき所に収まっていくのだ。

 しかし、唯一、くすぶっている男がいた。
 昌幸(草刈正雄)だ。
 彼は自らの戦場での教訓を記した「兵法奥義」をしたため、事あらば<徳川に勝つ方法>を考えていた。
 静かに尖っている昌幸。
 尖っていたと言えば、加藤清正(新井浩文)も尖っていた。
 結果、排除されることに。
 そして、長い歳月は人を変えていき、少しずつ牙を抜いていく。
 それは昌幸も例外ではない。
 村の長・長兵衛に20対50のいくさの仕方を尋ねられても、御法度(=平和な時代の産物)があるから答えるのを避ける。
 教えるのは、孫・大助へのケンカの仕方だけ。
 昌幸はご赦免を願い、故郷の信濃に帰ることを望むようになる。

 そんな昌幸のさまざまな思いが表れたのが、臨終の言葉だ。
「願わくば、もう一度いくさ場に出たかった」
「いずれ必ず豊臣と徳川がぶつかる。その時は、ここを抜けだし、豊臣につけ」
「徳川に勝つ策を授ける」
 策を授けた後は、
「信濃に帰りたかった。上田の城に……」
 一番、最後の言葉が「信濃に帰りたかった」という言葉だったのが泣ける。

 そして、信玄が現れる。
 武田勝頼の最期でも信玄が現れたが、信玄は何を意味するのだろう?
 おそらくは、
・故郷信濃の象徴
・戦国時代の象徴
・若き日の記憶
・志半ばで果てた戦国武将の無念、共感

 さて、くすぶっていた昌幸の熾火は信繁に受け継がれた。
 その炎はまだ小さくて消えそうなものだが、大きく燃え盛るのはいつか?
 その心に点火するのは聡明な豊臣秀頼(中川大志)か?


※追記
 昌幸の次の言葉も深いですね。
「軍勢をひとつの塊と思うな。
 ひとりひとりが生きておる。
 ひとりひとりが思いを持っておる」
 いくさでの心得を述べたものだが、「ひとりひとりが生きておる」「ひとりひとりが思いを持っておる」は人間や社会を見る際に大切な視点。
 価値観がひとつしかない息苦しい社会になりませんように。
 ひとつの価値観しか許されず、それ以外は排除される社会になりませんように。

『ドラマ』 ジャンルのランキング
コメント (2)   トラックバック (9)   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 笑撃、安倍首相はリベラル?... | トップ | 大河ドラマ「平清盛」 再考 ... »

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
女性キャラたちの出番 (TEPO)
2016-09-26 21:57:59
今回は凄まじい早さで時が流れました。

家康の征夷大将軍就任、その期に乗じた恩赦狙いとその挫折。
秀忠への征夷大将軍継承、その期に乗じた恩赦狙いとその挫折。
ついに赦免を諦めた昌幸とその最期。
御館様が馬に乗って迎えに来てヴァルハラへ旅立つところはよかったと思います。
その間に、本多忠勝と加藤清正が相次いで退場-他ブログから「ナレ死」という言葉を学びました-。
清正については三成との密談の伏線が回収されましたが、「家康に秀頼の器量をアピールする」という思惑は裏目に出たようです。

しかし「男たちのドラマ」はたったそれだけ。
そこでコミカルな女性キャラたちの出番。
前回思った通り、彼女たちはこうした場面-つらい場面や味気ない場面-での味付け担当だったようです。

>信繁はきりと亡き妻・梅の話。現在の妻・春はこれに嫉妬。
>きりが、「お梅ちゃんもあなたも私みたいに垢抜けていないでしょう? 源次郎さんはそういう人が好みなの」(笑)とフォローするが、障子をぶすぶす(笑)

ようやく「苦労させられる娘」春の本領発揮ですが、なんと亡き梅が相手の悋気とは-これは勝てない。
昌幸と言葉を交わしたのは信繁の嫡男大助だけでしたが、昌幸臨終の場にはもう一人信繁の娘-おそらく「お梅ちゃん」-がいました。

