「プリマダム」第3回は見事なシナリオ。
第3回目の冒頭の状況はこう。
万田佳奈(黒木瞳)はバレエをやりたがっている。
夫・高太郎(古田新太)はバレエをやることに反対している。
そんなふたりがラストではこんな会話を交わすのだから。
佳奈「私、バレエをやめる。最後のレッスンをしてやっと吹っ切れたわ」
高太郎「もっとちゃんと踊れるようになれ。あれじゃモスラーだ」
冒頭の状況とは全く正反対のことをそれぞれが言っている。
こんな言葉が出た背景には佳奈・高太郎の次のような思いがある。
佳奈……バレエをやって自分は家族を犠牲にしてしまった。
家族のためにバレエをやめる。
高太郎…妻がやっと見つけた生きがいを奪うことはできない。
お互いがお互いを思いやって出た言葉。
だからこの夫婦はいい夫婦だと思うし、ホンワカする。
「功名が辻」も夫婦を描いた作品だが、その会話はひねりがなくストレートだからつまらない。
「千代は一豊様と生きるのも死ぬのもいっしょでございまする」
「わしもじゃ」
と言った所で、視聴者は1回目は共感しても、2回目は「ああ、そう」と思ってしまう。
だから、このシナリオはお見事!
★研究ポイント
ドラマの作り方:冒頭と反対のことをお互いが言っている。
★名セリフ
今回はドキドキする会話がいっぱいだった。
・バレエに反対する高太郎、新聞記事で熟年離婚の記事を読んでいる。
そこへ佳奈が来て「大事なお話があります」
・佳奈から出た大事な話とはバレエをどうしてもやりたいということ。
そこでこんな会話。
高太郎「たかがバレエ、そんなものやめてしまえ」
佳奈「たかがバレエなら、どうしてそんなに目くじら立てるの?」
高太郎「レッスンの金はどうするんだよ?」
佳奈「それは教室を掃除する掃除代で払っているから」
高太郎「そんな金があるんだったら老後の資金にしろ」
佳奈
「こうしてまで私、あなたにお願いしたことある?一生のお願い!絶対迷惑はかけない。ね?……私にバレエやらせて!」
高太郎の意見に佳奈がこれだけ反論すると、佳奈の懸命さが伝わってくる。
・結局、家事をおろそかにしないことで認めてもらう佳奈は嬉しくてしょうがない。
そこで出たのがこんな会話。
佳奈「ありがとう。コウちゃん」
高太郎「コウちゃん呼ぶな」
佳奈「独身の時はそう呼んでたじゃない」
高太郎「完全におばさんの自覚なくしてる」
回想シーンがなくても、独身時代のふたりが目に浮かぶよう。
実に見事な会話だ。
・吉村夏芽(高岡早紀)のことで帰るのが遅くなってしまった佳奈に
高太郎「約束どおりバレエやめるんだな」
佳奈「話くらい聞いてよ」
娘「続けさせてあげてよ。まだイエローカード一枚じゃない」
・「バレエをやめないのなら離婚だ」という高太郎に佳奈は「わかりました」と一言。
翌日、バレエをする佳奈を見て「俺よりバレエをとるつもりか……」
・ファーストフードでバレエをする妻をバカにされて
高太郎
「俺の女房をバカにすんなッ!!お前らもウチのやつの事、公害だと思ってるんだろ。ああ見えてなぁ、いい所だってあるんだよ!今はおばさんだけどな、初めてあった頃は 『学食のマドンナ』って呼ばれてたんだ!あいつは、朝から晩まで働きづめでも、一言も愚痴を言わずに俺の女房やってるんだよ!!」
・夏芽(高岡早紀)がバレエについて一言。
「私バレエに恋している。毎朝目が覚めるとバレエのことを考えているから」
★ディティル
倉橋嵐子の浮世離れシーンは毎回入れるようだ。
前回はピザ屋にサインを求められていると勘違い。
今回はファーストフードで注文を聞きにくるのを待っている。また支払いもカードで。
★追記
「バレエをやるとイキイキしてくる」がサブプロット。
バツイチの夏芽は娘の冬美に言われる。
「男に声をかけられるようになってよかったじゃない。お友だちもできたみたいだし」
保険の外交員だったが、食事に誘われて口紅を買ったり。
第3回目の冒頭の状況はこう。
万田佳奈(黒木瞳)はバレエをやりたがっている。
夫・高太郎(古田新太)はバレエをやることに反対している。
そんなふたりがラストではこんな会話を交わすのだから。
佳奈「私、バレエをやめる。最後のレッスンをしてやっと吹っ切れたわ」
高太郎「もっとちゃんと踊れるようになれ。あれじゃモスラーだ」
冒頭の状況とは全く正反対のことをそれぞれが言っている。
こんな言葉が出た背景には佳奈・高太郎の次のような思いがある。
佳奈……バレエをやって自分は家族を犠牲にしてしまった。
家族のためにバレエをやめる。
高太郎…妻がやっと見つけた生きがいを奪うことはできない。
お互いがお互いを思いやって出た言葉。
だからこの夫婦はいい夫婦だと思うし、ホンワカする。
「功名が辻」も夫婦を描いた作品だが、その会話はひねりがなくストレートだからつまらない。
「千代は一豊様と生きるのも死ぬのもいっしょでございまする」
「わしもじゃ」
と言った所で、視聴者は1回目は共感しても、2回目は「ああ、そう」と思ってしまう。
だから、このシナリオはお見事!
