遠藤雷太のうろうろブログ

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城定秀夫監督『アルプススタンドのはしの方』

2020-08-06 00:21:00 | 映画を見てきた

 

2020/8/5

・甲子園の全校応援に駆り出された演劇部二人が、試合観戦を通して辛い過去を乗り越えようとする話。

・原作は高校演劇。舞台版は映像で見ている。

・元々60分弱の話が75分。映画としては短いけど、この題材では長い。描写のタイトさも魅力の作品なので、追加の15分をちょっと心配する。

・演劇部二人と元野球部一人の会話がスムーズ。普通にやってるように見えるのがすごい。舞台役者的な会話スキルが高い。

・カット割が気持ちいい。リズムと間を作りながら、観客の呼吸のタイミングをコントロールする。 舞台の臨場感を忠実に再現できている。

・先生の声の枯れっぷり。会話のリズムで気持ちよく見てたのに、急にフィジカルな要素をブチ込まれて笑ってしまう。うざいだけの先生に一手間加えて愛されキャラにする手際がいい。

・もうひとつの映画の脚色。真ん中からの反論。はしの方の視線だけだとバランス悪いという判断か。左右のバランスの悪いLINEの履歴が切ない。

・慎重で客観性を重視するブレーキ型の作演出と、情熱があって社交的なアクセル型の役者。劇団のひとつの定型だと思う。こういう関係性の劇団たくさんありそう。

・元々バランスが取れていいコンビだったんだろうなと思わせる関係性なのに、気の毒なくらいギクシャクしている。

・一歩間違えると「心に傷を抱えた二人が高校野球の試合に感動して回復する」という身も蓋もない結論になってしまう話。

・そうならないのは、登場人物たちが、高校野球の試合を通して自分と向き合う話になっているから。高校野球は触媒のようなもの。

・それはそれとして、初心者が特定のジャンルに触れるときに久保くんのような身内限定のローカルな人気者を作るのはとても有効だと思う。

・唐突に出てくる実在の劇作家の名前が効いている。話が急にスクリーンを越えて現実に飛び込んでくる感じ。決め台詞っぽく言わないのが映画としてのバランスなのかな。

・舞台以上に自然かつ効果的、必然性のある音響演出。

・拍手が完全にカーテンコールのそれ。

・新型コロナの影響で似た環境の高校生がたくさんいるんだろうけど、みんなどうやって乗り越えていくんだろう。

・エピローグ。高校演劇を見るのが好きな人なら、思わず苦笑いしそうな見た目。やろうと思えばもっとそれらい絵を作れたろうに。お茶目。

 

パンフに原作戯曲掲載している。お得。


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