他にも、粥は食べずとも饅頭はしっかり食べている薫もいました。

次回は関白秀次の遺児たかが信繁の「真の側室」になるため?に呂宋から戻ってくるようで、楽しい一波乱があるかもしれません。
省略の妙 (コウジ)
2016-09-27 07:43:57
TEPOさん

いつもありがとうございます。

>つらい場面や味気ない場面-での味付け担当

この作品で、女性たちは、いいスパイスになっていますよね。
皆、世の中の流れに左右されず、自分の理屈で動いている。
真に強き者は、女性。
それと、皆が春や薫のように生きていれば、戦争なんか起きませんよね。
たかはたくましくなって帰って来そうですね。
果たして、春やきりはどのようなリアクションをするのか?

「ナレ死」と「凄まじい早さの時」は、作品にテンポを与えていますよね。
・だらだらと描くよりはテンポを重視したい。
・描きたいことのメリハリをつける。
・大仰な死よりは日常を描きたい。
そんな作家の意図が伝わってきます。
今作の特徴は<省略>ですよね。
それが本当に上手い。
「ナレ死」でも、それまでに人物をしっかり描いているので、視聴者はその死をいろいろ想像できるんですよね。
清正なんかは、無念と心配の中で、死んでいったに違いありません。

コメントを投稿

大河ドラマ・時代劇」カテゴリの最新記事

関連するみんなの記事

9 トラックバック

真田丸「昌幸」 (のほほん便り)
タイトルから、ずっと存在感を放った、昌幸(草刈正雄)の最期は覚悟してたのですが、その最後の十年を描きつつ、本多忠勝(藤岡弘、)、加藤清正(新井浩文)までが、名物になっ......
【真田丸】第38回 「昌幸」 感想 (ドラマ@見取り八段・実0段)
紀州九度山村に幽閉となった昌幸(草刈正雄)と信繁(堺雅人)ら一行。 昌幸は信之(大泉洋)を通じ何度も赦免を願い出るが、家康(内野聖陽)はそれを無視して着々と天下取りを......
大河ドラマ「真田丸」第38回 (日々“是”精進! ver.F)
信濃に帰りたかった…。 詳細レビューはφ(.. ) http://plaza.rakuten.co.jp/brook0316/diary/201609250001/ NHK大河ドラマ 真田丸 オリジナル・サウンドトラック 2 [ 服部隆之 ]
真田丸 第三十八回「昌幸」 (事務職員へのこの1冊)
第三十七回「信之」はこちら。今日はタイトルどおり真田昌幸(草刈正雄)の最期。九度山に蟄居させられてからの十年を一気に。この大河をこれまでリードしてきたのは草刈正雄。......
大河ドラマ「真田丸」真田家存続への戦い38昌幸死す・・・死に際に信繁に秘策を授け...... (オールマイティにコメンテート)
大河ドラマ「真田丸」第38話は九度山に幽閉された昌幸と信繁は何度も赦免を願い出るも家康は死ぬまで解くつもりはないという腹だった。そんな中で信繁には大助と娘が誕生し何も......
真田丸 第38回 (レベル999のgoo部屋)
『昌幸』「さらば!昌幸」内容信之(大泉洋)らの助命嘆願により、昌幸(草刈正雄)信繁(堺雅人)らは、紀州九度山へ幽閉処分となった。春(松岡茉優)や、高梨内記(中原丈雄)......
大河ドラマ「真田丸」 #38 昌幸 (雨ニモマケズ 風ニモマケズ)
あっという間に関ヶ原、 あっという間に昌幸が。
真田丸 第38話「昌幸」 (昼寝の時間)
公式サイト 紀州九度山村に幽閉となった昌幸(草刈正雄)と信繁(堺雅人)ら一行。昌
【真田丸】第38回「昌幸」感想と視聴率 (ショコラの日記帳・別館)
副題「昌幸」新聞ラテ「さらば!昌幸」第38話の関東の視聴率は、前回の17.3%よ