Enoの音楽日記

オペラ、コンサートを中心に、日々の感想を記します。

旅の前後に起きたこと

2014年02月11日 | 音楽
 今回の旅は現地5泊の旅だったが、その前後に(わたしとしてはショッキングな)二つの出来事があった。

 まず出発直前に読響の元常任指揮者ゲルト・アルブレヒトが亡くなった。亨年78歳。まだ若い。わたしは昔、読響の定期会員だったが、長らく退会していた。でも、アルブレヒトの時代になって、プログラムの変化に注目した。ためしに聴きにいったら、昔の読響とは思えないほど変わっていた。驚いて定期会員に復帰した。ツェムリンスキーの「夢見るゲルゲ」やヤナーチェクの「運命」などは一生忘れそうもない貴重な経験になった。

 もう一つ、ドレスデンで観たオトマール・シェックの「ペンテジレーア」は、わたしがもっとも衝撃を受けたオペラの一つだ。ハインリヒ・フォン・クライストの戯曲も傑作だが、シェックの音楽にも異形の相貌があった。タイトルロールのイリス・フェルミリオンに感動し、またアルブレヒトの指揮にも圧倒された。

 そのアルブレヒトの訃報に接し、とりとめのない想いを巡らしながら、翌朝、旅に出た。

 旅行中はテレビ(NHKワールド)で関東地方の大雪のニュースを見ながら、帰国便が飛ぶかどうか心配した。幸い、出発時間は11:30→17:00へ大幅に遅れたが、無事飛んでくれた。昨日、帰宅して、久しぶりにパソコンを開いたら、ゴーストライター事件が起きていた。事情がよくわからないので、今日、週刊文春を読んでみた。

 わたしの場合は、いつだったかK氏のエッセイで佐村河内氏を知り、自叙伝「交響曲第一番」(講談社)を読んだ。2010年4月にはO氏指揮/東響による東京初演(第1楽章と第3楽章のみ)を聴きにいった。第2楽章も聴いてみたくなって、同年8月のA氏指揮/京響による全曲演奏も聴きにいった。最近になってテレビでも取り上げられ、全国ツアーも組まれるようになって、興味が薄れてきた。

 そんななかでのこの事件、わたし自身は「見事にだまされた!」と笑って済ませたい気分になった。べつにだれかを傷つけたわけでもないし、たいした事件ではないのではないか、と思った。ネット上では熱い意見が飛び交っている。わたしが共感したのは、吉松隆氏の一連のご意見だった(↓)。

 昨日はCDで「ソナチネ」を聴き直した。フィギュアスケートの高橋大輔氏が使う予定の曲だ。いい曲だと思った。この事件を知った今でもそう思った。以前、初めて聴いたときもそう思った。変わらない感想をもてたことが嬉しかった。

↓吉松隆氏のブログ
http://yoshim.cocolog-nifty.com/tapio/2014/02/index.html

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2 コメント

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Unknown (よしみ)
2014-02-15 11:00:13
Enoさんが、ゴーストライターの件をブログに書いて下さったので、興味深く読ませていただきました。
私はこの方の作品に触れたことがなかったのですが。作曲、音楽について考える機会となっています。
作曲家の眼差し、流石にきちんと見れられているなと思いました。若い作曲家のコメントが面白かったので、(ご存知かも)お知らせしたくなりました。お金の問題にすり替わっている感じもしますが・・。
http://nishizawakenichi.blogspot.jp/2014/02/blog-post.html
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Unknown (Eno)
2014-02-15 13:16:08
よしみ様
おひさしぶりです。
西澤氏のコメントをご紹介いただき、ありがとうございます。
ひじょうによくわかります。
この方のように、自分の問題としてとらえているコメントを読むと、ホッとします。
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