実践的演劇教育ーことばと心の受け渡し

四十数年の小学校と大学での教師体験からの演劇教育の理論と実践、そして、憲法を守る市民運動の現在(いま)を報告します。

〔259〕新型コロナ災禍の今こそ、鈴木孝夫講演集『世界を人間の目だけで見るのはもう止めよう』を読みませんか。

2020年04月07日 | 図書紹介
 矢部顕さんからの有益な連続メールです。読書案内です。私は未読ですが、ご紹介します。
 私もまた矢部さん同様、鈴木孝夫さんとは2006年からの数年、ラボ教育センターの言語教育総合研究所でご一緒させていただきました。会議のあとの呑み会でのお話も実に興味深く、その後、岩波新書の著書を何冊も手に取ったのでした。

●福田三津夫様

先回ご紹介しました松岡弘之さんの本に続いての本の紹介です。
じつは、もっと前の昨年の秋に刊行されたものですが、ご紹介して
いなかったと思いだしたものですから。

今回、ご紹介するのは
言語生態学者 鈴木孝夫講演集『世界を人間の目だけで見るのはもう止めよう』
(鈴木孝夫著、冨山房インターナショナル刊、1800円+税)です。
2019年10月16日発行の先生初の講演集です。
現在93歳なのですが、明晰そのもので驚きます。

表紙と目次を添付します。

鈴木先生は、岩波新書でも何冊ものベストセラーをもっている、その中でも
『ことばと文化』は超ロングセラーで、人文系の学者の人はほとんどの人が読んだ
ことがあると思います。

日本を代表する知的巨匠である言語学者(慶應義塾大学名誉教授)で、わたくしは
昔からのフアンでしたが、まことに幸運なことに定年前の6,7年間はご一緒に仕事を
することが出来たのでした。

その鈴木先生は、今回の新型コロナウイルスの世界的な蔓延について、下記のように
語っています。
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●新型コロナ災禍は、地球生態系の許しがたい破壊に次ぐ破壊を重ねた上で成
り立ってきた現代人類文明(生活)に対する自然(地球)の側からの意表を突く
ゲリラ的な大反撃・復讐みたいなもので、これを機に人類は目下翻弄され放しの
現代科学、医学等の限界も改めて思い知るとともに、この事態についての哲学的
猛省を深める必要がある。
その意味で、先生におかれては、犠牲者は誠に気の毒だし、哀悼の真情では人後
におちないが、密かに「新型コロナウィルス様」と敬称で呼びたい心持ちでもあ
る由。勿論こんなことは人前では決していわないし、他ならぬご自身が感染・重
症化して死ぬことがあってもやむなしと受けとめることを大前提として、だとも。
鈴木孝夫研究会主宰:松本輝夫 ―(元)タカの会(鈴木孝夫研究会)お知らせより―
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                               矢部 顕

●内容紹介
93歳の知的巨匠が、言語学の長年の研究から日本語の特性を説明し、
「今の世界の政治・経済のままでは世界が、人間が滅亡してしまう危機にあり、
それを救うためには優れた特性のことばを持つ日本が世界を導いていくべきだ」と
分かりやすく語ります。鈴木孝夫、初の講演集です。

◆目次巻頭言:日本は今や借り物ではない
講演録
一 世界を人間の目だけで見るのはもう止めよう    
二 言語・文化の多様性とは環境変化から人間を守る緩衝装置だ   
三 グローバル化時代を迎えた日本の大学の中心は文学部だ    
四 今、日本に最も欠けているものは国家的対外言語戦略だ    
五 日本語と日本文化が世界を平和にする   
六 今、日本語を世界に広めることにどんな意味があるのか    
七 人間の言語の起源と仕組みについての私の研究姿勢     
八 ことばは子どもの未来を拓く


 鎌田慧さんのコラムもどうぞ。

 ◆三つの家族
  森友学園の籠池夫妻は刑事被告人。赤木夫妻は死別。
  当事者の首相夫妻は今日も首相夫妻のまま…

                  鎌田慧(ルポライター)

 コロナウイルス感染に終息の見通しはない。放射能でさえ
「アンダーコントロール」と嘯(うそぶ)き、東京五輪誘致の超能力
首相も、ついにトランプ発言に追随して延期の弱音。季節は巡って
また桜が咲いたとはいえ、一族郎党、後援会員最優先、国費で桜を
見る会も中止。

 さらに追い打ちをかけているのは「最後は下部がしっぽを切られる。
なんて世の中だ」との無念を書き遺して自死した、近畿財務局職員の
遺書。
 安倍昭恵首相夫人が名誉校長に就任していた「森友学園」問題。
ベラボーな国有地9割引の払い下げの事実が露見したあと、首相は
「私や妻が関係しているということになれば、間違いなく総理大臣も
国会議員も辞めるということをはっきり申し上げておきたい」と
大見得を切った。

 この依怙贔屓(えこひいき)の後始末が、財務省の文書の
改竄(かいざん)と抹殺。その作業を実際にやらされた近畿財務局の
赤木俊夫さん=当時(54)=の死に至る苦悩と恐怖の手記が、
「週刊文春」に掲載された。
 この問題が解決しないのは「(財務省幹部らが)国会等で真実に反する
虚偽の答弁を貫いていることが最大の原因でありますし、この対応に
心身ともに痛み苦しんでいます」
 繊細な良心は苦しみ命を絶った。森友学園の籠池夫妻は詐欺罪で
長期勾留、刑事被告人。赤木夫妻は死別。当事者の首相夫妻は
今日も首相夫妻のままだ。
      (3月24日東京新聞朝刊23面「本音のコラム」より)
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