平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

異常犯罪捜査班 S.F.P.D

2006年04月09日 | テレビドラマ(海外)
 「異常犯罪捜査班 S.F.P.D」第2話は推理ドラマの作り方の基本を教えてくれる。

★犯行現場からのアプローチ
 陶芸家マギー・シャーウッドが殺された。
 目をえぐり取られまぶたを縫合されて。
 捜査官ジャックとカーターは状況からこう犯人を追いつめていく。

 まずマギーは視覚障害者だった。
 そう判断した理由はこうである。
  ・家具のない広い部屋 
  ・陶芸の窯の上でコーヒーのプラスチック容器が溶けていた。
   (彼女はそこが窯の上だとわからなかった)
  ・彼女の飼っていた犬は盲導犬だった。
 ジャックたちは、交通違反を取り締まる監視カメラに映っている男を不審に思う。
 彼はずっとそこにいて、マギーの家を伺っていたのだ。
 そしてカーターは言う。
 「どうして彼は喫茶店からでなく、立ってマギーの家を見ていたんだろう?」
 カーターの言うとおり、マギーの家の近くにはオープンテラスの喫茶店があった。
 ジャックは男がいた場所からマギーの家までの距離を歩幅で測る。
 75メートル。
 ストーカーの接近禁止命令の距離だ。
 男はマギーの元恋人ジェフ。
 彼は別れた後もマギーにつきまとい、接近禁止命令を裁判で受けていたのだ。
 これで彼らは第1容疑者にたどり着いた。
 彼の家はマギーを撮った写真でいっぱいであり十分に疑わしかったが、その真剣な供述でジャックはシロだと判断する。
 再び犯人を追うジャックたち。

★動機からのアプローチ
 ジャックたちは犯人の動機を考える。
 やはりえぐり取られた目がポイントである。
 そしてマギーは角膜手術を受けていたことがわかる。
 「生命の尊厳を大事にする人間の犯行?」
 ジャックはこう考える。
 「目玉自体が憎かった」

 同じ頃、腹を同じように縫合された死体が発見される。
 検死をしてみると、肝臓がなくなっており、同じく肝臓移植手術を受けていた。
 犯人は「肝臓が憎かったのだ」
 現場を調べてみると、肝臓がバーベキューの釜で焼かれていた。
 それはマギーの時も同じだった。彼女の目も陶芸の窯で焼かれていたのだ。

 まもなく目と肝臓の臓器提供者がわかる。
 ヘンリーという悪党だった。
 ヘンリーはひき逃げで殺され、母の意思で臓器提供を行ったのだ。
 犯人はヘンリーの被害者。
 憎さがつのり、その臓器までを憎いと思うようになっていたと類推するジャックたち。
 ヘンリーの被害者リストを当たり、ヘンリーの臓器を提供された11人の人間を守るように手配する。
 果たしてジャックらはヘンリーに子供を殺され(しかも証拠不十分でヘンリーは無罪)た女サラをリストアップする。
 そしてサラの家に行くと、解剖学の本や臓器を提供された人間たちの行動表、子供が殺された新聞記事などが発見される。

 あとはサラを探すだけだ。
 サラの家から、焼かれた皮が発見され、もはやサラが皮膚提供者の所に行っていないことはわかる。
 残りの人間はすべて無事だということが電話でわかる。ひとりを除いて。
 彼の妻は電話に出て「夫は出張に行っている」と言った。
 カーターが気づく。
 「彼は独身で妻はいない」
 ふたりは駆けつけ、サラの犯行を阻止した。
 サラは言う。
 「あいつは中で生きているわ。彼は私の子供を奪った。私は母になりたかった」

★研究ポイント
 推理ドラマの作り方

★追記
 冒頭のシーンでマギーの盲導犬に女がエサを与えるシーンがある。
 これは伏線。
 女はもちろんサラ。
 エサをあげたから犬はマギーの家でもサラの与えたエサを食べ、サラは吠えられることなく犯行を行えたのだ。
コメント
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