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「アラビアのロレンス」と森茉莉

2009-02-04 00:18:56 | シネマ&芝居

なんだかお久しぶりの気がしますが、そうでもないのかな。好きな人に対しては2日会えなくても、ああ、久しぶり~と思うものですが、わたしもブログ好きなんですね、きっと。3日書かないと、すごくお休みしていた気がします。

いろんなことが起こっています(dans ma vie)。

シネマはガンガン観てます。でも試写が多いのでコメントには慎重になります。そんな中で、古典中の古典。今まで観たことがないなんて恥ずかしくて言えない、という映画をようやく観ました!

『アラビアのロレンス』完全版ニュープリント上映です。いやあ、昨年11月に15年ぶりに来日された作曲家モーリス・ジャール氏の記者会見で、デヴィッド・リーン監督のすごさはジャール氏の口から直接聞いていたわけですが、220分という上映時間の長さに腰が引けてました。男と砂漠の映画で途中で寝ないか・・

でも、それは大きな間違いでした!

新宿テアトルタイムズスクエアの大きなスクリーンでみる砂漠の迫力。ロレンスを体現するピーター・オトゥールの信じられないようなブルーの瞳。これ全部ほんまかいな、と思いながら目は釘付けですよ。前半はイギリス特有のユーモアもちりばめられていて、いやん、大好きやん、こういうの!

ピーター・オトゥールは13年前にパリで「何かいいことないか子猫チャン/What's new, Pussycat ?(原題)/Quoi de neuf, Pussycat ?(仏題)」で観たきりで、この映画ではふ~ん線の細いハンサムやな、くらいの印象だったんですが、アラビアのロレンスのピーター・オトゥール、カリスマ性ありますよ。目の保養にもなります。

なぜ、1965年作品の「何かいいことないか子猫チャン」が95年のパリの映画館でたまたまかかっているのをパリスコープでめざとくみつけて見にいったのか(なんと12月24日に観たという記録が残っていて、きっと淋しいヒマなクリスマスだったんですね・・。でもこのタイトルしゃれてますね~。内容全然覚えてないけど)。しかも、これウディ・アレンのシナリオなんですよ。本人も出ているし、かなりドタバタだった記憶がある。でも、ピーター・セラーズも好きだし、ロミー・シュナイダーも出てるし、これはみなあかん!と思ったのか。

95年といえばすでに修士論文を森茉莉『甘い蜜の部屋』の文体分析と定めていた頃です。もし当時、筑摩書房から刊行されていた森茉莉全集をすでに読んでいたとしたら、『甘い蜜の部屋』の主人公、美少女モイラのモデルがピーター・オトゥールだ、と森茉莉が断言しているエッセーを読んだからかもしれません。どないなやつや、美少女に似ているピーター・オトゥールて? という興味です。

いやあ、さすが森茉莉が人間離れした不可思議な魅力、天性の媚態を見いだしたピーター・オトゥール、今回、ガッテンしました。

たしか森茉莉は「アラビアのロレンス」のもうひとりの新星オマー・シャリフとピーター・オトゥールのあいだに森茉莉好みの美男同士の愛を想像していたのではなかったかなあ(記憶が間違っていたら森茉莉さま、ごめんなさい)。ジャン=クロード・ブリアリとアラン・ドロンのあいだに同じものを想像して、小説書いちゃう人ですから。

うん、「アラビアのロレンス」も63年の日本公開時に異例の1年余りのロングランを記録したそうですが、それだけのもんですよ、やはり古典には古典の理由がある。

そいでもって、やはり本作品は大きなスクリーンで観るべき映画です。まだ間に合います、ニュープリントおすすめします。

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