★研究ポイント
ドラマの作り方:冒頭と反対のことをお互いが言っている。
★名セリフ
今回はドキドキする会話がいっぱいだった。
・バレエに反対する高太郎、新聞記事で熟年離婚の記事を読んでいる。
そこへ佳奈が来て「大事なお話があります」
・佳奈から出た大事な話とはバレエをどうしてもやりたいということ。
そこでこんな会話。
高太郎「たかがバレエ、そんなものやめてしまえ」
佳奈「たかがバレエなら、どうしてそんなに目くじら立てるの?」
高太郎「レッスンの金はどうするんだよ?」
佳奈「それは教室を掃除する掃除代で払っているから」
高太郎「そんな金があるんだったら老後の資金にしろ」
佳奈
「こうしてまで私、あなたにお願いしたことある?一生のお願い!絶対迷惑はかけない。ね?……私にバレエやらせて!」
高太郎の意見に佳奈がこれだけ反論すると、佳奈の懸命さが伝わってくる。
・結局、家事をおろそかにしないことで認めてもらう佳奈は嬉しくてしょうがない。
そこで出たのがこんな会話。
佳奈「ありがとう。コウちゃん」
高太郎「コウちゃん呼ぶな」
佳奈「独身の時はそう呼んでたじゃない」
高太郎「完全におばさんの自覚なくしてる」
回想シーンがなくても、独身時代のふたりが目に浮かぶよう。
実に見事な会話だ。
・吉村夏芽(高岡早紀)のことで帰るのが遅くなってしまった佳奈に
高太郎「約束どおりバレエやめるんだな」
佳奈「話くらい聞いてよ」
娘「続けさせてあげてよ。まだイエローカード一枚じゃない」
・「バレエをやめないのなら離婚だ」という高太郎に佳奈は「わかりました」と一言。
翌日、バレエをする佳奈を見て「俺よりバレエをとるつもりか……」
・ファーストフードでバレエをする妻をバカにされて
高太郎
「俺の女房をバカにすんなッ!!お前らもウチのやつの事、公害だと思ってるんだろ。ああ見えてなぁ、いい所だってあるんだよ!今はおばさんだけどな、初めてあった頃は 『学食のマドンナ』って呼ばれてたんだ!あいつは、朝から晩まで働きづめでも、一言も愚痴を言わずに俺の女房やってるんだよ!!」
・夏芽(高岡早紀)がバレエについて一言。
「私バレエに恋している。毎朝目が覚めるとバレエのことを考えているから」
★ディティル
倉橋嵐子の浮世離れシーンは毎回入れるようだ。
前回はピザ屋にサインを求められていると勘違い。
今回はファーストフードで注文を聞きにくるのを待っている。また支払いもカードで。
★追記
「バレエをやるとイキイキしてくる」がサブプロット。
バツイチの夏芽は娘の冬美に言われる。
「男に声をかけられるようになってよかったじゃない。お友だちもできたみたいだし」
保険の外交員だったが、食事に誘われて口紅を買ったり。