尾崎放哉の句を幾つか
咳をしても一人
なんと丸い月が出たよ窓
松かさそつくり火になった
とつぷり暮れて足を洗つている
墓のうらに廻る
いれものがない両手でうける
放哉の自由律俳句。何度読んでも寂しい孤独感をもらうことになる。こんなに僕は今健康だというのに。このさすらいの俳人は享年42歳。この放哉役を渥美清がやりたかったらしい。しかし、トラさんのイメージが邪魔した。残念だったろう。酒を飲むと始末におえない放哉のようだった。吉村昭が「海も暮れきぬ」で墨画のように生涯を描いている。電子ブックの「青空文庫」では彼の句集全部読むことができる。
すばらしい乳房だ蚊が居る
はるの山のうしろからけむりが出だした
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます