平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

西郷どん 第6話 「謎の漂流者」~「おっ母へのLOVEぜよ」 土佐弁と英語が混じっているのが心地いい。薩摩弁もゆったりしてて気持ちいい。

2018年02月12日 | 大河ドラマ・時代劇
 牢に入れられた吉之助(鈴木亮平)。
 斉彬(渡辺謙)の真意は何か?
 その答えは、〝ジョン万次郎(劇団ひとり)の真意を探る〟でした!
 吉之助は斉彬にジョン万次郎が来た目的を探るように言われて牢に入った。

 なるほど。
 そういうことだったのか。
 僕は〝大人の身の処し方を吉之助に教えるため〟だと思っていたよ。
 深読みしすぎた。

 考えてみれば、脚本の中園ミホさんって〝シンプルな作風の作家さん〟なんですよね。
 人間の複雑さや深い業などは描かない。
『ドクターX』なんかもそうだが、登場人物は、型にハマったステロタイプが多い。
 だから『直虎』の小野政次のような複雑な人物は決して登場しないだろうし、『平清盛』のような人間の深い業も描かれないのだろう。

 シンプルさはストーリーテリングなどにも言えて、
 今回も、
・ジョン万次郎→LOVEについて学ぶ→糸(黒木華)の告白。
・ジョン万次郎→国の底力は学び→西洋の技術の取得。
・ジョン万次郎→ミッションの達成→許される大久保一家。
 というスムーズな話の展開。

 話がわかりやすいんですよね。
 一応、ストーリーは3本柱になっているんだけど、すべては〝ジョン万次郎〟で始まっている。
 同時進行する3本のストーリーが途中で絡み合うことはない。

 さて、このシンプルさ、わかりやすさが吉と出るか、凶と出るか?
 大河ドラマに深さを求めている視聴者には物足りないだろう。
 あまり政治的な面は描かないみたいですしね。
 複雑な政治的な面よりは、恋愛や親子愛を描く方がメインの様子。
 一方、構成はしっかりしていて、物語の破綻やムダな人物が多数登場する〝人物のインフレ状態〟はなさそう。
『直虎』のインフレ状態はすごかった。
 …………

 最後はせりふ。
 耳に心地いいですね。

「おぬしや大久保の力が必要になる日が必ず来る。それまで精進して待て!」

 ビシッ! と一発で決まりましたね。

「おっ母へのLOVEぜよ」

 土佐弁と英語が混じっているのが、とても新鮮!

「正助どんの方が良か男じゃ」
「わたしは間に合いもはんじゃした」
「糸さぁ、お幸せに」

 薩摩弁って、ゆったりしていていいですね。

 この作品は深読みせず、時代劇感覚で楽しむことにします。


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4 コメント

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「恋バナ」大河 (TEPO)
2018-02-12 15:57:01
>話がわかりやすいんですよね。

何と、私のど素人展開予想が的中してしまいました。
たしかにこれが中園さんの個性なんですね。

>あまり政治的な面は描かないみたいですしね。

彼女はおそらく政治や歴史の描写はお得意ではないのでしょう。
「重い年貢にあえぐ農民」のイメージはステレオタイプ。
しかし、「水戸黄門」などの「私腹を肥やす悪代官」のような存在がないとなると、かつてコウジさんご指摘のように、軍事研究に資金を費やす斉彬に責めが及びかねないところにまでは思いが至らない。

>複雑な政治的な面よりは、恋愛や親子愛を描く方がメインの様子。

やはりこれでしょうね。
主人公が主人公なので「政治」をまったく描かないわけにはゆかないでしょうが、「政治」はあくまでも主人公とその周辺の人々が置かれる「状況」の要因でしかないのでしょう。
「政治」の描写はステレオタイプであっても、大きな破綻を来していないならばそれでよし、とすべきかと思います。

同じ時代、同じキャラが登場するので、どうしても「翔ぶがごとく」と比較してしまいます。
こちらは司馬遼太郎原作なので史実を踏まえ、政治に対する作者なりの見方もしっかりしていたのだと思いますが、なんとなく「暗い」印象がありました。

