Enoの音楽日記

オペラ、コンサートを中心に、日々の感想を記します。

ルイージ/読響

2017年08月29日 | 音楽
 パソコンが8月25日(金)夜からインターネットにつながらなくなった。こうなるともうお手上げ。電話でプロバイダーその他の指導を受けながらあれこれやってみたが、結局だめなので、買い換えることにした。

 週末には8月24日(木)のファビオ・ルイージ/読響の演奏会の記録を書くつもりだったが、それができず、また8月27日(日)にはびわ湖ホールが制作した「ミカド」を観たが、その記録を書くこともできなかった。新しいパソコンが届いたので、遅ればせながら、それぞれの記録を書き留めておく次第。

 ルイージは今回が読響初登場。巷間何やら噂が流れているようだが、その真偽はさて置き、この演奏会にはルイージと読響それぞれの尋常でない気合の入り方が感じられた。お互いに高度なプロ同士の‘対決’といっては語弊があるが、それぞれの能力の限りを尽くし、またお互いの能力を試しているような気配があった。

 1曲目はリヒャルト・シュトラウスの交響詩「ドン・ファン」。勢い込んで始まった演奏は、テンポのメリハリがはっきり付けられ、とくにテンポを落した部分が、ぎりぎりまで歌い込まれた。だがわたしは、全般的に少し硬さを感じた。それは初顔合わせの故かと思った。

 2曲目はハイドンの交響曲第82番「熊」。弦の編成を12型に縮小して(「ドン・ファン」は16型)、軽く暖かい音色を出していた。その音色でルイージ持ち前の快い音楽の推進力が発揮された。第4楽章の低弦のドローン音型も、けっして強調されず、軽いアクセントを伴って、心地よく音楽を進めた。

 3曲目はリヒャルト・シュトラウスの交響詩「英雄の生涯」。冒頭のテーマが深々と厚みのある音で鳴り響いた。ハイドンの音とは180度違う音。ルイージと読響とがいろいろな音を試しているようだった。

 この曲では「ドン・ファン」のときに感じた硬さがなく、雄弁な演奏が展開された。この曲の標題的な側面には拘泥せず、オーケストラ書法の見事さを見据え、そこにルイージも読響も共感しているような演奏。そこからお互いへの信頼感が芽生えていることも感じられた。

 「英雄の戦い」の後半から「英雄の業績」にかけてのシュトラウス作品のテーマの引用が克明に描かれた。また要所要所でのハープ2台の効果も明瞭に出た。なお曲の最後は静かに終わる初演版での演奏だった。
(2017.8.24.東京芸術劇場)

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