円覚寺日記 四季綴り

このお寺が建っている環境のごとく、ゆったりとした気分で書いていきたい。
浄土真宗本願寺派 円覚寺の日記帳です。

12月19日(法務・俳句会)

2007年12月19日 | 日記
午前中は宮若市と北九州市の小倉にお参り。
午後一時より町内に戻り葬儀の執行。ご遺族ご親族にお若い方も多く、
特に還骨勤行の時、真剣にご法話に耳を傾けてくださるお姿が印象的でありました。葬儀に関わる法務(通夜や還骨勤行など)の時こそ、いのちの尊さに目覚め仏法に出あうよい機会であります。お取次の大切さが身にしみます。


さて、午後2時に葬儀を終えて自坊に戻ると、12月の俳句会が行われておりました。私は葬儀があり、3時半にはまた還骨勤行に出かけなければならないので、あらかじめ五句を選者のS先生にお預けしており、選句をお任せいたしました。


今回は季節柄、落葉に関する句が多く、またお寺の俳句会らしく、報恩講に関する俳句も多く出されてあり、大変うれしく思います。

では、印象に残った句をいくつかご紹介。

おまかせに 一冬越えん 老いの坂
寒空に 一つ下がりし からすうり
まな板に 冬至南瓜を真っ二つ
冬空に 絵皿のごとし 残り柿
ふと見れば 葉下にのぞく 寒苺
残飯に 小波きらり 寒の鯉
一水の 光を囲む 渕紅葉
肺炎や 勝負の冬かと 身構える
廃道に ルビーと撒くや 冬苺
枯尾花 夕日に映えて あかね雲
などなど・・・。まだまだたくさんあります。

報恩講や年末大掃除に関する句も多数ありました。

山門を 入りて落葉の 音を踏む
参道の もみじ葉掃けども 散り急ぐ
梵鐘の 一打の余韻 冬日踏む
納骨堂 拭き清めたる 寺師走
塵外と 思ふお寺の返り花
年の瀬は 門徒つどいて 寺掃除
み仏の 顔もほころぶ 煤払い
御正忌の 味わい深き 五菜かな
恩講の 山門仰ぎ 充電す
おしるこに 心温もる 報恩講

お寺の句会ならでは。ありがたいですね。


拙句を今回もなんとかいくつか拾ってくださいました。

煤払い 我が煩悩は 残りけり
着ぶくれて 幼(おさな)の歩み たどたどし
年の暮れ 今宵も宴(うたげ)の 千鳥足

やっぱり酒はかかせない?