平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

西郷どん 第13回 「変わらない友」~忘れもんをした。おはんじゃ、大久保正助を忘れてきた

2018年04月09日 | 大河ドラマ・時代劇
 大久保正助(瑛太)は自負心が強く、プライドが高い。
「おいはおいの力で江戸に行く」
 と、吉之助(鈴木亮平)の助力を断り、怒るのだ。
 吉之助は善意と正助の能力へのリスペクトから殿に進言したのに、「上から見下ろしている」と感じてしまう。

 これは劣等感の裏返しでもある。
〝殿の覚えめでたき吉之助〟
〝江戸での大活躍〟
 下級武士で薩摩の片隅にいた正助がこれを羨み、劣等感を抱いても仕方ない。
「(吉之助が)遠いところに行ってしもうた」
 とも語っていた。

 さまざまな思いが入り乱れる正助。

 実に人間的ではあるけれど、もう少し柔軟であってもいい気もするなぁ。
 妻の満寿(美村里江)が同じようなことを言っていたが、
〝道を拓くために、他人の善意に甘える〟
〝感謝しつつ他人をどんどん利用する〟
〝他力本願で世の中を渡っていく〟
 そんな気持ちを持てれば、もっと楽に生きられるのに。

 斉彬(渡辺謙)だって、老中・阿部正弘(藤木直人)や近衛忠煕(国広富之)を信頼関係を築きつつ利用している。
 大事をなすにはこれだよ、正助どん。
 ちっぽけなプライドなど捨ててしまえ。

 そして、こうした夫の弱点を見抜いた妻・満寿は聡明。
 きっと良い奥さんになるのだろう。
 ………………

 もっとも吉之助が変わったことも確か。

 彼の中に〝国〟の意識が芽生えてきた。
 以前は、地べたの〝生活者の視点〟だったのに、弟妹の内職を見ても昔のような痛みや申し訳なさを感じていない様子。
 やはり吉之助は「遠くに行ってしまった」のだ。

 斉彬の教えもしっかり吸収しているようで、薩摩の西洋化やフランスから軍艦を買うことについて問われ、
「大切なのは戦うことではなく、異国と対等につき合うこと」
 と即座に解答できる。

 これは成長である。
 でも一方、
 いくら産業振興で薩摩が豊かになったとはいえ、フランスから軍艦を買えば、その分、民の生活にしわ寄せが来るんですけどね。
 フォトグラフもぜいたくと言えばぜいたく。

 最後は将軍・家定(又吉直樹)。
 篤姫(北川景子)と初対面した時の言葉が、
「丈夫か? 死なぬか?」

 家定は生命を慈しむ気持ちが強いようだ。

コメント (4)
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