これに対して、本作の良さは「明るさ」にあるように思います。

「恋バナ」ドラマとして振り返って見ると、しっかりと計算されていたことが分かります。

史実(年齢差)を無視してヒロイン(OPで二番目に登場する女性)糸の主人公吉之助への「初恋」を描いたのは一つの冒険だったと思います。
男装場面を含めて渡邉このみ嬢の好演が印象的で、私はこの設定は悪くないと思いました。
しかしながら、史実の展開と折り合うためには、この「初恋」については不可避的に(一時の)「別れ」・「失恋」を描かなければなりません。
この「別れ」をじめじめしたものにしないためには、ここ数回で描かれてきた「超鈍感男吉之助」という喜劇仕立てにするのは「必然手」だったのではないかと思います。
Unknown (ロギー)
2018-02-12 19:46:55
今回の話は最初から最後までジョン・万次郎が核となってましたね。
異国を知っている万次郎が西郷たちに新しい活路を見出すのは新しい時代の始まりを象徴してますね。
実際に斉彬が斉興派を粛清したり、自分を支持した連中の復権をしなかったのは、報復の連鎖を食い止めて薩摩藩の混乱を最小限に抑えるためだったようです。
良くも悪くも調所事件は後々まで響いたんでしょうね。

もっと複雑な話を予想してた自分としては残念です。
特に吉之助の遣韓論や私学校を作る話とかは面白いですからね。
しかし、故郷の母にあいたい為に死を覚悟の上で密入国で帰国した万次郎の必死な想いに吉之助が気づいて理解する展開をみて、シンプルだからって安易に切り捨てずに長い目でみる価値はある作品だと思います。

糸の告白で吉之助は彼女が好きな男は自分だと気づいてびっくりしてましたけど。
本当に吉之助の鈍感さには一言言いたくなります。
自分のことを好きだと言う婦女子のために何か気の聞いた言葉くらいはいって欲しかったです。
それなのにただ呆然とびっくりして、糸が可愛そうですよ。
明るさ、明快さ (コウジ)
2018-02-12 19:53:26
TEPOさん

いつもありがとうございます。

当りましたね!
TEPOさんの予想どおりになりました!
こんなふうに視聴者に予想させてしまう所が本作なんですよね。
「水戸黄門」のように流れが読めてしまい、捻ったとしても今回の牢屋のエピソードのような捻り方なので、見ている方は気楽に見ていられる。

「明るさ」も、おっしゃるとおり、本作の特徴で、お由羅などは、深く掘り下げればとんでもない憎しみの対象になるのにそれをしない。
次回の篤姫エピソードも明るいものになりそうですし、母親の死も定番どおりになりそう。

比べれば、『花燃ゆ』は本当に暗かった。
松陰の蟄居や牢屋のシーンが前半のほとんどでしたし。
ところが、本作は大久保の蟄居も吉之助の牢屋も結構あっさり。

類似作品は『篤姫』でしょうか。
あの作品も、夫婦や親子の物語がメインで、政治色は薄かったですし。
重さのさじ加減 (コウジ)
2018-02-12 21:33:12
ロギーさん

いつもありがとうございます。

斉彬の行動は、
>報復の連鎖を食い止めて薩摩藩の混乱を最小限に抑えるためだった
んですね。
「まだ、厄介なことが残っている」というせりふがそのことを物語っていましたが、今回は匂わす程度で終わらせていましたね。

>もっと複雑な話を予想してた自分としては残念です。
僕も同意見です。
話としては、ちょっと浅いかな~という感じです。
とはいえ、西郷が歴史の表舞台に出てくれば、嫌でも権力闘争や陰謀や戦争を描かざるを得ず、どのくらいのさじ加減で描いてくるか楽しみですね。

吉之助の鈍感さに関しては、TEPOさんがおっしゃってるとおり、ジメジメしたものにしないためなんでしょうね。
これで吉之助も気づいていたら、糸はもっとつらい。
何て鈍い人なの? という苦笑では済まなくなる。
この重さを避けたんでしょうね。
ただ、もう少し気のきいたことを言ってほしかったのも確か。
でも、気のきいたことを言えばウソになってしまう気もしますし、「糸さぁ、お幸せに」が限界なのかもしれません。

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