アチャコちゃんの京都日誌

あちゃこが巡る京都の古刹巡礼

496 アチャコの京都日誌 平安京天皇史 平安京 第26代 崇徳天皇

2019-01-12 16:26:03 | 日記

㉖ 平安京 26代 通算75代 崇徳天皇

 「崇徳天皇」の画像検索結果

在位 1123年~1142

業績(事件) 保元の乱

父 鳥羽天皇(実は白河上皇) 

別称  大魔縁・讃岐院

死因  憤死

御陵  白峯陵

宝算  43歳

 

遂に、日本歴史上最大の怨霊天皇にたどり着く。保元平治の乱の後怨霊になる。まずこの天皇の不可思議な生い立ちから紹介する。その詳細は、渡辺淳一氏の小説 「天上紅蓮」に詳しい。さて、上方落語のネタに有名な「崇徳院」というのがある。
『大阪の大店の若旦那、丁稚を連れて生玉(いくたま)神社に参詣。茶店で出会ったお嬢さんに一目ぼれ。純情な若旦那、そのまま恋病の床についてしまう。親にも言えない恋患い、しかし、出入りの熊さんには事情を話すという若旦那。でも、お嬢さんの身元が分からない。手掛かりは、お嬢さんが残した茶袱紗に「崇徳院の歌」
 せをはやみ いわにせかるる たきがわの  われても すえに あわんとぞおもう
それだけだ。熊さん、その歌を頼りに大阪中はおろか満州にまで出かけようとして、散髪屋へ。そこで、同じような事情の男が来る。お互い探し相手と分かり、「こちらに来い、」「いやこちらへ。」言い争って散髪屋の鏡が割れる。散髪屋の主人が、大丈夫!「われても すえに かわんとぞ おもう」
以上が、あらすじ。』
 そこに出てくる、崇徳院は、誠に数奇な運命を背負っておられる。
72代白河天皇73代堀河天皇74代鳥羽天皇75代崇徳天皇と、順調に皇位が親から息子に引き継がれているようだが・・・・。崇徳天皇の母君は、待賢門院(璋子)、もちろん鳥羽天皇の皇后なのだが、しかし、実父は、曾祖父白河天皇と言われている。性について、おおらかな昔の話とはいえ、自分の寵姫を腹ませたうえ孫である鳥羽帝に差し出したのである。その待賢門院 (藤原璋子)は絶世の美女と言われ、幼少から白河院の手元で育てられ、慈しみ。そして女?にされたのである。その璋子を国母(天皇の母)にl;。するために、孫の鳥羽天皇に差し出したのである。
鳥羽天皇は、生涯、崇徳院を「叔父子」(子とは言え祖父の子は叔父)と呼んで嫌った。白河上皇の庇護があり崇徳天皇となったが、白河院の死去後、その影響力が無くなると崇徳院は、鳥羽院の実の子の近衛天皇に無理やり譲位させられた。鳥羽院の寵愛はすでに美福門院滋子に移っている。そこで崇徳上皇が、せめて自分の子に次の皇位をと思って仕掛けたのが、「保元の乱」である。
 しかし、平清盛・源義朝軍の夜襲にあいやむなく仁和寺に逃げたところを捕えられ、讃岐に流され、その後「世の転覆を企て、大天魔となった。」とされる。日本国最強クラスの怨霊となったのである。崇徳院という院号も、亡くなって20年以上たった治承元年に贈られたものなのだ。その崇徳天皇の生涯は、以下の3つに分けられる。遺伝子上の父である白河上皇の崩御までの幸福期。形式上の父である鳥羽上皇の崩御までの屈辱期。そして自らの死までの破滅期とに分れる。幸福期は、5歳で即位し白河上皇崩御の10歳までと極めて短い。愛妾璋子を国母にしたい為、自らの孫である鳥羽天皇に差し渡した後妊娠させたのであるから、当然その庇護にある間は地位は安定していた。

因みに、鳥羽天皇も璋子の魅力には勝てず、自らの種?による後の後白河天皇を生ませている。璋子は妖艶でかなりの美女であったようだ。しかも安定的に妊娠できる健康な女性でもあったらしい。

屈辱期は、たちまち鳥羽天皇が反撃に出る事で始まる。怖い爺さんがいなくなって寵愛も滋子(美福門院)に移り、その所生の近衛天皇に譲位を強要される。しかも近衛天皇が早々に亡くなっても自らの子には皇位を譲ってもらえなかった。そして遂に、同母の後白河天皇の即位となる。破滅期は、遂に怨敵鳥羽上皇の崩御によって堰を切ったように崇徳院は行動する。保元の乱の勃発である。その結果招いた、「崇徳の時代」の特徴を3つ書く。

 保元の乱による戦後処理で、平安京初期の薬子の変以来、途絶えていた「死罪」の復活である。実に300年以上にわたり「死罪」はなかった。まさに平安な時代であったのだ。

  武士の時代の到来だ。愚管抄の有名な「のちムサの世になりにける。」と綴られたように、まさに平氏・源氏と武士が世を握ることになる。

 早良親王や道真の怨霊以来、再び強い怨霊の支配が続き、飢饉・災害・世の不安が次々襲う。

因みに、崇徳院は金毘羅神社に合祀され、さらに数世紀を経て京都に新たに白峰神宮が造営されることになり、道真の天満宮同様最も恐れられる怨霊に昇格することになった。

恐ろしや骨肉の争い。元はと言えば、白河上皇の倫理にもとる行為?が起こしたことである。

 

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